房総閑話

廉価版コンデジでどれだけ撮れる?

ウラシマソウ(浦島草)、2020。

2020-03-31 10:53:31 | 写真
初めて見たとき、「お~、こんなところに食虫植物が~」と思いました。家に帰って調べると、違っていました。
ウラシマソウ。漢字で、浦島草。学名は、『サトイモ科テンナンショウ属のウラシマ』。ウラシマ?そうなんです。学名は、『Arisaema urashima』なんです。「Arisaema」はサトイモ科テンナンショウ属のことで、種小名が「urashima」で人名がついています。世界中どこへ行ってもこの植物は「ウラシマ」で通ります。
このサトイモ科の特徴でミズバショウに見られる「仏炎苞(ぶつえんほう)」があるのですが、仏炎苞の中にある肉穂花序の先端から長い付属体がビヨ~ンと出ているのが目を引きます。この付属体が浦島太郎が持っている釣り竿の釣り糸のようで「ウラシマ」となったのですが、「仏炎苞」も奇妙だが、このビヨ~ンがさらに奇妙をさを増しているように思えます。

葉っぱが展開する前に仏炎苞も出てくる前に付属体が出ています。



まだ葉っぱが展開しないのに仏炎苞が出てきます。






葉っぱが広がりました。仏炎苞はまだ小さいです。

(2020年3月18日撮影)


あれから、1週間。
葉っぱも、仏炎苞も大きくなりました。




仏炎苞の中に肉穂花序の花が見られます。



ウラシマソウは性転換する植物としても有名です。小型のウラシマソウは雄性で雄しべがあります。ウラシマソウは雄しべが隠れているので当然、虫媒花です。仏炎苞の上の口から入った虫は雄しべから花粉をつけると、仏炎苞の下の隙間から外に出ます。大型のウラシマソウは雌性に変わります。雌しべが現れるんですね。花粉をつけた虫は大きな仏炎苞の方にも入っていくでしょう。入っていった虫は雌しべに花粉をつけると、さっきと同じように下から出ようとしますが隙間がないのです。うまく脱出できない虫は死んでしまいます。これは、花粉を持ってこないで蜜だけ飲もうとする不届き者の蜜泥棒は許さない!ということですね。
これからさらに、雑木林の林縁部の木陰で明るくちょっとじめじめした場所に、ウラシマソウの群生が見られます。


(2020年3月25日撮影)
(Canon IXY DIGITAL 510IS)


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