酸化マグネシウム服用中にPPIやH2ブロッカー追加で効果が減弱する?

68歳女性、消化器科。

Rp1 酸化マグネシウム(330) 6T
    1日3回毎食後     28日分
    自己調節可

Rp2 ツムラ大建中湯      15g
    1日3回毎食前     28日分

Rp3 ネキシウム(20)     1C
    1日1回夕食後     28日分


「ネキシウムで便秘ひどくなる?」

ー患者さんの状態ー
数年前に腸閉塞があってそれから酸化マグネシウムと大建中湯を服用している患者さん。
最近、胸焼けやゲップなど症状があり、前回胃カメラしたところ逆流性食道炎の診断でネキシウム開始
その後、1週間ほどで胸焼けやゲップは治まったが便秘がひどくなったとのこと。
先生にもお話ししており、とりあえず逆流性食道炎の症状が治まってるならネキシウムはそのまま下剤増量で様子見となった。
酸化マグネシウム(330)が4錠分2から6錠分3に増量。

まぁ、ネキシウムの副作用って便秘よりも下痢の方が多いイメージですけど、便秘の副作用もなくはない。
なので、今回も可能性としてはネキシウムのせいで便秘もあると思うな。
この時は、

続きを読む...

リンゼスはなぜ食前?食後や寝る前では?効果発現までの時間、カマとの併用は?

2017年3月22日に便秘型IBSの治療薬、

グアニル酸シクラーゼC受容体アゴニスト

リンゼス錠0.25mg

(一般名:リナクロチド)

薬価:92.40円(H27.7/23現在)

が新発売され、今さらながら商品説明を聞いてきましたので、それまで引っかかってた疑問を解決していきましょう!!

リンゼス錠は平たく言うと、まぁ便秘のお薬なんですけど、便秘型のIBS(過敏性腸症候群)しか適応がなくて、要は慢性便秘症で原因がはっきりしておらず、腹痛や腹部不快感などを有する場合にのみと、ちょっと使える範囲が狭め。
ただ、実際に薬局で便秘型IBSの病名がカルテに記載されてるかどうかは不明なわけで、自分としてはここが疑義照会の対象になり得るとは思いません。
しかも、適応拡大の噂もあります。

さてさて、それでは私が引っかかってた疑問に参りましょう。

続きを読む...

パルモディア錠って新しい高脂血症治療剤。他のフィブラート系との違いは?

「今度こんな薬が出るみたいですよ。」

とMRさんではなくて卸のMSさんから、製造販売承認取得のご案内の紙をいただきました。

どれどれ。

パルモディア製造販売承認取得

パルモディア錠0.1mg

(ペラフィブラート)


ん??

フィブラート系の高脂血症治療剤!?

今さら・・感が強いw
しかし、1錠0.1mgと他のフィブラート系の薬剤と比べて圧倒的少なさ!!

ちなみに2017年8月に発売予定。

さてさて、発売前に他のフィブラート系との違いなんかを確認しておきましょう。

続きを読む...

リンデロンVやリドメックスなどステロイドローション(外用液)の適量は?

1歳3ヶ月女の子、小児科。

Rp1 リンデロンVローション 10mL
    1日2回朝、入浴後
    頭

Rp2 ロコイドクリーム    10g
    1日2回朝、入浴後
    顔

Rp3 ヒルドイドソフト軟膏  75g
    1日数回


「ローションの塗る量ってどれぐらいですか?」

ー患者さんの状態ー
ここ最近、全身の肌の乾燥がひどく、頭と首の境目辺りをかゆがっており赤みもある。
口の周りやほっぺに湿疹も出ているとのこと。
子供に市販のクリームなど塗っていいのかわからずスキンケアは全くしていなかった様。
体重10kg弱で併用薬はない。

ほうほう・・。
ステロイドの軟膏やクリームだとFTUで説明すればいいけど、そのローション(外用剤)バージョンね。
はいはい。
FTUについては、↓の記事も参考にしてください。
全身に塗るステロイド軟膏の量が50FTUって多すぎない?

こりゃ、困った・・。
ローションの場合どうやって適量を説明したらいいんだろ??
目安になる量ってあるのかな??
この時は、

続きを読む...

ハーボニー配合錠のPTPシートが処方になったよ。大きいけど粉砕可能?

86歳女性、消化器科。

Rp1 ハーボニー配合錠   1錠
    1日1回朝食後   14日分

 
「大きいけど割っても大丈夫?

ー患者さんの状態ー
C型肝炎と以前からわかっていたようだが、年齢的にもインターフェロンでの治療は行えていなかった様。
本人はとても元気で腎機能も悪くないが、大きい錠剤は苦手とのこと。
家族の方受け取り。
併用薬はウルソとミカルディス。

ハーボニー安くなったとはいえ、薬価は、
1錠:54796.90円
とまだまだ高い。
12週で約460万円・・。
86歳の方への処方は一般的なんでしょうかね??
インタビューフォームでは海外の第3相試験が18~80歳、国内の第3相試験では28~80歳までの範囲になってます。
まぁ明確に何歳までOKで何歳はダメってのはないんでしょうけど・・、たぶんこの方はギリギリですよね・・。
元気と言うのもポイントなのかもしれません。
ちなみに、添付文書の高齢者への投与には、一般に高齢者では生理機能が低下しており、既往歴や合併症を伴っていることが多いので、患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
となってます。

さて、錠剤は割ってもいいのかな??
考えてもわからん・・。
この時は、

続きを読む...

興味があれば ブログ一覧 もご覧ください。