2021-09-19 (Sun)
本日のキーワード : 近代の価値、イスラム教の価値、宗教、戦争
ヴェストファーレン条約(ヴェストファーレンじょうやく、羅: Pax Westphalica、独: Westfälischer Friede、英: Peace of Westphalia)は、1648年に締結された三十年戦争の講和条約で、ミュンスター講和条約とオスナブリュック講和条約の総称である。ラテン読みでウェストファリア条約とも呼ばれる。近代における国際法発展の端緒となり、近代国際法の元祖ともいうべき条約である。
この条約によって、ヨーロッパにおいて30年間続いたカトリックとプロテスタントによる宗教戦争は終止符が打たれ、条約締結国は相互の領土を尊重し内政への干渉を控えることを約し、新たなヨーロッパの秩序が形成されるに至った。この秩序を「ヴェストファーレン体制」ともいう。
本日の書物 : 『イスラム 2.0 : SNSが変えた 1400 年の宗教観』 飯山 陽 河出書房新社
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 【啓示】に立ち返れば、イスラム教をめぐる問題の根幹にあるのは、【 「イスラム教の価値」 】と私たちが普遍的だと信じている【 「近代の価値」 】の【差異】であることは明らかです。
【イスラム教徒】は【イスラム法によって統治】される秩序の確立を目指し、彼らが正義だと信じる【ジハード (イスラム教による支配を拡大させるための戦い) を実行】しますが、同じ価値を共有しない私たちにとっては、【それはテロ以外の何物でもありません】。イスラム教を 「気持ち」 だけでとらえ、イスラム教徒も私たちと同じ価値を共有しているはずだと思い込むから、【テロをするのは 「本当のイスラム教徒ではない」、といったおかしな言説】が生み出されるのです。
【彼らの正義の基準は神であり、神の下した啓示】です。【私たちとは違う】のです。イスラム教の論理では、【その正義に服従するのが 「正しいイスラム教徒」 だと規定】されています。【私たちと同じ価値に服し、テロをしないのが 「正しいイスラム教徒」 だというのは、あくまでも私たちの都合に合わせた解釈にすぎません】。私たちは、自分たちの信じている価値の普遍性を疑いたくないという一心で、【イスラム教という 「もつひとつの普遍」 の存在を必死に否定しているだけ】なのです。
世界には途方もなく多くの問題があります。それらの多くは価値観や世界観、信条、意見や立場の違いから生じています。自分の価値観や信条に固執し、それに反する他者を罵倒したり攻撃したり排斥したりする人の声が、このところメディアでもSNSでも目立つように見受けられます。しかし、自分の価値観や信条とは全く異なる価値観や信条を持つ他者に対しては、敵愾心を煽る以外にも別の向き合い方があるはずです。その人たちは何を正義と信じ、どんなことを思い、何を目指して生きているのだろうかと考え、自分がその立場だったらどうするだろうかと想像してみる、という方法もあります。【必要なのは 「シンパシー (同情) 」 ではなく、「エンパシー (異なる価値観を持つ他者の感情に対する理解) 」 です】。』
日系人強制収容に対するリベラル・ユダヤ人の反応
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、つい最近のアフガニスタンにおける “イスラム原理主義者” タリバンによる首都占拠のニュースでも見られたように、イスラム教が、あたかも “平和的な宗教” であるかのような言説を振りまき、“イスラム原理主義者” は本来あるべきイスラム教徒ではない、本当のイスラム教徒はもっと穏健である、などといった、「単なる思い込み」・「そう願う気持ちの表明」 でイスラム教やイスラム教徒を語るメディアや似非学者・似非専門家らの “通説 (痛説ともw)” に惑わされることがないよう、正しい知識をインストールするための良書になります。本書を御覧になれば、“イスラム原理主義者” こそが正統で篤い信仰心をもった 「イスラム教徒」 であることが正確に理解できるようになります。そして、そのことが理解できれば、本書に掲載されている 「イスラム教徒と共生するために」 必要なことを実践し、イスラム教徒に殺されたりすることがないよう、御自身の生命の危険性を回避することができるようになりますので、そういった意味でも、お薦めの書物になります。
それでは本日も、いつものように、直近の「致死率」を確認しておきましょう。
(死亡症例数)÷(感染症例数)=(致死率)
※( )内は前回の数値
☆Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE
アメリカ : 644,468(642,879)÷39,640,020(39,480,609)=0.0162・・・(0.0162) 「1.62%(1.62%)」
イタリア : 129,410(129,352)÷4,559,970(4,553,241)=0.0283・・・(0.0284) 「2.83%(2.84%)」
日本 : 16,279(16,216)÷1,546,464(1,529,714)=0.0105・・・(0.0106) 「1.05%(1.06%)」
☆【日本語訳】 U.S. DEPARTMENT of STATE / Fact Sheet : Activity at the Wuhan Institute of Virology (米国務省 / ファクトシート : 武漢ウイルス研究所での活動)
さて、これまで、ドイツで生まれた「キリスト教神智学(Christian theosophy)」・「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」を出発点として、その後、人為的に造り出された “幻想” であるところのマルクス主義・共産主義・社会主義という類の妄想を経て、ソ連崩壊とともに死滅したかに思われたものの、現在に至るまで一貫して受け継がれていく “信仰” が存在していて、その根底にある、ユダヤ・キリスト教的な 「贖罪(しょくざい)」 の意識により、さまざまな “アイデンティティ” を次から次へと粗製濫造することによって、「贖罪」の対象物として “罪” を創り出し、自らの罪に対する償(つぐな)い・贖(あがな)いを果たそうと躍起になっている、そんな 「極左おパヨク」 に繋がる一連の系譜について確認して参りました。
ここで御理解頂きたいのは、そんなおバカな 「極左おパヨク」 は、飽くまでも、ある連中が果たそうとしている、ある目的の達成のための道具でしかないということです。
その目的とは、さまざまな “アイデンティティ” を意図的に粗製濫造することで、社会分断を行い、到底達成不可能な目標である “平等 (equality)” を強要(←全人類の均一化・同質化などは不可能であることは自明です!)し、多くの人々に対して自己抑圧的な態度の徹底を促し(←これが、ポリコレw)、人々の “自由” を奪う極めて権威主義的な統制社会の再構築を目指す、というものです。
では、なぜ、それを目指そうとするのでしょうか?
それは、「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」のもとで、ある連中にとって非常にコントロールしやすい社会が構築できるからです。
その「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」については、これまたドイツ出身の社会学者・歴史学者であり、マルクス主義者で、エリート理論の信奉者で、ファシズム(全体主義者)でもあったロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)が提唱した仮説である 『寡頭制の鉄則』 (iron law of oligarchy)について確認をしてきましたが、そこにもやはり「キリスト教神智学(Christian theosophy)」・「ベーメ神智学(Boehmian theosophy)」の影響を見ることができました。
ロベルト・ミヒェルス(ロベルト・ミヘルス)
また「寡頭制 (oligarchy/オリガルキー)」と同根の言葉である「オリガルヒ(oligarch)」につきましても、ロシアやウクライナの事例を参照して、それがいまから数十年前に、マルクス主義が生み出した “社会主義・共産主義の幻想” が瓦解・崩壊する過程で作り出されたものでることを確認し、そこには少なからぬ 「ユダヤ人 (=ユダヤ教徒)」 が存在していることも判明いたしました。さらには、ウクライナとユダヤ人 (=ユダヤ教徒) と特異な関係を、ウマン (ウーマニ) 巡礼の形成の歴史を通じて確認することができました。
そこで、現在、そのユダヤ人 (=ユダヤ教徒) なるものに焦点をあてているところになります。参考にさせて頂いているのは次の論文になります。
☆『アメリカにおける日系人差別とユダヤ人 -1906年から1988年を中心に-』駒込 希
それでは早速、続きを見て参りましょう。
『 序章 はじめに
第 1 節 先行研究と研究目的
・・・このようにアメリカのユダヤ人ならびに日系人に関しては、アメリカ内外において膨大な量の研究が蓄積されている。次に、本研究の対象であるアメリカのユダヤ人とほかのエスニック集団の関係史についての先行研究にふれる。
これまでアメリカのユダヤ人とほかのエスニック集団との関係史については、アフリカ系アメリカ人との関係、その中でもとりわけ、公民権運動とのかかわりからアメリカ東部や南部を中心に語られてきた。アメリカのユダヤ人は、マイノリティの公民権獲得や差別撤廃のために積極的な活動を行っており、そのリベラルな志向はさまざまな集団の中でも群を抜いている。特に、ユダヤ人のアフリカ系アメリカ人問題に対する取り組みは顕著な例といえ、膨大な数の研究が蓄積されている。たとえば、グリーンバーグ (Cheryl Greenberg) は、1940 年代から公民権運動期にかけてのユダヤ人とアフリカ系アメリカ人の差別との闘いを描きながら、両集団の関係の変化を考察している (Greenberg 2010)。また、キング牧師とユダヤ人の関係や公民権運動と南部のユダヤ人に着目した研究も多く、シュナイアー (Rabbi Marc Schneier) やウェッブ (Clive Webb) の研究は代表的なものといえる (Schneier 1999; Webb 2001)。このユダヤ人とアフリカ系アメリカ人の関係については、アメリカにおけるエスニック・マイノリティ集団間の中でも特殊な関係として研究分野が確立されており、北は、「この二つのグループは、ともに合衆国におけるマイノリティとして差別された経験をもつことから、連帯感と親近感を抱きつつ、逆に強く反発しあう微妙な関係を培ってきたといわれており、評論などの分野で両者の関係は以前から語られてきた」 と指摘している (北 2009, 23)。
また、近年では、アメリカ西部におけるユダヤ人とメキシコ系アメリカ人とのエスニック集団を越えた活動に焦点をあてた研究が見受けられる。アメリカ西部におけるユダヤ人とほかのエスニック・マイノリティとの活動は、1930 年代にはじまった。バーンスタイン (Shana Bernstein) は、ロサンゼルスのユダヤ系団体とメキシコ系団体との集団を越えた公民権闘争を考察し、白人対黒人という関係でとらえられがちな公民権闘争に関する議論の限界を主張している (Bernstein 2009)。また、カルピオ (Genevieve Carpio) は、南カリフォルニアにおいて、メキシコ系団体に所属しメキシコ系移民の訴訟などを担当していたユダヤ人弁護士デーヴィッド・C・マルカス (David C. Marcus) に着目し、ユダヤ系とメキシコ系の連携を考察した (Carpio 2012)。さらに、フェルカー = カンター (Max Felker-Kantor) は、近年のユダヤ人とアフリカ系アメリカ人との公民権闘争に関する研究が、両集団による全面的な協力という仮説を基盤とした理想主義的な議論から、「相互の自己利益」 もしくは 「部分的一 致 」 という事実上の折り合いととらえる傾向にあることを指摘している (Felker-Kantor 2012)。その上で、公民権運動家であり、多くのユダヤ系団体で活躍したユダヤ人であるマックス・モント (Max Mont) がロサンゼルスのメキシコ系、アフリカ系、日系団体とマイノリティの公民権のために活動していた様子を描き、第二次世界大戦後、リベラルな団体によりつくられた人種を越えた組織化や連携の限界、そして、潜在性を主張する。
一方、アメリカのユダヤ人と日系人との関係を考察した研究は限られている。第二次世界大戦中の日系人への強制収容に対するユダヤ人の反応を分析したグリーンバーグは、全米規模で活動していたユダヤ系ならびにアフリカ系の公民権問題に取り組む団体、そして、西部の反ユダヤ主義と闘う団体の議事録や集会での発言を分析し、議事録などに強制収容にかかわる問題の討議記録がない点を指摘している。その上で、グリーンバーグは、全米規模の団体が強制退去、強制収容に対し反応を示さなかった理由を 「人種差別と気がついていなかった」 とし、強制収容を人種差別と認識していたにもかかわらず反応を示さなかった団体については、「戦争努力を支持することによる自分たちの忠誠心の証明」、「ユダヤ系はヒトラーの反ユダヤ主義に対して闘うという大義」、「一部の人間による軽率な人種差別」、「政府による 『強制収容は軍事的に必要なこと』 とするレトリック」 を理由としてあげている (Greenberg 1995)。
また、ドリンジャー (Marc Dollinger) も、第二次世界大戦中の日系人への強制収容に対するユダヤ人の反応を考察している。ドリンジャーは、ユダヤ系の新聞や団体の議事録に強制収容にかかわる記録や記事がないことを指摘した上で、その反応を当時のユダヤ人指導者たちによくみられた反応であったと指摘している (Dollinger 2000, 86-91)。
同じく第二次世界大戦中の日系人への強制退去、強制収容に対するユダヤ人の反応を分析したアイゼンバーグ (Ellen Eisenberg) は、西部のユダヤ系新聞や公民権問題などと闘っていたユダヤ系ならびにアフリカ系団体の記録をもとに、ユダヤ系新聞や団体が表立って強制収容への賛否を示さず、日系人に関する話題を避けていた点を指摘している。その上で、アイゼンバーグはその理由として、排日感情が高まる西部で日系人を擁護することの危険性やアメリカ東部のユダヤ人と日系人との接触の希薄さを強調する (Eisenberg 2008)。
このようにアメリカのユダヤ人と日系人の関係についての先行研究は、アメリカの日系人の強制収容に対するユダヤ人の反応に焦点をあて、かれらの 「沈黙」 (Silence) に着目する傾向にある。これらの研究は、マイノリティの問題や差別撤廃のために積極的な活動を行うリベラル志向の強いユダヤ人の新たな側面を描き出したという点で評価することができよう。また、これまで注目されることのなかったアメリカのユダヤ人と日系人という関係に着目し、両集団の関係史を構築していく糸口をもたらしたという点で、アメリカのユダヤ人研究への貢献も望める。
本研究では、以上の先行研究を踏まえ、先行研究で欠如している点を補足するというよりは、むしろ、先行研究を糸口として、アメリカの日系人に対する差別へアメリカのユダヤ人がどのような反応を示したのかという観点から両集団の関係史の構築を試みる。アメリカのユダヤ人と日系人の関係史の構築を試みるということは、両集団の関係史をアメリカのエスニック関係史に位置づけるということである。よって、本研究はアメリカのエスニック関係史への貢献を期待することができる。また、それと同時に、本調査を通じて、アメリカのユダヤ人と日系人の新たな側面を垣間みることが期待でき、本研究はアメリカのユダヤ人研究にくわえて、日系人研究への寄与の可能性も見込まれる。 』
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
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