2019-09-21 (Sat)
本日のキーワード : マイナス金利、虚数金利
マイナス金利政策(マイナスきんりせいさく、英: Negative interest rate policy)とは、中央銀行(もしくは民間銀行)が名目金利をゼロ以下に設定する政策であり、経済を刺激するために行われる非伝統的金融政策である。似たような低金利政策にゼロ金利政策があるが、政策金利をゼロ近くに下げるゼロ金利政策に対して、マイナス金利政策は日本銀行の当座預金の超過準備の名目金利をゼロ未満にするという点で異なっている。
☆デンマーク2位の銀行、預金のマイナス金利深堀り 対象も拡大:朝日新聞デジタル
☆マイナス金利拡大なら「口座維持手数料」を検討 三井住友信託銀社長
本日の書物 : 『虚数はなぜ人を惑わせるのか?』 竹内薫 朝日新聞出版
戦後の日本人は、正しい歴史を学校で教わって来ませんでした。
そして、現代のメディアもまた、嘘の情報を流し続けています。
私たち日本人は、親日的な立場に立ち、正しく認識し直し、
客観的に情勢を判断する必要があります。
それでは、この書物を見ていきましょう!
『 いよいよ禁断の領域に入るときがやってきました。なぜ禁断の領域に入るのかといえば、もちろん、虚数の話題でもっとも美しいと言っても過言ではない【「オイラーの等式」を理解するため】です。そこんとこヨロシク。
さて、この x は、これまで暗黙の了解として、実数だと思って計算してきました。なぜなら、お金につく利子なので、実ではなかく虚だと困ってしまうから。読者のみなさんは、虚数の金利なんて欲しいですか? うーむ。
しかし、第4次産業革命で世界は変わりました(以下、フィクション仕立てです)。考えてみれば、中央銀行が発行権を持たず、採掘(マイニング)のみによって発行される「仮想通貨」が世界を席巻しつつある今、どこかの銀行が生き残りを賭けて「虚数金利」を導入しても不思議ではありません。
そこで、思い切って、そんなSFチックな世界がやってきたとして、【x=i×π】という金利になったとしましょう。その値を n を徐々に大きくしながら計算してみましょう。
(1+iπ/n)n → nが無限の極限 → -1・0
あ、数字がたくさん並んでいますが、一つずつじっくり見てみてください。実数部分と虚数部分に分けて観察してみてくださいね。
この虚数金利の世界では、どれくらい頻繁に利子がつくかによって、もらえるお金の実数部分と虚数部分が変動していき、最終的に、【無限小の時間で金利計算】がなされるようになると、なんと、【虚数部分は消滅】して、【実数部分が「-1」になる】のです。よろしいですか?
虚数部分は消えて、実数部分がマイナス1になってしまうのです!
これをネイピアの数を用いて書いてみると、
右辺を左辺に移項すると、
となって、われわれの出発点である【オイラーの等式】に戻ってきたわけなのです!』
最も大切なのは、“今後もそうであるだろうという期待”です
いかがでしょうか?
今回ご紹介させていただく書物は、『2乗するとマイナスになる不思議な数』である「虚数」が、現代社会を生きている私たちの生活に、如何に深くかかわっていて欠かせないものであるのか、また、多くの方々がそういった事実を知らないままに過ごしている、ということを理解させて下さる良書で、そんな「虚数」の存在を認めることで、自分の“目”で見えていることが、あたかもすべてであるかのような「錯覚」を起こしがちな私たち人間の生まれもった“弱点”を克服できる、つまり、それまでとは格段に視野がグググーッと拡がる書物になります。
さて、「オイラーの等式」や「ネイピアの数」が何となく不思議な存在に感じられませんでしょうか?
さて、ここからは一昨日の続きになります。
現在の安倍政権の経済政策は、なんと安倍総理ご自身も認めている、あの「悪夢の民主党政権」と瓜二つであるのですが、
☆安倍首相、「消費増税は国の信頼守るため」必要性を強調:朝日新聞デジタル
そのことを理解するためにも、ポール・クルーグマンが20年以上も前に、我が国の惨状を見て、提唱した理論を知っておく必要があります。
ポール・クルーグマン
詳しくはこちらをご参照💗
↓
☆20年以上前の失敗から何一つ学べない財務省・日銀 ~ 「緊縮財政」と「消費税増税」
☆「It's Baaack:Japan's Slump and the Return of the Liquidity Trap」By Paul R.KRUGMAN
そこで、ポール・クルーグマンが、何をせよとアドバイスしているのかを、山形浩生氏の訳による「復活だぁっ! 日本の不況と流動性トラップの逆襲」から確認しているところなのですが、
☆「復活だぁっ! 日本の不況と流動性トラップの逆襲」山形浩生訳
前回のところ(→消費増税すれば、どうなる? 数学の論理を駆使する要(かなめ) ~ 「必要条件」と「十分条件」)でご紹介させて頂いたのが、次の部分になります。
『 じゃあどうして流動性トラップなんか可能なんだろうか。
その答えは、通常のマネーの中立性議論にくっついている、あまり気がつかれない逃げの一句にある。』
ここで、ポール・クルーグマンが指摘しているのは、「流動性の罠」とは、名目金利がゼロまたはゼロ近くになったために、伝統的な金融政策が不能(インポ)になった状態のことで、つまり、
(A) 「マネーの供給量」が増加
しても
(B) 「名目価格」が上昇
しない
という命題のことになるけれども、これは、“長期的”には「貨幣の中立性」が成立する(金融政策は実体経済に影響を与えず、ただ名目変数を動かすだけであるという点)という、経済学において概(おおむ)ね一致する考え方、つまり
(A) 「マネーの供給量」が増加
すれば
(B) 「名目価格」が上昇
する
と明らかに「矛盾」しているではないか、と言っていて、それでは、どうして、そんなことが可能だと言えるのだろうか?と疑問を呈しているわけです。
そして、こう続きます。
『 現在およびその後将来すべてにわたりマネーサプライが増大すれば、価格は同じ割合で上昇する。これに対応して、将来的に維持されると期待されていないマネーサプライの上昇は物価を同じ割合で上げる――それどころか多少なりとも上げる――というような議論は一切ない。』
ここで言っていることは、
(A) (今後も続くと“期待される”)「マネーの供給量」が増加
すれば
(B) 「名目価格」が上昇
する
と、多くの経済学者では一致している考えではあるけれども、
(A) (今後も続くとは“期待されない”)「マネーの供給量」が増加
すれば
(B) 「名目価格」が上昇
する
というような議論は一切なされていない、ということです。
『 一言で、この問題にこういう高い抽象度の議論からアプローチすることですでに、流動性トラップにはなにやら信用の問題がからんでくる。
市場が、今後も維持されると期待する(つまり将来のすべての時点で同じ割合で拡大される)金融拡大は、経済がどんな構造問題に直面していようとお構いなしに必ず機能する。
もし金融拡大が機能しなくて、そこに流動性トラップが働いているなら、それは国民が、その金融拡大が維持されると思っていないからだ。
☆ドル・円が108円割れ、日銀追加緩和見送りで円買い強まる
この洞察をがっちりかためるには、もちろんきちんとしたモデルが必要になる。』
そして、このあと、その“モデル”というものが登場するのですが。。。
『 マネー、金利、価格:最小限のモデル
ふつう、流動性トラップの考え方は ISL-M モデルと切っても切れない関係にあるけれど、ここではIS-LM モデルから始めないほうがいい大きな理由がいくつかある。まず、多くのマクロ経済学者は、IS-LM があまりにとってつけたようで、まともに考えるに値しないと思っている。そういう見方をしない学者もいるし、そういう人はヒックスの構築物をとても便利な発見的装置として捕らえている。それでも、流動性トラップの可能性は IS-LM モデルの「とってつけ」性に依存したものじゃないということを強調しておくのは大事だ。これはちゃんとミクロ経済的な i をプロットし、期間をまたがる t を横切るモデルでも起きるんだ。また流動性トラップは、すでに見たように、根本的に期待と信用がからんでくる。問題が期間をまたがるものだということを明示的に認識したモデルを使うことで、この点をはっきりさせる役にたつ。
というわけで早速、産出、マネー、価格と金利の関係を確立するような、明示的に期間をまたがるモデルに進むとしよう。そうすればこのモデルを使って、一連の思考実験や各種の拡張ができる。財が一つで、representative agent 経済(ただし、エージェントはそれぞれ自分の消費分は他人から買わなきゃいけない)を考える。はじめは、財が非弾性的に供給されるものとしよう。つまりそれぞれのエージェントが一定のほどこし yt を毎期ごとにもらえるものとしよう。具体性をつけるため、効用関数は以下のような形を取るものとする。
』
さて、一体何を言わんとしているのでしょうか?
ということで、本日はここまでとさせて頂きます。
続きは次回に♥
ランキング参加中で~す^^ ポチっとお願いします♥
↓↓↓↓↓↓↓
にほんブログ村
人気ブログランキング
- 関連記事
-
- 1から順に無限まで足していったら・・・いくつになるの? (2019/10/05)
- 宇宙の数学的な整合性 ~ 「超ひも理論」 (2019/10/04)
- 安倍政権の「社会主義政策」 ~ 操られる「パヨク」&踊らされる「ネトウヨ」、という「お馬鹿」の極みwww (2019/10/03)
- 円周率の「π(パイ)」と素数に関する函数(関数)の「π(パイ)」 (2019/10/02)
- 函数(関数)の眺め方 (2019/10/01)
- 「分数にできる数」と「分数にできない数」は、どっちが多いの? (2019/09/30)
- 「函数(関数)」と「方程式」と「恒等式」の違いって何? (2019/09/29)
- 「ゼロ金利」と「マイナス金利」と「虚数金利」 (2019/09/21)
- 「作ったモノが必ず売れる」という世界 ~ 古典派経済学の必要十分条件 (2019/09/19)
- 財務省と日銀とマルクス経済学 (2019/09/18)
- 消費増税すれば、どうなる? 数学の論理を駆使する要(かなめ) ~ 「必要条件」と「十分条件」 (2019/09/17)
- 「目で見えるものだけが全てではない」ということが理解できない「お馬鹿」 (2019/09/12)
- 実は、コッソリとやっている、「アベノミクス」から「アベ・デフレノミクス」への政策変更 (2019/09/11)
- 今は200年に一度しかおこらない太陽のめずらしい姿を見ることができる貴重な時期なんです (2019/08/18)
- 太陽の明るさ ~ 太陽が元気なときも、そうでないときも、ほとんど変わらない (2019/08/17)