髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「怒II ~DOGOSOKEN~」 レビュー (ファミコン)

2019-08-16 21:00:57 | ファミコンレビュー
「怒」シリーズ
同名アーケード版の移植作品

開発はマイクロニクス
発売はケイアミューズメントリース
1988年4月16日発売


あらすじ

 前作の事で勝利を収めた『ラルフ』と『クラーク』
 それにより将軍から特別機が用意され本国に戻る際に
 時空の歪みに取り込まれ
 何の前触れもなく現れた変なオッサンがこういう。

「ワシは ズーダ。
 選ばれし 戦士よ。
 我が島 ラックルピケルが
 魔王 ザンゲルドの
 軍勢に 征服された。
 どうか 助けてほしいのだ」


『ラルフ』と『クラーク』は異界で大暴れする。



特徴

 残機制ではなく体力制
 残機がないので体力が尽きると即ゲームオーバーである。

 スタートボタンでメニューを出して
 武器選択やアイテムを使用する事が出来る。
 最初はBボタンは銃だけだが、他にも追加され最大4つになる。
 各武器にはレベルがあり、同種の武器を取るとレベルが上がる(最大4段階)


 敵を倒すとてんとう虫のような赤と黒のまだら模様の奇妙な物体が
 心臓をバクバクとしているのだがそれは『ハート』というもので

 このゲームでは『お金』と思って良い。
 『BAR』で『ハート』を使う事でアイテムを購入する事が出来る。

 『BAR』では入店するのにハートを数個必要とする。
 入店後は『見る』を選ぶとアイテムを購入できる。
 『バトル』というのがある。

 『バトル』はそこにいる客と何故か敵と闘い勝利する事で
 少しの『ハート』を得る事ができる。


 それと本作ではところどころで合成音声が出る。


操作方法

 十字キー:移動
 Bボタン:Bボタン用の武器使用
 Aボタン:Aボタン用の武器使用

 スタートボタン:ポーズ
 セレクトボタン:メニュー画面を開く。


 AorBボタンの押しっぱなしで武器を使用し続ける。
 押しっぱなしにすると向きが固定になる。
  つまり、上向きにBボタンを押しっぱなしにしながら下キーを押した時
  上向いたまま攻撃をして、下に移動する。



武器紹介

Bボタン用武器

 『銃』:小さい弾を発射する。
 『バズーカ』:爆風のようなものを発射する。
 『ブーメラン』:ブーメランを投げる。戻って来るものにも当たり判定あり
 『剣』:剣を360度ぐるぐる回す。
  敵弾に触れると爆発して消滅する。
  但しその爆風に触れると通常ダメージは1だったのに、爆風は2

Aボタン用武器
 『手榴弾』:手榴弾を投擲する。
  投げた手榴弾本体にも当たり判定はあるが爆風の方が威力がある。
 『地雷』:地雷を仕掛ける。一定時間後爆発


アイテム:1回だけ使用できるものである。全7種。
 ・稲妻:フラッシュ、全画面攻撃
 ・稲妻2:フラッシュ、画面の敵を一定時間止める
 ・ワシのマーク:一定時間飛行可能。移動速度は若干早いが、上向き固定になる。
 ・盾みたいなマーク:一定時間鎧を着用する。
 ・矢みたいなマーク:1発だけの矢を放つ。
   攻撃力は高く、ボスですら1発即死
 ・時計:ステージを若干戻る。(ステージを跨いで戻る事もあるので注意)
 ・インクみたいの:体力回復



得点は5点

良い点
特になし


悪い点
・動きが悪い
・メニュー開くときの遅延
・メニューを開くとアイテムが消える。
・コンテニューコマンド


悪い点の解説

・動きが悪い

 まずキャラの大きさの割に動きが遅い。
 序盤はまだ敵の弾は遅めだが
 ステージを重ねるにつれて弾速が上がる。
 飛んできているのを見て回避が追いつかないのは非常にイラつく。
 スピードアップ系のアイテムは…
 あるものの制約がありその上、時間制


・メニュー開く時など遅延

 画面の切り替わりに2~3秒かかる。
 特にメニューを開くのは結構あるのにそのたびに2~3秒。
 だりぃ…


・メニューを開くとアイテムが消える。

 このゲーム、メニューを開いて閉じると
 何故か破壊可能な壁や柱や特殊ステージへの入り口、アイテムが消失する。

 武器ではない出現したアイテムは触れた時に
 一度リストにストックされ
 メニューを開いて使用する事で効果を発する。

 それでアイテムは複数持てるが1種につき1個のみ持てる。
 その為、こんな現象が起きる。

 髭人「お!体力回復アイテム出た。
    今、俺、体力が減っているな…
    アイテムは1種につき1個だから今使って補充しよう」 

 って、メニューを開いて体力回復を使うと…

 髭人「アイテム消えてる―――!?」

 なんて現象が起きる。
 (でも、敵はメニュー開いて閉じても消えない。)


・コンテニュー

 コンテニューコマンドはあるんだけど…
 キャラが倒れて「GAME OVER」と表示される前に

 「ABBAAAAAAB」

 と打ち込むのだ。
 前作でのコンテニューは「ABBA」打ち込みやすかった。
 (死ぬほど打ち込む事になったがな…)

 だけど、今作は何やねん。
 最後のBは!!
 Aを押した回数数えるのだるいんだよッ!

 ゲームオーバー表示時間までの時間は短く
 1度ミスると2度目はまず間に合わない。

 そしてそんな苦労してコンテニューをしたってのに
 コンテニュー復帰位置は固定であり、敵などの立ち位置に考慮されない。
 その上、復帰直後に無敵時間がない。
 だからボスがコンテニュー後の復帰位置に立っていると即死する。
 残機がない本作だから

 ゲームオーバー後にコンテニューしたら即ゲームオーバー

 なんて怪現象が起きる。
 
 一応、2人プレイであれば
 相方が生きていさえいればいつでもコンテニューコマンドが使用可能。
 同時に死ぬような事があれば何とかなるのではないだろうか?

 尚、コンテニュー後は
 武器や所持ハートは初期化される。
 (『マシンガン』『手榴弾』『地雷』武器レベルは全て1
  ハート数は0)



 

それにしても
タイトルである「DOGOSOKEN」って何なの?
元々アーケード版は「怒号層圏」何だけどさ…
この4字の言葉に意味はないだろうに態々ローマ字にする意味が分からん。
アーケード版との区別ってぐらいの意味合いなんだろうか?
別に一緒でもええやん。
その時点で実に不可解なゲームである。

さて…
タイトル画面を放っておくと
デモ画面が始まるがモールス信号のような音が出て文字表示がクッソ遅い!
普通のゲームのデモ画面の台詞なんて読み取れればいいものだが
このゲームでは書きとる事も可能だろう。
遅いにもほどがある!
プレイ前のOPの時点で「このゲーム、アカン」と気付ける。

肝心のゲームの話となると…
文字の遅い。移動も相当遅い。更にメニューを開くのが遅い。
遅い3連発で快適にプレイするのは不可能。
ダメージを受けると体は点滅するが無敵という訳ではないので無駄な点滅である。
当たり判定はあり、連続攻撃を受けてアッという間に死亡なんて事もありうる。

合成音声も頑張って入れたんだろうけど
そんなもんに容量割くぐらいならもっと出来る事あるだろ。
出来る事…というかまず取りかからなければならないことがあるだろう。
それ放置して優先していれるもんじゃねーだろ。
その上、その何故か頑張って入れたであろう声の出来は酷い。

 左がアーケード版、右が本作の合成音声を髭人が聞き取れたもの

 「よし。行くぞ」→「フレッシュ!一番」
 「手ごわいぞ!」→「スプライト!」

そんなん聞こえるわけねーだろと思えるかもしれないが
聞き取れかねないレベルの活舌の悪さである。
是非とも、あなたオリジナルの聞き取った言葉を教えてくださいという所だ。

合成音声が酷いゲームと言えば他に
ゴーストバスターズ」といい勝負である。
「タモ○倶楽部」の1コーナー「空耳ア○ー」に出してもいいんじゃないかな。
日本語で何で空耳やねんと言えるが(笑)

ただ、やられた時の

 「ぐわー!」

は良く聞きとれる。
製作者の死亡に対する力の入れようが伺える。


後、ゲーム的には別に問題ないんだけど表現の問題ね。
『ブーメラン』と『剣』は装備時に手に持っている表現をするのだが

持っているのに攻撃するのだ。

え?
何を言っているのか分からんって?
だから、そういう「何やねんそれ!」って現象が起こってんだよッ!

もう少しかみ砕いてわかりやすく説明すると
手に持っている『ブーメラン』or『剣』

普通なら『ブーメラン』を投げたら
戻ってくるまでその『ブーメラン』は手から離れてなくなっているはずだ。

なのにぃぃ!

このゲームでは『ブーメラン』を投げたのに『ブーメラン』を持ち続けているのだ!
『剣』も同様である。
『剣』を振るっている時に微動だにしない『剣』を手に持ち続けているのである。
勿論、こんなゲームだから腕を動かすモーションなどはない。
両手に『ブーメラン』や『剣』を持っていて反対の手のみで投擲したり振るっていると思いたい…
(無理矢理なフォロー)

それと『剣』が振るわれるモーションはかなり遅く『剣』の軌道が残る。
もはや、時代劇にある円月殺法の演出を見ているかのようである。

このゲームは2人同時プレイが出来るけど楽しむ事なんてまず出来ないだろう。
メニューの遅延が酷すぎて
数回もメニューを開けばお互いに困惑の顔を見合わせるぐらいの間はある。

ゲームのプレイする方針を説明しておくと…
コンテニューは無限にできるけど武器の強さが初期化する仕様。
それに強化する武器アイテムも出現数が固定なので
コンテニューを駆使するたびに先に進めるのがしんどくなる。
(ただでさえプレイ自体がしんどいのに)
出来る限り死なないようにするプレイが望まれる…
何度もプレイして敵の出現位置などを覚えるのだ…
そんな繰り返しプレイをする苦労に見合う価値があるゲームなのかと言えば『ない』と断言できるがね。


さて…
悪い点にも書いたけど
コンテニューコマンドの酷さで色々察するわ。

「ABBAAAAAAAB」

普通に「ABBA」でええやん。
「ABBA」の後はA続けて最後だけBにするなんて
訳わからん一ひねりを入れんねん!

例えば有名コマンド技がある「コナ○」が

「上上下下左右左右BAAAAAAB」

とやったら…

「狂ったか『○ナミ』!!」

と言われることだろう。
そんな風なやっちゃいけないひと手間をかけてしまうようなゲームだからな。
態とやってはいけないことをやっているのかね?『マイクロニクス』は
だからというのか…こんな出来になっても何ら不思議ではない(悲)





 
ここからがネタバレ






















『バー』が行く先々にあって店に来ている奴を戦う事が出来て
そいつに勝つと『ハート』をもらえるが
敵を倒す手間や時間の割にもらえる『ハート』の数は5とか10とかゴミ過ぎる…
何も考えないで設定しているだろう。コレ

ラストステージは雑魚敵の弾速がこちらの足の遅さと比較にならないほど速すぎて
見てからの回避は困難。
もはや、行く先に『ブーメラン』をばら撒いて弾幕を張り
そこにスクロールして敵に『ブーメラン』を当てていくなんて手法を取るしかない。


ラスト

最初に出てきた『ズーダ(であろう怪物)』が話しかけて来る。
(オープニングは1枚絵に対し、この場面ではデカいオッサン)
折角なので平仮名部分を漢字変換して抜き出そう。

「これで 何もかも 上手くいったよ。
 じつわじゃ この ザンゲルドは
 わしの 兄なのじゃ

 この ラックルピケルの塔の 王の 座を
 継ぐ予定じゃった。
 じゃが 兄は 死に ワシが この島を
 継ぐことになるじゃろう。
 後は お前達の 口をふさげば
 完全なのじゃ。

 悪あがきは 無駄じゃぞ。
 武器は 剣を残して 全部 取り上げておる。

 この剣は 最後の ワシからの
 チャンスじゃよ。
 さあ ここで倒れて 伝説の戦士と
 なるじゃっ。」


と言って襲ってくる。
色々ツッコミ所が多くてね。
日本語大丈夫かと…
(ちなみに『じつわじゃ』は誤字ではない。ゲーム内そのまま
 「実話じゃ」って事なのか?)


・「このザンゲルドはワシの兄」ってどういうこと?

 『この』って言ったけど…

 どの?

 それにどこに『ザンゲルド』さんいたの?
 さっきの中ボス?台詞もなにもなかったぜ?
 その『ザンゲルド』さんはどういう経緯で『ラルフ』と『クラーク』と戦う事になったの?


・「武器を全部、取り上げた」

 って剣は残すという情けなのか何なのか…


・「伝説の戦士になれ」って

 死ぬことで伝説の戦士になるの?


勝手に『ズーダ』だけがゲーム内の話だけ進んで
それでプレイヤーが全くついて来れず置き去りな中
この『ズーダ』と戦うことになる。

現実にも自分だけ理解しているからって相手も分かっている前提で
話しかけてくるダメな奴っているよね…
そんな認識をしてしまうわ…

話を戻すが
『剣』以外の武器は取り上げたとかほざくけど
敵などに自機が触れられるような演出は全くないのに
勝手に取り上げられているんだよね。
でも、Aボタンの武器。『手榴弾』や『地雷』は使えるんだよね。
何それ?
『手榴弾』や『地雷』は武器の内に入らんのか?

しかし、ラスボス、アホみたいな手榴弾の弾幕で何度やっても死ぬ。
髭人は倒せなかった。
諦めたよ…

一応、髭人はさ…
どうにか自力クリアを目指したんだけど正攻法はダメ。
だから1人で2人用という反則プレイしたんだけどさ。
死んだらコンテニューして常時2人状態を続けるという手法である。
だけど、上記悪い点の通り
復帰した直後、ボスの位置により即死。
それでコンテニューコマンドを何度も繰り返すのだが…
コンテニューコマンドが『A』の数え間違いでミス。
しかも、コンテニューコマンド猶予時間が非常に短い。
2回押す時間はない。
結果、コンテニューミスでゲームオーバーでタイトル画面という運びになった。

1人でせわしくなくコントローラを持ち替えて
コンテニューコマンドはしんど過ぎるわ。
誰かプレイヤーがいればなぁ…(2人でクリアするようなゲームではないが)

んで自力クリアは諦めて動画でクリアを確認した。
するといきなりスタッフロールに移行。


5人の製作スタッフの愛称と
こちら向きに行進をする『ラルフ』と『クラーク』
そして

「PRESENTED BY SNK AND KAC」

の文字で終了。
『ズーダ』を倒した後でどうしたんだろ?
元の世界の戻り方なんて一切喋っちゃいなかったぞ。

その後、2人がどうやって元の世界に戻ったなんて明らかにならない。
(アーケード版からしてそこの話は省略されているようだが…)


まぁ…
これで髭人はファミコン版の「怒」シリーズをプレイ制覇したことになるが…
どいつもこいつも…
人を怒らせるどころか「呆」れさせられただけだったわ。
1、2作品目の開発、「マイクロニクス」…
なんてものを送り込んで来やがる…
というか「SNK」と「KAC」という名前だけ出して
自分達は所属や本名を明かさず隠れている。

便所の落書きみたいに

「うんこ大好き○○」

と、『○○』の所に嫌いな奴の本名を書くぐらいの酷さを感じる。
こんな事ならエンディング皆無のループにした方が
「SNK」「KAC」の圧倒的ネガキャンも避けられただろう…
もはや『ズーダ』以上の卑劣さだわ。



次回作の「怒III」に関してはSNKスタッフが関わっているから
遊べはするけど銃撃は殆どやめて格闘戦メインになっちゃっているからなぁ…
何でグレードダウンすんねん。

この3作品で遊ぶぐらいなら
皆さんややお高めの「ゲバラ」1本で十分おつりが来ます。


こんなゲームを続けていると

「うわ―――!」

というやられ合成音声しか出なくなるので早めにやめましょう。




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