MiuraJyuko_1  恐ろしすぎる時代
 三浦綾子の「銃口」(角川文庫)を読み終えた。

 この小説の主人公も教師である。
 三浦綾子自身が教師だったため、三浦作品には教師を職業とする人物がよく登場する。

 そしてまた、主人公である竜太もまた、これでもかというくらいつらい目に合うが、それは戦争によるものだ。
 そもそものきっかけは今日のタイトルの行為のためだ。

 戦争がからむという点では、かつて浅田次郎の「マンチュリアン・リポート」や半藤一利の「昭和史」を読んだことが、物語の背景をうかがい知るのに役立った。

 それにしても、最後はめでたく結婚に至るが、竜太の純愛度はもしかすると気持ち悪いくらいかもしれない(それは女性の方の側にも言える)。

 すぐに女性と寝ちゃう村上春樹作品の主人公とは180度違う。

  でも、こちらも戦争がらみだったりする
 なんとなく「銃口」のあと、その反動で“誰とでも寝る女の子”が登場する「羊をめぐる冒険」(講談社文庫)を読んでいる。
 これを読むのは何回目になるだろう?

 このころの村上作品は、何度も読み返したくなる不思議な魅力がある(なお「羊をめぐる冒険」に出てくる『先生』は戦後の闇社会で私腹を肥やした人間である)。

BrittenWarRequiem ブリテン(Benjamin Britten 1913-76 イギリス)の戦争レクイエム(War requiem)Op.66(1960-61)。

 レクイエムの典礼文とW.オーエンの反戦詩を用いた作品。

 作曲者自身の指揮、ロンドン交響楽団、同合唱団他の演奏を。

 1963年録音。デッカ。
 この曲の名盤中の名盤と言われている演奏である。

 にしても、いまの日本もどこかきな臭い雰囲気が漂っている。
 再びあんな時代にならないよう、国民は政治家たちをしっかり監視しなければならない。
 天皇陛下も、あれだけ《平和》を強調しているのだ。こんなに強調することはじつに意味深い。