2042年問題。東京圏では医療も介護も受けられなくなる?

日本は少子高齢化の先進国ですが、少子化による労働力不足や高齢化による社会保障費の増大などの大問題を放置し続けています。このまま行くといつ、どの様な未来がやってくるのでしょうか?

この問題にフォーカスした2017年に出版された本、河合雅司著「未来の年表 人口減少日本でこれから起きること」を読んでみました。

 

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 2025年問題、2042年問題 

2025年問題は人口の多い団塊世代が後期高齢者(75歳)の年齢に達し、医療や介護などの社会保障費の急増や労働力不足が懸念される問題を指します。

さらに酷いのが2042年問題で、団塊ジュニア世代が高齢者になることで高齢者数がピークに達します。

 

https://www8.cao.go.jp/kourei/whitepaper/w-2017/html/zenbun/s1_1_1.html

 

しかも就職氷河期だったジュニア世代以降は派遣やアルバイトなどの非正規人口が増え、貧しい人の割合が多いため現在のようなお金持ち老人は少なくなり、生活保護が急増することが懸念されます。

その一方で働き手は急速に減少するので税収は減り、介護などの労働者の確保も非常に困難になるものと想定されます。

人口が減少しているので働き手が減ってもそんなに問題がないようにも思えるのですが、実際には老人の減少数よりも働き手の減少数の方が急速なため労働力不足はどんどん深刻化する見込みです。

 

 東京圏は2040年代には医療・介護難民の巣窟へ? 

意外なことにバブル時、団塊世代の流入によって人口が急上昇した東京圏が最も介護や医療が逼迫すると想定されるそうです。田舎や地方都市圏は高齢化率こそ上昇するものの、老人数自体はピークアウトするため、施設の不足がより深刻になるのはむしろ老人数が急増する東京圏だと考えられるとの事でした。実際、人口あたりの病床数は地方よりも東京のほうが少なく、地価が高く用地も無いので需要の急増に対応することが難しいからだそうです。

その一方でこの頃までには青森市や秋田市などの県庁所在地を含む地方自治体の約半数が消滅の危機なほど人口減少が進むと予想されています。

 

 解決策は? 

10個程解決策を挙げていましたが、個人的に面白そうに思えたのは社会保障の内、税金で補われた分を死亡時に国に返納する「社会保障費循環制度」や、「第3子に1,000万円を給付する制度」の新設でした。

 

 ここまで少子高齢化が放置されてきた原因は? 

急速に少子高齢化が進むことは40年前からわかっていたことなのに今まで誰も手を打たなかった原因として、人口問題は少しづつ進行するため、人々が日常生活の中でなかなか実感が沸かない問題であったことが要因だと考えているそうです。よって危機感が乏しく、仮に問題意識があっても解決策が見い出せなかったためにここまで先送りされてしまったとのことです。

このため、既に出生率を大幅に改善させても人口減少を食い止められないレベルまで若者の人口減少が進んでしまっているとのことです。

 

 感想と実現可能な方法は? 

東京圏が将来老人にとって非常に住みにくい場所になりそうだというのはかなり意外でしたが、そう言えば待機児童問題がずっと深刻なままなのが主に東京圏であることを踏まえれば、その世代が老人になる頃を想像すると如何にも有りそうな未来です。

 

財政問題の解決には年金や医療に税金を使うのを辞め、保険料の範囲に抑制するしかありません。その意味では「社会保障費循環制度」が実現すれば幾分マシになるかも知れません。とは言え、既にシルバー民主主義状態であることから世代間格差が広がる一方の日本において老人世代が不利になる様な制度が実現するというのは中々想像ができません。

 

また、少子高齢化問題を先送りにした原因が「人口問題は少しづつ進行するため、人々が日常生活の中でなかなか実感が沸かない問題であったこと」であるならば、それは現在においても同じであることから、実感として感じられる様になる2040年頃までは放置され続けるのが自然な流れにも思えます。もしくは派遣に続く策としてより安い労働力である移民に頼ることで人口減少の影響を穏やかにする代わりに現役世代がさらに貧しくなるような未来になるのかも知れません。

 

実際、バブル以降は平均年収が下落の一途にも関わらず社会保障費と税金は上昇するトリプルパンチ状態でした。しかも人口構成は今後さらに悪化するため、この傾向も加速するものと考えられます。

 

解決策にはなりませんが、個人が生き抜く為にはひろゆきさんが言う所の「肉屋を応援する豚」から脱するのが一つの方法である様に思えます。社会や政治に期待して任せきりにするのではなく、各自で対策しなければどうにもならない未来がやって来る確率はかなり高いものと考えられます。対策としては、

・若者で日本にいい仕事が見つけられないなら外資や海外にも目を向ける(いっそ学生時代から)

・日本で働くなら希少性や将来性も意識して職種を選ぶ。公務員は選ばない

・東京圏で老後を過ごすのが難しくなるなら地方都市圏に移住する

・年金に期待できないなら早くから投資をして資産形成する

・消費税や資産税が高くなりすぎたら税金の安い海外に移住する

 

大変そうではありますが、これはこれで案外楽しいかも・・知れませんね ٩(๑´0`๑)۶

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