万作を観る会-野村万之介十三回忌追善-【能楽観賞日記】#33

万作を観る会-野村万之介十三回忌追善-【第二日目】
国立能楽堂
2022年11月27日(日)14:00 開演

『万作を観る会』に行ってきました。1日目と2日目で演目が微妙に違うんですけど、そんなそんな仕事休んでいられないので、日曜日の方で。今回は、万作さんの弟である万之介さんの十三回忌追善ということで、万之介さんのことは、残念ながらDVDでしか拝見したことがないのですが、映像からもとても素晴らしい狂言師のひとりだということは伝わってきました。

同じく万作さんの弟である野村幻雪(四郎)さんも昨年お亡くなりになられてるし、萬さんも万作さんも、弟を先に亡くすとは…さぞお辛かったことと思います。萬さん、万作さんには、弟さんの分も、これから先ずっと元気で居てほしいものです。

小舞「祐善」「蝉」

「祐善」野村太一郎
「蝉」 野村裕基

 地謡:飯田豪・竹山悠樹・野村萬斎・内藤連・月崎晴夫

*・*・*

まずは、太一郎さんと裕基くんの小舞から。二人ともとても素晴らしかったです。太一郎さんの「祐善」は傘を使った小舞で、裕基くんの「蝉」は、蝉の亡霊が烏に食べられてしまった時の様子を舞う小舞(切ない…)。特に「蝉」は、最近プロのアスリートになったあのお方もお好きらしく、萬斎さんver.の動画をよく観ていたらしいと聞いていたので、これが噂の「蝉」かァ…と思いながら観ていたけど、裕基くんの場合、若さ故かフレッシュで軽やかにクルクル回るところが素敵でした😌

そして、地謡の萬斎さんも全身を使って謡ってるのが印象的でした😌
何気に萬斎さんの地謡を生で観るのは初めてかも🤔

本日も前回同様、脇正面2列目からの鑑賞で、萬斎さんのお顔が良く見える位置だったので、萬斎さんも小舞も観たいのに、なんで目ん玉2つあるのに両方同時に観れないんだと思ったね(爆)

狂言「木六駄」

太郎冠者:野村万作
   主:野村遼太
  茶屋:中村修一
  伯父:石田幸雄
  後見:内藤連・飯田豪

【あらすじ】奥丹波に住む主人(演:野村遼太)は、都の伯父へ歳暮として牛につけた木六駄と炭六駄を持って上るよう、太郎冠者(演:野村万作)に命じる。酒樽まで持たされた太郎冠者はひとりで12頭の牛を追い、激しく雪の降る坂道を登って行く。そして、坂の峠の茶屋に着くと、店は酒を切らせていたので、土産の酒樽を開いて茶屋(演:中村修一)と酒宴を始めてしまう。酔った太郎冠者は、木一駄は茶屋にやり、あと五駄は自分の小遣いにするため換金を頼み、炭六駄だけを都の伯父(演:石田幸雄)へ届けるのだが…。

*・*・*

「木六駄」は、深田さんの「やっとな会」のYouTubeで観てたので内容は知ってだけど、万作さんver.は今日が初めて。

流石、人間国宝と言いますか、本当に牛が居るように見えたし、お酒も美味しそうに飲むし、酔った演技もリアル❗雪の中、息を切らしてる所はリアルなのか演技なのか分からなくてドキドキしてしまいました😅

エアーをエアーに感じさせない、無いものを有るようにみせる演技力、DVDで初めて観た時から感じていたけど、その凄さを改めて魅せ付けられたような気がします。

木下順二作・狂言による「彦市ばなし」

  彦市:深田博治
天狗の子:高野和憲
  殿様:野村萬斎
   笛:松田弘之
  太鼓:桜井均
  後見:月崎晴夫・岡聡史・飯田豪

【あらすじ】嘘つき名人の彦市(演:深田博治)は、天狗の子(演:高野和憲)から、身に着けると姿が隠せる隠れ蓑をだまし取り、さらに殿様(演:野村萬斎)からは、河童を釣るためと嘘を言って鯨肉と天狗の面をせしめる。しかし、天狗の子が騙されたことに気づいて隠れ蓑を取り戻そうと追いかけてくる。天狗の子には鯨肉と天狗の面を奪われ、さらに隠れ蓑は何も知らない妻に燃やされてしまい…。

熊本県の昔話をもとに木下順二が書いた民話劇を元にした昭和の新作狂言。

*・*・*

新作狂言である「彦市ばなし」は、万蔵家のYouTubeで観て内容は知っており、万作家ver.は今日初めて観たんだけど、一部演出が違って、またそこに拘りを感じて凄い面白かったデス‼️😆

てか、まさか彦市が殿様に鯨の肉を求める場面で、手作り感マンサイの可愛いサイズの鯨🐳がまるごと出てくるとは❗🤣

万蔵家のやつは、只の肉の塊だったんでね、予想外の展開に笑ってしまいました。しかも、それを持ってくるのが、萬斎さんだったから余計にね🤣

脇正面だったので、鯨の断面が丸見えでした。ちゃんと色が塗られてて拘りを感じました。なんだかモンハンを思い出してしまいました(笑)

あと最後の深田さんと高野さんコンビのアーティスティックスイミング(シンクロ)の演出も可愛くて良きでした🤣

新作狂言だからか、お家が変わると演出も結構違うのですね。見比べるとそのお家のカラーが見えてくるので面白いです。

そして配役ですが、少し前までは、萬斎さんが彦市をやっていた様ですが、世代交代ということで、「シン・彦市ばなし」といった新配役に。全員ピッタリ、ハマり役で良かったと思います。深田さんの嫌な感じのしない嘘つき彦市、とにかくキュートな高野さんの天狗の子、そして(何故かw)巻き舌で超癖の強い萬斎さんの殿様🤣🤣🤣、最高のトリオでした❗コレはまた観たい‼️🤣

最初、萬斎さんが殿様をやると聞いた時、私の中では同じく殿様を演じた野村又三郎さんのイメージ(←又三郎さんのことが好きになるくらい、かなりハマってた)があったので、あの殿様、性格的にチャーミングだし、萬斎さんもチャーミングな大名とかよく演じてるから似合うだろうなと思っていたのですが、今回は、その私の想像を何倍も越えた殿様を魅せてくれました❗流石、推し様‼️サイコーだぜ‼️👍

萬斎さんの彦市も観たかったなと思ってたけど、凄い完成度というか、強キャラ感満載の殿様が観れたので(笑)、凄い満足度が高かったです。いやぁ〜ホントにまた観たい‼️🤣🤣🤣

萬斎さんの殿様の癖の強さに、私の心は全部持っていかれてしまいました‼️🤣🤣🤣

▼前回の能楽鑑賞日記はコチラ

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