FC2ブログ

    親子チョコ💗(500冊以上の良質な書籍のご紹介)

    子どもたちの教育のため、また、その親である私たち自身が学ぶための、読まれるべき良質な書籍のみをご紹介させていただきます。

     >  ユダヤ >  ポーランド人とウクライナ人にとって、自分たちの住処にい “寄食者” でしかないのが “ユダヤ人”

    ポーランド人とウクライナ人にとって、自分たちの住処にい “寄食者” でしかないのが “ユダヤ人”

    A storm is coming 444

    本日のキーワード : ガリツィア、ウクライナ、ポーランド、ユダヤ人、ユダヤ教、キリスト教、シュトラウス派



    Russia declares war on the Straussians
    ロシア、シュトラウス派に宣戦布告 ④

    Russia is not waging war on the Ukrainian people, but on a small group of people within the US power that has transformed Ukraine without its knowledge, the Straussians. It formed half a century ago and has already committed an incredible amount of crimes in Latin America and the Middle East without the knowledge of the United States. This is their story.
    ロシアが戦争を仕掛けているのはウクライナ国民ではなく、ウクライナを知らぬ間に変質させてきたアメリカ権力内の小集団シュトラウス派である。半世紀前に結成され、すでにアメリカ合衆国が知らないうちにラテンアメリカや中東で信じられないほどの数の犯罪を犯している。これは彼らの物語である。

    レオ・シュトラウス
    レオ・シュトラウス

    A BRIEF HISTORY OF THE STRAUSSUIANS
    シュトラウス派の略史

    …The Straussians were removed from power during Bill Clinton’s term. They then entered the Washington think tanks. In 1992, William Kristol and Robert Kagan (the husband of Victoria Nuland, widely quoted in the previous articles) published an article in Foreign Affairs deploring President Clinton’s timid foreign policy and calling for a renewal of “benevolent global hegemony”. The following year they founded the Project for a New American Century (PNAC) at the American Enterprise Institute. Gary Schmitt, Abram Shulsky and Paul Wolfowitz were members. All of Leo Strauss’s non-Jewish admirers, including the Protestant Francis Fukuyama (the author of The End of History), immediately joined them.
    シュトラウス派は、ビル・クリントンの任期中に権力から排除された。その後、彼らはワシントンのシンクタンクに入りこんだ。1992 年、ウィリアム・クリストルロバート・ケーガン (前号で大きく引用したビクトリア・ヌーランドの夫) は、『フォーリン・アフェアーズ』 にクリントン大統領の臆病な外交政策を嘆き、「慈悲深い世界覇権」 の復活を求める論文を発表した。翌年、彼らはアメリカン・エンタープライズ公共政策研究所アメリカ新世紀プロジェクト (PNAC) を設立した。

    ウィリアム・クリストル
    ウィリアム・クリストル

    ロバート・ケーガン
    ロバート・ケーガン

    ビクトリア・ヌーランド ユダヤ
    ビクトリア・ヌーランド

    ゲイリー・シュミットアブラム・シュルスキーポール・ウォルフォウィッツがメンバーであった。レオ・シュトラウス派の非ユダヤ人崇拝者たちは、プロテスタントのフランシス・フクヤマ ( 『歴史の終わり』 の著者) を含めて、すぐに彼らに合流した。

    ゲイリー・シュミット
    ゲイリー・シュミット

    アブラム・シュルスキー
    アブラム・シュルスキー

    ポール・ウォルフォウィッツ
    ポール・ウォルフォウィッツ

    フランシス・フクヤマ
    フランシス・フクヤマ

    In 1994, now an arms dealer, Richard Perle (a.k.a. “the Prince of Darkness”) became an advisor to the President and ex-Nazi Alija Izetbegović in Bosnia-Herzegovina. It was he who brought Osama Bin Laden and his Arab Legion (the forerunner of Al Qaeda) from Afghanistan to defend the country. Perle was even a member of the Bosnian delegation at the signing of the Dayton Accords in Paris.
    1994 年、今や武器商人となったリチャード・パール (通称 「闇の王子」 ) は、ボスニア・ヘルツェゴビナで大統領と元ナチのアリヤ・イゼトベゴビッチの顧問になった。アフガニスタンからウサマ・ビン・ラーディンアラブ軍団アルカイダの前身) を連れてきて、国を守らせたのも彼であった。パリでのデイトン協定調印の際には、パールはボスニア側代表団の一員でもあった。

    リチャード・パール
    リチャード・パール

    アリヤ・イゼトベゴヴィッチ
    アリヤ・イゼトベゴヴィッチ

    ウサマ・ビン・ラーディン
    ウサマ・ビン・ラーディン

    In 1996, members of the PNAC (including Richard Perle, Douglas Feith and David Wurmser) wrote a study at the Institute for Advanced Strategic and Political Studies (IASPS) for the new Israeli Prime Minister, Benjamin Netanyahu. This report advocates the elimination of Yasser Arafat, the annexation of the Palestinian territories, a war against Iraq and the transfer of Palestinians there. It was inspired not only by the political theories of Leo Strauss, but also by those of his friend, Ze’ev Jabotinsky, the founder of “revisionist Zionism”, of whom Netanyahu’s father was the private secretary.
    1996 年、PNAC のメンバー (リチャード・パール、ダグラス・ファイス、デイビット・ヴルムザーなど) はイスラエルの新首相ベンヤミン・ネタニヤフのために戦略・政治高等研究所 (IASPS) で研究書を執筆した。

    ダグラス・ファイス
    ダグラス・ファイス

    デイビット・ヴルムザー
    デイビット・ヴルムザー

    ベンヤミン・ネタニヤフ
    ベンヤミン・ネタニヤフ

    この報告書はヤーセル・アラファートの排除パレスチナ領土の併合イラク戦争とそこへのパレスチナ人の移送を提唱しているレオ・シュトラウスの政治理論だけでなく彼の友人でありネタニヤフの父が私設秘書を務めていた 「修正主義シオニズム」 の創始者ゼエヴ・ジャボチンスキーの理論にも触発されたものであった

    ヤーセル・アラファート
    ヤーセル・アラファート

    ゼエヴ・ジャボチンスキー
    ゼエヴ・ジャボチンスキー

    The PNAC raised funds for the candidacy of George W. Bush (the son) and published before his election its famous report “Rebuilding America’s Defenses”. It called for a Pearl Harbor-like catastrophe that would throw the American people into a war for global hegemony. These are exactly the words that PNAC Secretary of Defense Donald Rumsfeld used on September 11, 2001.
    PNAC は、ジョージ・W・ブッシュ (息子) の立候補のために資金を集め、彼の当選前に有名な報告書 『アメリカの防衛の再建』 を発表した。真珠湾攻撃のような大惨事が起きればアメリカ国民は世界の覇権をめぐる戦争に巻き込まれる、と訴えているこれはまさにPNAC のドナルド・ラムズフェルド国防長官が 2001 年 9 月 11 日に使った言葉である

    ドナルド・ヘンリー・ラムズフェルド
    ドナルド・ヘンリー・ラムズフェルド

    Is Zelensky a Cousin of George Soros?

    Hitler.jpg 習近平思想の着想者であり、中国的特徴を持つ社会主義の提唱者である習近平総書記

    Russia declares war on the Straussians



    本日の書物 : 『ガリツィアのユダヤ人 (新装版) : ポーランド人とウクライナ人のはざまで』 野村 真理 人文書院



    戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。

    そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。

    私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、

    客観的に情勢を判断する必要があります。

    それでは、この書物を見ていきましょう!




    『 【一八四八年に始まるユダヤ人解放への道のり】は平坦というわけにはいかなかったウィーン革命】は挫折に終わる一〇月革命】勃発後、クレムジールに移動して審議を続けていた憲法制定帝国議会は、一八四九年三月七日に軍隊によって解散させられ、同時に欽定憲法が公布された。それでもこの憲法は信仰の自由と法の下での平等を認めたが、ついに発効することなく、一ハ五一年一二月三一日の勅令で廃止されるこれでユダヤ教徒の法的平等問題は一ハ四八年革命以前の振り出しに戻ることになるしかし一ハ四九年三月の欽定憲法の廃止がその憲法より以前に革命期の憲法制定帝国議会で決定された法律の廃止まで意味しうるか否か法律上の混乱は避けられずいったん撤廃されたユダヤ人差別もはやすべて元通りに復活することはできなかった以後ユダヤ人に対する差別法は段階的に撤廃され、一ハ六七年一二月の憲法によって、オーストリアのユダヤ人の法の下での平等が実現した】

     しかし一ハ四八年三月革命】はユダヤ人解放の始まり】であったと同時に【ガリツィアのポーランド人やルーシン人 (ルテニア人) にとっては 「諸民族の春」 の始まり】でもあった

     ヨーゼフの農民解放政策は、実質的な効果は少なかったが、【ルーシン人農民の意識には確実な変化】をもたらした。彼らは、自分たちの社会的状況の不当性を認識し、その不当性の自覚が、一ハ四八年革命における農民解放の実現と、【ガリツィアのルーシン人の民族運動の始まり】へとつながってゆく。一ハ四八年革命において【ルーシン人ははじめて、ガリツィアを東西に分割すること、そして東ガリツィアをルーシン人の土地と認めること、東ガリツィアの教育と行政にルーシン人の言語 (ウクライナ語) を導入することを要求】した。皇帝に対し、ルーシン人の最高評議会によって起草された【ガリツィア分割のための請願】は、農民の支持を得てニ〇万人以上の署名を集める。字の書けない農民は、十字架の記号を記すことによって署名にかえた。こうして【ルーシン人の民族運動】は、確かな一歩を踏み出す。【ルーシン人農民とユダヤ人の経済的利害の対立】は、【ルーシン人によって、ルーシン人とユダヤ人の民族的対立と意識され】、第二部で述べるように、【ルーシン人自身による農業協同組合や消費組合の組織化は、ユダヤ人商人に対するボイコットと手を携えて進められた】

     またポーランド人ユダヤ人の関係】についていえば一ハ世紀末に【国家が三分割されて以来、独立回復はポーランド人の悲願】であったがそのさい【ポーランド人は、ユダヤ人ポーランド人の民族運動の同志としては見なしてはいなかった】ポーランド人】と【ルーシン人】と【ユダヤ人】は【数世紀の長きにわたってガリツィアを自分たちの住処としてきた】しかし【ポーランド人とルーシン人が、それぞれガリツィアでの民族自決権を主張し始めたとき、ユダヤ人は、ポーランド人にとってもルーシン人にとっても、自分たちの住処にいる寄食者でしかなくなるのである】。』

    日の丸

    「道をよく知る者」 天使ラファエル


    いかがでしょうか?

    今回ご紹介させていただく書物は、ユダヤ人オリガルヒの手によって戦争を引き起こし国内が荒廃する一方のウクライナで、その南西部を中心 (ポーランド南部も含む) とした 「ガリツィア」 という地域におけるポーランド人・ユダヤ人・ウクライナ人の非常に複雑な関係を、歴史的事実に基づいて解説がなされている良書で、本書を御覧になれば、「なぜ、ユダヤ人が嫌われるのか」 が理解でき、現在のウクライナにおける戦争をもたらしたユダヤ人オリガルヒらの戦争目的も正しく推測することができるようになる当ブログお薦めの書物となります。少なくとも、「ユダヤ人は一方的な被害者である」 とか、「ウクライナがかわいそう」 という的外れな考え方が、本書一冊だけで消し去れること間違いなしで、ユダヤ・キリスト教的善悪二元論でしか物事を思考できなくなっている多くの日本国民広く読まれるべきだと考えます。

    読書 女性 4-39

    それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。

    (死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)

    ※(  )内は前回の数値

    tailepdfithg.jpg
    Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE

    アメリカ : 1,031,427(1,030,962)÷91,681,138(91,585,521)=0.0112・・・(0.0112) 「1.12%(1.12%)」
    tailepdfithg1.jpg

    イタリア : 172,568(172,397)÷21,170,600(21,124,644)=0.0081・・・(0.0081) 「0.81%(0.81%)」
    tailepdfithg2.jpg

    日本 : 33,015(32,846)÷13,379,386(13,129,678)=0.0024・・・(0.0025) 「0.24%(0.25%)」
    tailepdfithg3.jpg









    さて、これまでの流れを、簡単に確認しておきますと、まず、出発点として、カール・マルクス (1818 - 1883) が生まれる約 200 年ほど前の時代 (日本で言えば、戦国時代から江戸時代初期にかけての時代) に、ドイツの神秘主義者であるヤーコプ・ベーメ (ヤコブ・ベーメ、1575 - 1624) という名の人物がいて、その後の 「ドイツ思想」 に決定的な影響を与えた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 なるものが世に生まれることになります。(詳しくはこちらから💓

    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)
    ヤーコプ・ベーメ(ヤコブ・ベーメ)

    そのベーメの言っていたことというのは、次のようなものでした。

    世界は本来壊れているものであり、それを直すことができるのは正しい者だけである詳しくはこちらから💓

    そして、その影響を受けたのがプロイセン (ドイツ) の哲学者イマヌエル・カント (1724 - 1804) で、彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    イマヌエル・カント
    イマヌエル・カント

    たとえ世界を直すことができなくても、私たちは常に世界を直すことができると仮定して行動しなければならない詳しくはこちらから💓

    また、ドイツ観念論を代表する思想家ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル (1770 - 1831) も影響を受けていて、そんな彼が言っていたことは、次のようなものでした。

    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル
    ゲオルク・ヴィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル

    世界が固定されていたとしても、私たちは無意識のうちに分裂を起こし、世界が再び崩壊し始めることになる詳しくはこちらから💓

    で、この流れを受け継いでいるのがカール・マルクスであり、ウラジミール・レーニン (1870 - 1924) で、彼らが言っているのは次のようなことです。

    カール・マルクス
    カール・マルクス

    私たちには、世界を壊したいという衝動はない。もし私たちが世界を壊すとすれば、それは私たちが社会とその主人たちからそうすることを学んだからである

    ウラジーミル・イリイチ・レーニン 1
    ウラジーミル・イリイチ・レーニン

    われわれは、世界を固定するために、意識の統一を強行しよう詳しくはこちらから💓

    このように、ドイツで生まれた 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想が生み出されることとなります。ここで重要な点は、そもそも全知全能なる神が創り賜うた世界にあって、なぜ悪が存在するのか、という疑問から生じた 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 が、ユダヤ・キリスト教的 “善悪二元論” をより一層強化し、世界を完全に良くするために 「悪なるもの」 を消し去らねばならない、といった浅はかな思考へと陥る人々を生じさせたことです。多くの一般的な人々も陥りやすい誤った思考ですが、特に 「極左おパヨク」 と呼ばれる連中はその影響をもろに受けてしまうほどの 「おバカ」 で、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することで、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の対象物として “罪” を創り出し、その罪に対する償 (つぐな) い・贖 (あがな) いを果たねばならない、と妄信させることによって、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 の下で人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し ( ← これが、ポリコレw)人々の “自由” を奪う極めて 「権威主義的な統制社会の再構築」 を目指す連中の思う壺となっていて、それはまさに現在私たちが普通に目にすることができる状況にあります。つまり、もはや隠そうともしていないという状況にあるということです。

    Hunter Biden Soros Linked to Biolabs in Ukraine





    その 「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」 については、ドイツ出身の社会学者・歴史学者かつマルクス主義者であり、エリート理論の信奉者で、さらにはファシズム (全体主義者) でもあったロベルト・ミヒェルス (ロベルト・ミヘルス) が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy) を確認をしてきましたが、そこにもやはり 「キリスト教神智学 (Christian theosophy) 」 ・ 「ベーメ神智学 (Boehmian theosophy) 」 の影響を見ることができます。(詳しくはこちらから💓

    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
    ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)

    また、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー) 」 と同根の言葉である 「オリガルヒ (oligarch) 」 につきましても、ロシア詳しくはこちらから💓) やウクライナ詳しくはこちらから💓) の事例から、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 ( = ユダヤ教徒)」こちらもご参照💓) が存在していることも判明しました。

    A storm is coming 245





    さらには、ウクライナとユダヤ人 ( = ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認しました。 (詳しくはこちらから💓

    ウーマニ

    そこで、現在 “ユダヤ人” (民族としては定義され得ない、単なる宗教信者のグループ) という存在に着目し、より一層理解を進めるために様々な論文を見ているところとなります。

    fhdeusid.jpg
    『初期ユダヤ教と原始キリスト教団における解釈と受容 : 「霊」と「天使」の概念の変遷を辿る』大澤 香

    それでは早速、続きを見て参りましょう。

    『 2 章 初期ユダヤ教
     「初期ユダヤ教」 という時代区分は、狭くは前 2 ~ 後 2 世紀広くは前 6 ~ 後 1、2 世紀など研究者によって様々に定義されるが (69)、ここでは捕囚後の第二神殿時代に再建した神殿とモーセ五書 (トーラー) を柱とする改革が行われトーラーの絶対的な重要性のもとに特徴的でしかし多様な聖書解釈がなされていった時期を指してこの用語を用いたい (70)。TovTov (71) は 「逆説的だがモーセ五書への関心の高まりが紀元前最後の数世紀間に多種多様な本文形式の創出に寄与した」 と指摘する (72)。本章では聖典としての聖書テキストの解釈が著しく発達した初期ユダヤ教の時代状況の中での具体的な読者・解釈者の視点に焦点を当てつつテキストと彼らとの間に成立した特徴的で多様な解釈を分析する。解釈者の視点を想定することによって、特にこの時期に発達した 「霊 (聖霊) 」 「天使」 の概念がいかに重要かつ特徴的な形象であったのかを示すことができるだろう。

    2 - 4 初期ユダヤ教における文学技法

     ここでは初期ユダヤ教の時代特徴的な文学技法を確認することで、この時代の聖書解釈の特徴を検討する。


    2 - 4 - 3 実例 ‐ トビト記における読みの層 ‐
     ここでは実際に、クムランからもその写本断片が見つかっているこの時代の外典文学の一つであるトビト記の分析を通してトビト記に想定される内包された読者がトビト記の物語を通してその向こうにどのような allusion を読み取っていたと想定することができるのか考察をする。ここでの方法論は、従来のような歴史批評か文芸批評かという二分法的 ( dichotomic ) な議論を避けるため、歴史批評と文芸批評とをそれぞれが対象とする事項に正しく適用する 「折衷主義 ( eclecticism ) 」 を取ることを試みる。具体的には、テキストの書かれた時代背景および内包された読者を想定するために歴史的研究を適用し、その次の段階としてテキストの内的世界を分析するために 「物語批評」 を用いる。「読者」 に焦点を当てた 「読みの層」 を想定することによって初期ユダヤ教時代の聖書解釈をより立体的に捉えることができるだろうトビ ト記の物語は 「天使」 が物語の重要な登場人物として生き生きと描かれた第二神殿時代の文学である


    (2) トビト物語を読む (204)

     物語の歴史的状況に思いを馳せつつ、物語そのものを味わい読むことへと進みたい。というのも、この物語を語り継いできた人々の思いは、「物語の中」 にこそ息づいているはずだからである。トビト記のあらすじは、ナフタリ族アシエルの家系に属するトビトという人物がアッシリアの支配の下で捕囚となり同族の人々に慈善の業を続ける中で失明する死を願って祈られたトビトの祈りによって神から天使ラファエルが遣わされラファエルに導かれてトビトの息子トビアは旅をし旅において同族のサラとの結婚が成立するそして旅から帰還したトビアによってトビトの視力も回復される物語であるトビアは死の前にニネベの滅亡を知らされ神を賛美しながら物語は終わる


    『トビアとサラの結婚初夜』 ピーテル・ラストマン
    『トビアとサラの結婚初夜』 ピーテル・ラストマン

    神の力の介入と 「外に出る」 こと

     [ ( 5:4 ) そこでトビアは外に出た。メディアへ彼と一緒に行ってくれる、道をよく知る人を探しに。外に出ると、天使ラファエルが彼の目の前に立っていた。彼はそれが神の天使であると知らなかった。]

     トビアは天使ラファエルに 「外に出た」 ところで出会う ( 5:10 )。そしてラファエルは、「道をよく知る者」 としてトビアに伴い、二人は旅へと 「出て行」 く。絶望の中でうめきながら神に向かって祈った 「祈り」 は、トビトの 「内」 を 「外」 に、「外」 を 「内」 にするものであったのだろうか。祈りを境に物語の世界はトビトの視点から、第三者の視点 (212) へと変わり、第三者の視点の開始と同時に神の計画が開始する。
     この物語は 「出て行く」 ことを奨励している。一見むやみに今あるものをも危険に晒すことに思えるような 「旅 (道へと出て行くこと (213) ) 」 を通して、神の計画の中へと導き入れられることを物語は描き出す。この旅を通して、トビトとガバエルの間で 「二つに分け」 られた証文 ( 5:3 ) が一つにされトビアとサラの結婚によって二つの 「家」 が一つとなる。トビアとサラの結婚は、散らされ分けられた者たちが、自分の欲望によってではなく神の真実 ( 3:2 ) によって 「一つとされる」 姿 (214) として描かれている。ここには、離散・捕囚を経験した民 ( 3:4 ) が、人間の欲望によ ってではなく、神の真実によって一つとされることの希望 が描き出されているのではないだろうか。


    (212) 祈りを境として、物語の記述はトビトの一人称の世界から三人称の世界に変 わる。

    (213) トビト記において 「旅」 と訳される単語は 「道」 ( όδός )である ( 5:17、5: 22、10: 14、11:15 など)。

    (214) トビアはサラとの結婚を 「情欲によって取るのではなく、真実によってこのわたしの姉妹をめとります」 と言っている ( 8:6 - 7 )。このことはまさに 「サラをめとる (受ける・引き継ぐ) 資格は、彼女を (欲望によって) 取ろうとしたどの男たちにもなく、トビアにこそあった」 と 3:16 で既に述べられていたよう に、トビアとサラの結婚が成立する重要なポイントであることが窺える 。』


    ということで、本日はここまでとさせて頂きます。











    続きは次回に♥




    ランキング参加中で~す^^ ポチっとお願いします♥
    ↓↓↓↓↓↓↓

    にほんブログ村 本ブログへ
    にほんブログ村


    人気ブログランキング



    PVアクセスランキング にほんブログ村

    関連記事

    コメント






    管理者にだけ表示を許可する