名曲百選第五章(58)肌をさす風の中 私は渡っていく凍った河を・・・ | 日々の生活(くらし)に音楽を♪

日々の生活(くらし)に音楽を♪

俺の初恋はRock'n' Roll 俺の傍らには何時も音楽があった。

寒い日が続いていますが、皆さん お元気で お過ごしでしょうか。

私は相変わらず晴れるとカメラを持って散歩に出かけてます。

 

残り柿と雪景色。

 

 

水面に描かれたアート。

 

 

公園の池の北側は すっかり凍っています。

 

 

表面は凍っていても、その下の水は流れていますし、水の中の生き物も寒さを堪えながら生きています。 

    

この景色を見ていたら10代の頃に読んだ五木寛之さんの小説 『凍河』 を 思い出しました。

精神を病んだ若い女性と若い精神科医との恋を描いた物語です。

 

 

この小説は映画化やNHKでドラマ化もされました。

映画の方の音楽を担当したのは 荒井由実さんで、主題歌をハイ・ファイ・セットが歌いました。

 

朝陽の中で微笑んで/ハイ・ファイ・セット

 

そして、作詞作曲したご本家、荒井由実さんのバージョン。

 

朝陽の中で微笑んで/荒井由実

 

この曲は、1976年にリリースされた名盤『14番目の月』に収録されていました。

このアルバムは 荒井由実名義の最後のアルバムで、

最後を飾るのに相応しい傑作だったと思います。

 

この澄んだ透明感と儚さ、そして そこはかとなく感じる寂しさと切なさ・・・

荒井由実さんの時代の曲に共通するイメージですね。

 

私は 荒井由実さん時代の曲を聴くとよく思うのですが、裕福な家庭に生まれ育ち何不自由なく育ってきた娘さんが作る歌が どうしてこんなに寂しく切ないのか・・・

心と言うのは分からないものですね。

 

カード一枚ひくように
決まるさだめが とてもこわい
宇宙の片隅で つぶやき合う永遠は
幻だと知っていても
朝陽の中で 微笑んで
形のない愛を つなぎとめて
つなぎとめて つなぎとめて

 

思い通りにはいかない気まぐれな運命・・・

愛は消えやすく儚いものと知りつつも

この愛を繋ぎとめて欲しいという切ない想いが

心に響きます。

 

 

朝陽の中で微笑んで

朝陽の中で微笑んで
金のヴェールのむこうから
夜明けの霧が溶けはじめ
ざわめく街が 夢をさます
朝陽の中で ふりむいて
どうぞ その手をさしのべて
薔薇の色さえ うつろわす
時の流れが とてもこわい
宇宙の片隅で めぐり逢えた喜びは
うたかたでも 身をやつすの
朝陽の中で 抱きしめて
形のない愛を包み込んで


カード一枚ひくように
決まるさだめが とてもこわい
宇宙の片隅で つぶやき合う永遠は
幻だと知っていても
朝陽の中で 微笑んで
形のない愛を つなぎとめて
つなぎとめて つなぎとめて

 

 

今回は、ハイ・ファイ・セットと荒井由実さんで、

『朝陽の中で微笑んで』 を お届けいたしました。

 

風の中を渡ってゆく どこまでも続く凍った河

水の流れは見えないけれど たしかに氷の下には

河が流れている

いつか春は来るのだろうか 肌をさす風の中

わたしは渡っていく 凍った河を

 

小説 『凍河』 より

 

どんなに厳しい冬でも どんなに厳しい出来事があったとしても、必ず春はやって来ます。

みんなで凍った河を渡ってゆきましょう。

 

 

にほんブログ村 音楽ブログ 好きな曲・好きなアルバムへ