リアル父子による「二人袴」【能楽観賞日記】#45

青葉の森公園芸術文化ホール開館30周年記念
野村萬斎 青葉の森 狂言の会

2023年2月5日(日) 14:00 開演
青葉の森公園芸術文化ホール 能舞台

2月は(推しが出る)能楽の公演が少ないんじゃーー!!ってことで、行ける時に行っておかないと!と思い、ちょっと遠いけど行けない距離では無かったので、千葉県にある「青葉の森公園芸術文化ホール」まで行き、【野村萬斎 青葉の森 狂言の会】を観てきました。

ちなみに私は千葉県は幕張までしか行ったことがなかったので、更にその奥、蘇我駅まで行ったのはお初でした。都内までの定期券を持ってるので交通費が半分程度で済んだのは助かったw

ホールの中に組み立て式の立派な能舞台が設置された会場だったので、今回はホール公演って感じが全くしませんでした。こんな立派な能舞台をお持ちだなんて、伝統芸能にも力を入れてる感じがあって良きホールですね😌

(でも音響はホールそのものだった。やっぱ本物の能楽堂の方が音の響きがよろしいです…)

ちなみに、全座席の一列目と舞台迫りと呼ばれる座席(=脇正面)の橋掛かり側の端っこの列が空席だったのですが、どうやら感染症予防対策で販売してなかったらしい(チケ発売日に時間ピッタリにアクセスしたのに、既に埋まってたからオカシイなとは思ったんだよねw)。お陰様で、脇正面の2列目を取ってた私は視界良好でしたよ♪千葉まで行った甲斐がありましたww

本日は萬斎さんの解説付き。
萬斎さんが、ここの舞台に立つのは10年ぶりなんだとか⁉😳

10年ぶりということで周辺散策したら見覚えのある病院を見かけて、よく考えたらドクエクのロケで来てた病院だ!(会場大ウケ🤣)とのことでした(笑)。ロビーだけそこで撮影してたようです。

萬斎「今日初めて狂言を観るという方〜?」

結構、挙手多め?

萬斎「では、狂言を観たことがある方〜?」

私(はい、は~い!(^o^)/)←w
こちらも多めに手が挙がる。

萬斎「野鳥の会が居ないと分かりませんが(笑)半々くらいかな」

ホール公演は毎回初心者の方が多い印象ですね。後ろに居たお姉様方たちも初めてだったようで、狂言を観たことがある人がそれなりにいた事に驚いてました。終演後は「意外と言葉が分かったね〜」とか、「面白かったね〜」とか言ってたので、狂言に対しては好印象のようでした😌

次は是非、ホンモノの能楽堂までおいでくださいませ😉

今回の解説は初心者向けモードで、狂言についてユーモアを交えながら手取り足取り解説しておりました。主催公演の野村狂言座の時とは微妙に違う優しい雰囲気にほっこり😌私もまだ能楽鑑賞一年生なので「うん、うん♪」と、復習するような気持ちで聞いていました。

演目の解説を終えると「ここから先は宣伝です!」と言って、大河ドラマ「どうする家康」と、舞台「ハムレット」と、主催公演の「ござる乃座」の宣伝へ🤭「ござる乃座」に関しては、国立…“国が運営してる能楽堂”なので一度くらいは来て観てほしいと😌

あと大河も丁度日曜日だったので「今日(の放送)はどうだったっけなぁ?出てたっけなぁ?もう忘れちゃった(笑)。私、ちょいちょい出てるんで。1話で死にましたけど(会場大ウケ🤣)。テレビ欄に名前が載ってたら出てるんで」とのことです😌

今川義元目当てで大河を観ようと思ってた皆さん、一話で終わりじゃないですからね!ヨロシクお願いしますね!w

狂言「昆布売」

 大名:野村太一郎
昆布売:高野和憲
 後見:月崎晴夫

【あらすじ】供を連れずに外出した大名(演:野村太一郎)が、通りかかった昆布売(演:高野和憲)を無理やり従者にしようと太刀を預けたところ、揶揄われて怒った昆布売は、太刀を抜いて大名を脅し、昆布を売ることを強要。互いの立場が逆転してしまう。大名に強要する昆布の売り声が、謡節、浄瑠璃節、踊節とだんだん興にのっていくところが見どころ。果たして大名は太刀を取り返すことができるのか…?

*・*・*

体格の良い太一郎さんが大名をやると貫禄があるのだが、そんな彼が昆布売に刀を振りかざされて「危ない…😰💦」と、へたり込む度に笑いが起きてました🤣流石👍✨

昆布売も声に迫力のある高野さんがやってるので、強気な態度がハマり役でした🤣
絶対敵に回しちゃ駄目なタイプ🤣
良いお声の謡がいっぱい聴けました👍

ただ、照明で暑いのか、高野さんは汗ダラダラで大変そうでした💦

素囃子「神楽」

 笛:八反田智子
小鼓:森澤勇司
大鼓:原岡一之
太鼓:大川典良

*・*・*

笛方が女性の方で、女性のお囃子方は長唄の会以外では初めてみたかも。

萬斎さんの解説で、笛は横から、小鼓は下から、大鼓は横から、太鼓は上から音を奏でるので、この並びの見た目も美しいんですよと仰ってて、なんか目から鱗でした。どうしても楽器隊=音に注目しちゃうけど、舞台上で演じる以上、視覚的にも楽しめるものなんだと(ただ、私、脇正面率が高いのよw)。

狂言「二人袴」三段之舞

   親:野村萬斎
   舅:高野和憲
太郎冠者:月崎晴夫
   聟:野村裕基
  後見:野村太一郎

【あらすじ】初めて舅(演:高野和憲)に挨拶に行く聟(演:野村裕基)は、一人では心細いと父親(演:野村萬斎)に付き添われてやってくる。聟に礼装の長袴をはかせ、父は表で待っていたのだが、太郎冠者(演:月崎晴夫)に見つかってしまい、父親も舅に挨拶することになってしまう。長袴が一枚しかないため、聟と父親は交代で舅の元へ出ていたのだが、ついに二人一緒に来るように言われてしまい…。

*・*・*

今回はお囃子付き。演目自体は観るの3度目ですが、萬斎&裕基親子のリアル父子版は初めて。実はこの組み合わせで観るのが夢でした。念願叶いました。萬斎さん、ありがとう、ありがとう!🙏✨

しかも今までは、この演目の時に限って橋掛かりから遠いお席(正面席)だったので、やっと父子のやり取りを近くで観ることが出来ました🤭

今思い返しても、息子に袴を着せてあげるパパの真剣な表情が目に焼き付いております🤭💕
ラストの舞は親子の息ぴったりで流石でした👍✨

一方、裕基くんは可愛い笑顔がとても印象的でした。正に何でも馬鹿正直に話してしまう裏表のない過保護に育てられた聟(笑)って感じでした🤣

裕基くんの聟役を観るのは2度目だけど、前よりも良くなってる気がしました。これも狐披キ効果?🤔

学業を終え、狐披キも終えて、今はプロの狂言師として、あらゆることをぐんぐん吸収してるんだろうなァと思う。観るたびに輝きを増していくので、ホントに将来が楽しみな狂言師のひとりです😌

月崎さんの太郎冠者は、とても優しい感じがしました。舅にチクる時、何か「微笑ましいものを見ちゃったんですよー🤭」的な感じがしたんですよね。父子は恥ずかしさのあまり逃げていくけど、この舅と太郎冠者は、とてもおおらかで全く気にせず許してくれるだろうなと思いました🤭

そして、高野さん!(てか、二曲とも出演で今回はよく働きますね👍)
以前は満面の笑みで父子を追い詰めていく太郎冠者役で笑わせてもらいましたが、舅役もナイスでしたー!!🤣やっぱり満面の笑みで父子を追い詰めていくー!🤣🤣🤣

あと聟に舞を舞わせるとき、キョトンとした表情で裕基くんから目を離さない姿が最高でした🤣

ちなみに来週、一門の若手が出る横浜狂言堂でも「二人袴」をやるのですが(見事に被ったな🤣)、今度は高野さんが親役らしいので、どんな感じになるのか、ますます楽しみになりました🤭✨

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

▼以前観た「二人袴」の感想はコチラ

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