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    親子チョコ💗(500冊以上の良質な書籍のご紹介)

    子どもたちの教育のため、また、その親である私たち自身が学ぶための、読まれるべき良質な書籍のみをご紹介させていただきます。

     >  ユダヤ >  ポーランド人 VS ウクライナ人 VS ユダヤ人

    ポーランド人 VS ウクライナ人 VS ユダヤ人

    A storm is coming 436



    本日のキーワード : ガリツィア、ウクライナ、ポーランド、ユダヤ人、ユダヤ教、キリスト教、シュトラウス派、終わりなき戦争



    Russia declares war on the Straussians
    ロシア、シュトラウス派に宣戦布告 ⑤

    Russia is not waging war on the Ukrainian people, but on a small group of people within the US power that has transformed Ukraine without its knowledge, the Straussians. It formed half a century ago and has already committed an incredible amount of crimes in Latin America and the Middle East without the knowledge of the United States. This is their story.
    ロシアが戦争を仕掛けているのはウクライナ国民ではなく、ウクライナを知らぬ間に変質させてきたアメリカ権力内の小集団シュトラウス派である。半世紀前に結成され、すでにアメリカ合衆国が知らないうちにラテンアメリカや中東で信じられないほどの数の犯罪を犯している。これは彼らの物語である。

    レオ・シュトラウス
    レオ・シュトラウス

    A BRIEF HISTORY OF THE STRAUSSUIANS
    シュトラウス派の略史

    …Thanks to the 9/11 attacks, Richard Perle and Paul Wolfowitz installed Admiral Arthur Cebrowski in Donald Rumsfeld’s shadow. He played a role comparable to that of Albert Wohlstetter during the Cold War. He imposed the strategy of “endless war”: the US armed forces should not win any more wars, but start many of them and keep them going as long as possible. The aim would be to destroy all the political structures of the targeted states in order to ruin these populations and deprive them of any means of defending themselves against the US; a strategy that has been implemented for twenty years in Afghanistan, Iraq, Libya, Syria, Yemen…
    9.11 テロのおかげで、リチャード・パールポール・ウォルフォウィッツは、ドナルド・ラムズフェルドの下にアーサー・セブロウスキー提督を配置することとなった。彼は、冷戦時代のアルバート・ウォールシュテッターに匹敵する役割を担った。彼は、「終わりなき戦争」 の戦略を押し付けた : アメリカ軍はこれ以上戦争に勝つのではなく多くの戦争を始めできるだけ長く戦争を続けるべきだというものだ。その目的はターゲットとなる国家の政治構造をすべて破壊しその国民を疲弊させ米国から自衛する手段を奪うことである : この戦略はアフガニスタンイラクリビアシリアイエメンで 20 年間実施されてきたものである

    リチャード・パール
    リチャード・パール

    ポール・ウォルフォウィッツ
    ポール・ウォルフォウィッツ

    ドナルド・ヘンリー・ラムズフェルド
    ドナルド・ヘンリー・ラムズフェルド

    アーサー・セブロウスキー
    アーサー・セブロウスキー

    アルバート・ウォルステッター
    アルバート・ウォルステッター

    The alliance between the Strausians and the revisionist Zionists was sealed at a major conference in Jerusalem in 2003, which Israeli political figures from all sides unfortunately thought they should attend. It is therefore not surprising that Victoria Nuland (Robert Kagan’s wife, then ambassador to NATO) intervened to declare a ceasefire in Lebanon in 2006, allowing the defeated Israeli army not to be pursued by Hezbollah.
    シュトラウス派と修正主義的シオニストとの同盟は、2003 年にエルサレムで開かれた大規模な会議で結ばれた。この会議は、残念ながら、あらゆる立場のイスラエル人政治家が出席すべきものと考えていたのである。したがって、ビクトリア・ヌーランドロバート・ケーガンの妻、当時 NATO 大使) が 2006 年にレバノンで停戦を宣言するために介入し、敗れたイスラエル軍がヒズボラから追撃されないようにしたことは不思議ではないのである。

    ビクトリア・ヌーランド ユダヤ
    ビクトリア・ヌーランド

    ロバート・ケーガン
    ロバート・ケーガン

    Is Zelensky a Cousin of George Soros?

    Hitler.jpg 習近平思想の着想者であり、中国的特徴を持つ社会主義の提唱者である習近平総書記

    Russia declares war on the Straussians



    本日の書物 : 『ガリツィアのユダヤ人 (新装版) : ポーランド人とウクライナ人のはざまで』 野村 真理 人文書院



    戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。

    そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。

    私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、

    客観的に情勢を判断する必要があります。

    それでは、この書物を見ていきましょう!




    『 表 3 は、ルヴフの民族別人口構成】を示したものである。ただし、ハプスブルク帝国領時代の一九〇〇年両大戦間期の一九三一年【宗教別人口構成】を表し、この場合、【ローマ・カトリック教徒とポーランド人】【ギリシア・カトリック教徒とウクライナ人 (ルーシン人、ルテニア人)【ユダヤ教徒とユダヤ人】がほぼ重なると考えてよい。

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    ギリシア・カトリック教会とはもとは東方教会に属していたがローマ・カトリック教会との関係を深めローマ教皇の権威を認めて東方教会からわかれた。東方典礼カトリック教会、あるいは東方帰一教会、合同教会 (ユニアート教会) と呼ばれることもある。ウクライナがソ連邦を構成する共和国であった一九五九年と一九八九年については、共和国の民族別人口調査結果を示している。いずれにせよ、この表を見れば、【第二次世界大戦を境に、街はポーランド人の街ルヴフからウクライナ人の街リヴィウへ変わり、そのあいだにユダヤ人の姿もまた消えた】ことがわかるだろう。

    リヴィウ(レンベルク)の位置
    リヴィウ (レンベルク、ルヴフ) の位置

    【ガリツィアのユダヤ人】にとって、第二部のおわりに述べるナチ・ドイツの侵攻が真冬の死の到来を意味していたとすれば、ユダヤ人の秋は、ポーランド人やチェコ人など、東欧の諸民族が念願の独立をはたし、民族の春を言祝いだときに始まった】第一次世界大戦は多民族国家ハプスブルク帝国を崩壊させ帝国の諸民族はいっせいに民族自決へ向かって走り出した【ポーランド人とウクライナ人とユダヤ人が混在していた東ガリツィア】ではこの地域を【ポーランド人の民族 = 国民国家に組み入れたいポーランド人】とこの地域に【ウクライナ人と民族 = 国民国家を創りたいウクライナ人】のあいだでこの地域の【領有をめぐり激しい戦闘が起こる】

    ウクライナの戦争って、どのくらい深刻なの?
    ウクライナの戦争って、どのくらい深刻なの?

    そして互いに戦っている【ポーランド人とウクライナ人のどちらもが、自分たちにとっての異民族であるユダヤ人に向かって、ユダヤ人をたたき出せ、と叫ぶことになる】のだ。』

    日の丸

    トビアの旅と犬


    いかがでしょうか?

    今回ご紹介させていただく書物は、ユダヤ人オリガルヒの手によって戦争を引き起こし国内が荒廃する一方のウクライナで、その南西部を中心 (ポーランド南部も含む) とした 「ガリツィア」 という地域におけるポーランド人・ユダヤ人・ウクライナ人の非常に複雑な関係を、歴史的事実に基づいて解説がなされている良書で、本書を御覧になれば、「なぜ、ユダヤ人が嫌われるのか」 が理解でき、現在のウクライナにおける戦争をもたらしたユダヤ人オリガルヒらの戦争目的も正しく推測することができるようになる当ブログお薦めの書物となります。少なくとも、「ユダヤ人は一方的な被害者である」 とか、「ウクライナがかわいそう」 という的外れな考え方が、本書一冊だけで消し去れること間違いなしで、ユダヤ・キリスト教的善悪二元論でしか物事を思考できなくなっている多くの日本国民広く読まれるべきだと考えます。

    読書 女性 4-38

    それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。

    (死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)

    ※(  )内は前回の数値

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    Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE

    アメリカ : 1,032,506(1,031,427)÷91,876,548(91,681,138)=0.0112・・・(0.0112) 「1.12%(1.12%)」
    idesplvcst1.jpg

    イタリア : 172,729(172,568)÷21,213,559(21,170,600)=0.0081・・・(0.0081) 「0.81%(0.81%)」
    idesplvcst2.jpg

    日本 : 33,176(33,015)÷13,618,037(13,379,386)=0.0024・・・(0.0024) 「0.24%(0.24%)」
    idesplvcst3.jpg









    さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓

    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)

    そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。

    世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである詳しくはこちらから💓

    そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    イマヌエル・カント
    イマヌエル・カント

    たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない詳しくはこちらから💓

    また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

    世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる詳しくはこちらから💓

    で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

    カール・マルクス
    カール・マルクス

    私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

    ウラジーミル・イリイチ・レーニン 1
    ウラジーミル・イリイチ・レーニン

    われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう詳しくはこちらから💓

    このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中はその影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていないという状況にあるということです。

    Hunter Biden Soros Linked to Biolabs in Ukraine





    その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓

    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)

    また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア詳しくはこちらから💓) やウクライナ詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

    A storm is coming 245





    さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓

    ウーマニ

    そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために様々な論文を見ているところとなります。

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    『初期ユダヤ教と原始キリスト教団における解釈と受容 : 「霊」と「天使」の概念の変遷を辿る』大澤 香

    それでは早速、続きを見て参りましょう。

    『 2 章 初期ユダヤ教
     「初期ユダヤ教」 という時代区分は、狭くは前 2 ~ 後 2 世紀広くは前 6 ~ 後 1、2 世紀など研究者によって様々に定義されるが (69)、ここでは捕囚後の第二神殿時代に再建した神殿とモーセ五書 (トーラー) を柱とする改革が行われトーラーの絶対的な重要性のもとに特徴的でしかし多様な聖書解釈がなされていった時期を指してこの用語を用いたい (70)。TovTov (71) は 「逆説的だがモーセ五書への関心の高まりが紀元前最後の数世紀間に多種多様な本文形式の創出に寄与した」 と指摘する (72)。本章では聖典としての聖書テキストの解釈が著しく発達した初期ユダヤ教の時代状況の中での具体的な読者・解釈者の視点に焦点を当てつつテキストと彼らとの間に成立した特徴的で多様な解釈を分析する。解釈者の視点を想定することによって、特にこの時期に発達した 「霊 (聖霊) 」 「天使」 の概念がいかに重要かつ特徴的な形象であったのかを示すことができるだろう。

    2 - 4 初期ユダヤ教における文学技法

     ここでは初期ユダヤ教の時代特徴的な文学技法を確認することで、この時代の聖書解釈の特徴を検討する。


    2 - 4 - 3 実例 ‐ トビト記における読みの層 ‐
     ここでは実際に、クムランからもその写本断片が見つかっているこの時代の外典文学の一つであるトビト記の分析を通してトビト記に想定される内包された読者がトビト記の物語を通してその向こうにどのような allusion を読み取っていたと想定することができるのか考察をする。ここでの方法論は、従来のような歴史批評か文芸批評かという二分法的 ( dichotomic ) な議論を避けるため、歴史批評と文芸批評とをそれぞれが対象とする事項に正しく適用する 「折衷主義 ( eclecticism ) 」 を取ることを試みる。具体的には、テキストの書かれた時代背景および内包された読者を想定するために歴史的研究を適用し、その次の段階としてテキストの内的世界を分析するために 「物語批評」 を用いる。「読者」 に焦点を当てた 「読みの層」 を想定することによって初期ユダヤ教時代の聖書解釈をより立体的に捉えることができるだろうトビ ト記の物語は 「天使」 が物語の重要な登場人物として生き生きと描かれた第二神殿時代の文学である


    (2) トビト物語を読む (204)

     物語の歴史的状況に思いを馳せつつ、物語そのものを味わい読むことへと進みたい。というのも、この物語を語り継いできた人々の思いは、「物語の中」 にこそ息づいているはずだからである。トビト記のあらすじは、ナフタリ族アシエルの家系に属するトビトという人物がアッシリアの支配の下で捕囚となり同族の人々に慈善の業を続ける中で失明する死を願って祈られたトビトの祈りによって神から天使ラファエルが遣わされラファエルに導かれてトビトの息子トビアは旅をし旅において同族のサラとの結婚が成立するそして旅から帰還したトビアによってトビトの視力も回復される物語であるトビアは死の前にニネベの滅亡を知らされ神を賛美しながら物語は終わる


    『トビアとサラの結婚式の夜』 ヤン・ステーン
    『トビアとサラの結婚式の夜』 ヤン・ステーン

    トビアの旅に同伴する犬の役割について
     トビアの旅には犬が同伴しているのであるが、この犬に関して、素材となった民話の痕跡と見なす、あるいは物語を和ませるほほえましい脇役であるとするなど、研究者によって様々な説明がなされているが (215)、定着している解釈はない。犬はトビアがラファエルに伴われて旅に出る時および旅から帰ってくる時に二度 ( 6:2、11:4 ) 登場するのみで、物語の中で何らかの役割を担っているのかどうかということにおいてさえ、研究者を困惑させてきた。しかし、トビト記を最終形態で完成した一つの物語として見る時には物語の中で意味のないものは一つもなく犬も重要な役割を担っていると考えられる2 つの可能性を提示する。どちらの解釈もトビアの旅に犬が随伴していることが重要な点である。


    A. 「約束の地」 へ導き入れられた時の想起

     一つ目の可能性は、もともとのテキストとされるアラム語またはヘブライ語によって語られた物語の中で、言葉の関連において示唆されていたと考えうる可能性である。トビト記は、複数の研究者によって、申命記の影響が指摘されているが、特に Weitzman は、12:17 - 20 で天使ラファエルがトビトとトビアに神をほめたたえることおよび起こったすべての事を書き記すことを指示した場面と、申 31:14 - 30 で主が臨在の幕屋に立つモーセとヨシュアに現れ、歌を書き記すことを指示した場面の文脈、言語、統語的な対応を指摘しつつ、13 章のトビトの賛歌は、申 32 章のモーセの歌を想起させるものであると主張する (216)。そこには、主の指示、モーセ、モーセの後継者ヨシュアと、天使ラファエルの指示、トビト、息子トビアの対応関係が示唆されている。
     ところで、ヘブライ語で犬 כלב (アラム語 כלבא ) は旧約聖書に登場する人物名カレブ כלב (アラム語 כלבא ) と同語根の単語であるカレブはモーセが主から命じられて約束の地カナンを偵察するために 12 部族から 1 人ずつ 12 人を派遣した際の 1 人であり 40 日間の偵察の後他の 10 人がカナン侵入を恐れて反対し民が泣きごとと不平を言う中ヌンの子ヨシュアとエフネの子カレブのみがカナンの土地の素晴らしさと主が共におられるがゆえに恐れてはならないことを民に訴えるそれゆえ不平を言った民はカナンに入ることが許されず荒野で死ぬことを主から命ぜられるがヨシュアとカレブだけが40 年の荒野放浪の後に約束の地カナンに入ることを許されたのである (217)。
     前述の Weitzman の主張で確認したように、トビ 12 - 13 章が申 31 - 32 章を想起させるものであるならば、そこには申命記で描かれているところの、荒野での放浪がもうすぐ終わり、約束の地カナンに入るのを目前にした希望がそこに想起されると言うことができるだろう。そのことと前述の人物関係の対応を併せて考えると、この場面に先立つ、トビトが息子トビアを旅へと送り出し犬( כלב )が伴う旅はモーセによって約束の地カナンの偵察へと送り出されたヨシュアとカレブを強く連想させるものであったのではないだろうか (218)。そうであれば、荒れ野での放浪が終わり、主に伴われ約束の地へ最初に入った時のことを想起しつつ、民が一つとなってその地に再び住むことへの願いが語りだされた物語において、犬もまたその重要な役割を担っていることになる。

    トビア 犬

    図3 トビア 犬

     図で示したような構造が、ディアスポラの民がこの物語を読む時にあったと考える。すなわち、読者はトビアの旅の物語を通してイスラエルの民の 「約束の地」 への旅路を想起し荒野での放浪が終わり約束の地に入ることができたことを想起する。そして、アッシリアによる捕囚の終わりを記しつつ、いつの日かエルサレムに帰還する希望をうたう物語に、離散の民である読者自身の、離散の生活の終わりと、バラバラであった民族が一つとされてエルサレムに帰還することの希望を託し、それが実現するとの希望を支えられ、新たにされるのである。


    (215) Moore はそれを素材となった民話の痕跡とする (Moore, op.cit cit., pp.197 197-8) 。Portier-Young は物語を中断させるユーモラスな要素として言及する (Anathea Portier Portier-Young, “Alleviation of suffering in the Book of Tobit: comedy, community, and happy endings”, CBQ 63 - 1, 2001, p. 53 )。

    (216) Steven Weitzman, “Allusion, Artifice, an d Exile in the Hymn of Tobit Tobit”, JBL 115 - 1, 1996, pp. 49 -61 .

    (217) 民 13:1 - 14:38 、申 1:34 - 40 。シラ 46 章は、民を約束の地へと導き入れたモーセの後継者ヨシュアとカレブへの賛歌を謳っている。

    (218) カナン侵入には天使は登場しないが、土地配分にあたってモーセが信頼して託したのが祭司エルアザルとヌンの子ヨシュアであることは興味深い (民 34:17 )』


    ということで、本日はここまでとさせて頂きます。













    続きは次回に♥




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