日韓XIAペンの楽曲に対する「好み」に関する一考察

―「2019 XIA REQUEST HOUR」国別最終結果に着目してー

 

 

1.はじめに

 

2019年5月12日、インターネットを通して日韓XIAペンによって投票された「 XIA REQUEST HOUR」の結果が発表された。(資料1:動画)

 

 

上記資料に示された順位は、日韓合同のランキング結果である。

 

2019 XIA REQUEST HOUR」では、これとは別に、日韓それぞれの国ごとに集計した「国別最終結果」も公開されている。(注:1)

本稿は、この「国別最終結果」に着目し、日韓XIAペンにおける楽曲の「好み」について量的及び質的な視点から考察するものである。

 

尚、2019 XIA REQUEST HOUR」の結果は84位まで順位が示されているが、本稿では、XIAペンの強い「好み」が反映されていると考えられる上位20位の楽曲に絞って調査及び考察を行う。(注:2)

 

 

2、分析方法

 

以下に考察の対象とする(資料2)を示す。

左側の順位が韓国(한국) 、右側が日本(일본)の順位を表している。

 

                                       

上記資料をもとに、楽曲を以下に示すⅢ種類に類型化した。

類型化するにあたっての着眼点も併せて記す。

 

(類型Ⅰ)ダンスナンバー

着眼点:「Incredible」など、ダンスしながら歌うことを前提としている楽曲。

 

(類型Ⅱ)ミディアムナンバー

着眼点:「Thank U For」など、ダンスナンバーではないが、おおむねミディアムテンポであり、かつバラードとは言えない中間的な楽曲。

 

(類型Ⅲ)バラードナンバー

着眼点:「愛の息」など、しっとりと歌い上げるバラードの楽曲。

 

 

上記の方法で類型化した楽曲が、国別上位20曲のうち何曲あるか、また20曲中何%を占めているかについて、日韓それぞれの国別に集計した。

 

 

3、分析結果

                                               n=20

 

4、考察

 

4-1 日韓XIAペンにおける「好み」の比較

 

量的な視点(数値)での分析の結果、日本人XIAペンは特にダンスナンバーを好み、韓国人XIAペンはバラードナンバーを好むことが分かった。

ミディアムナンバーについては、大きな差はなかった。

以下からは、質的な視点での分析結果を述べる。

 

4-2 日本人シアペンの「好み」

 

日本人XIAペンが選択した楽曲の特徴として、これまでにXIA名義で発売されたフルアルバム全てのタイトル曲「Tarantallegra」「Incredible」「꽃(花)」「ROCK THE WORLD」が上位10曲に入っている点が挙げられる。

この上位10曲のうち、7曲がダンス曲である。

 

更に、ミニアルバムる「꼭 어제(必ず昨日)」、及びシングルリリースされた「Uncomitted」「Thank U For」「Intoxication」も、上位20曲に入っている。

 

これらのことから、日本人XIAペンが選んだ上位20曲は、XIAの代表的な楽曲を全て網羅した、非常に分かり易いランキングになっていると言えるだろう。

 

また、タイトル曲ではないものの、ライブで定番のダンス曲「OeO」や「F.L.P」、さらにはXIAが入隊する前に最後に行った日本公演で、日本人XIAペンがXIA(ジュンス)に贈った歌「Hello Hello」もランクインしている。

 

これらの点を踏まえて、日本人XIAペンは、XIAの定番曲をベースに、ライブで観客とステージが一体となって盛り上がれる楽曲が「好み」であると推察できる。

 

 

4-3 韓国人XIAペンの「好み」

 

韓国人XIAぺンが選択した楽曲の特徴は、上位20曲以内にフルアルバム・ミニアルバムのタイトル曲がすべて入っている点は日本人XIAペンと同じである。

しかし、その順位には両国間で大きな違いが見られる。

 

韓国人XIAペンが選択した上位10曲の中で、フルアルバムのタイトル曲は「「Incredible」と「ROCK THE WORLD」の2曲のみであった点がまず異なる。

 

そして筆者が最も特徴的だと感じたのは、順位と曲の組み合わせの意外性である。

 

1つ目は、第2位に、「 다른 누구도 대신 못할 너(他の誰にも代わりができない君)」がランクインしている点である。

この曲は、第4集フルアルバム「XIGNATURE」に収録されているバラードナンバーであるが、日本人XIAペンのランキングでは24位であり、上位20曲に入っていないため、分析対象から外れている。

 

そのような曲が、何故、数あるXIAのバラード曲の中でも韓国人XIAペンにここまで愛されているのか。

現在の筆者には推察も考察もすることができない。

この点については、今後の課題としたい。

 

2つ目は、第3位にXIAの最新曲「흩날린다(舞い散る)」がランクインしている点である。

この曲は、韓国ドラマ「緑豆の花」のOST(オリジナルサウンドトラック)として発表されたばかりの新曲である。

 

まだあまり耳なじみのない曲であり、日本人XIAペンのランキングでも42位である。

先に述べた「 다른 누구도 대신 못할 너(他の誰にも代わりができない君)」同様、分析対象外となっている。

 

韓国人には、「新しもの好き」という特性があるとよく言われる。(注3)

まず一点目として、この特性がXIAの最新曲を第3位まで持ち上げるという結果に結びついたのではないかと考えられる。

また二点目として、ドラマ「緑豆の花」は、韓国で現在放送中のドラマだということがあげられる。

おそらく毎週楽しみに聴いている1曲ということもあり、日本人XIAペンが感じている以上に韓国人XIAペンにとって「흩날린다(舞い散る)」が身近な曲になっていると推察できる。

 

加えて韓国人XIAペンが選んだ上位10曲のうち、ダンスナンバーは4曲のみであるが、その全てがアメリカの作曲家、Bruce Automatic氏の作品であることは興味深い。

 

さて、ここまで筆者が感じた順位と曲の組み合わせの意外性に焦点を当てて考察してきた。

ここで改めて全体的なランキングに戻って、韓国人XIAペンの「好み」について考察していく。

 

先に4-1で示した通り、韓国人XIAペンが選んだ上位20曲は、ダンスナンバーよりもバラードナンバーの方が多いという、日本とは逆の結果になっているという量的な分析結果も踏まえ、韓国人XIAペンは、ライブで盛り上がる、定番曲、メジャー曲というよりも、歌詞をじっくりと聴き、XIAの歌声に浸れるバラード曲を「好む」と推察される。

 

 

4-4 日韓XIAペン選択曲の差

 

4-1、4-2において、日韓XIAペンの楽曲の「好み」について考察してきた。

その結果、日韓でその「好み」には違いががあることが分かった。

 

一般的に、日本人ペンはバラード曲を好むと言われているが、本稿で取り上げた分析結果ではそれとは逆の結果となった。

 

このような結果となった理由としては、言語の問題が大きく関係していると考えられる。

 

言うまでもなく、XIA(キムジュンス)は韓国人のアーティストである。

そのため、「XIA」名義で日本語のソロアルバムを出したことはなく、これまで発表してきたシングルもアルバムも、すべて韓国語で歌われている。

 

韓国人XIAペンにとって、XIAの歌は母国語であるが、日本人XIAペンにとっては外国語である。

日本人XIAペンの中には、韓国語を完璧に理解できる者もいる。

しかし、実際には日本人XIAペンのほとんどが「少し理解できる」または「全く理解できない」のどちらかであろう。

 

元来、音楽に言葉は関係なく、歌詞の内容を理解できなくても、歌で感動を得ることができる。

しかしそれが実際に可能かどうかは、歌手それぞれの力量にかかっている。

XIAは、それを可能にすることができる数少ないアーディストの一人である。

だからこそ、今、こんなにも数多くの日本人XIAペンが存在していると言えるだろう。

 

しかしバラード曲は、ダンス曲と比べて、歌詞がより重要になってくる。

歌手は、歌詞に描かれた世界観を、歌唱を通して表現しようとする。

聴き手は、それを心から感じることができた時、さらに深い感動を覚えることができる。

 

このような中、日本人XIAペンは、韓国語が理解できないため、バラード曲の歌詞を韓国人XIAペンと同じように聴くことができない、というマイナス面がある。

しかし、そのマイナス面を補うため、多くの日本人XIAペンは、XIAの曲の歌詞を翻訳を通して知り、内容を理解した上でXIAの歌を聴いている。

 

それでもやはり日本人XIAペンにとって韓国語は外国語である。

日本語の曲を聴いた時と同じように、ストレートに歌詞が心に入ってこないのは容易に想像できる。

故に、バラード曲を聴いた時の韓国人XIAペンと日本人XIAペンの感じ方に違いが表れるのは当然であると言えよう。

 

この点を、XIA自身はよく理解していると考えらえる。

だからこそ、XIAは日本のコンサートでは日本語曲のカバーを必ず数曲歌うのだろう。

 

以上の様な理由から、量的分析(数値による分析)の結果通り、日本人ペンは、歌詞がよく理解できなくてもXIAの美しく巧みなダンスを楽しみ、コンサートでの一体感を味わえるダンスナンバー曲を好むと推察する。

 

 

5、今後の課題

 

本稿では、日韓XIAペンの楽曲に対する「好み」を、「2019 XIA REQUEST HOUR」の結果をもとに分析し、考察してきた。

しかし、4-3で述べたように、XIAが韓国人の歌手である以上、言語の壁は厚く、そして大きい。

日韓国別の「好み」を的確に分析・考察できたとは言えないだろう。

 

また、本稿では2019 XIA REQUEST HOUR」の上位20曲のみを対象として分析した。

しかし僅か20曲では、量的に分析するにはデータとしてはあまりにも少ない。

30位まで、50位まで・・とデータ対象を増やしていけば、また違った結果が得られた可能性が高い。

「好み」を知るには、もっと質的(曲そのものについて)な分析が必要であると考える。

 

本稿では、分析方法として楽曲をⅢ種類に類型化したが、単純で分かり易い反面、深い分析と考察はできない。

今後、どのような分析方法が日韓XIAペンの「好み」を追求するのにふさわしいか検討していく必要があるだろう。

 

 

資料引用元>

注1)2019 XIA REQUEST HOUR」

https://xiarequesthour.tistory.com/101?category=787138

注2)国別順位が84位まであるため、集計作業が煩雑になる点も踏まえて上位20曲に絞って調査・考察することとした。←単純に集計が面倒くさかったw

注3)中央日報日本語版(2011)

https://japanese.joins.com/article/809/145809.html 

 

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1★この記事は、あくまで「「 XIA REQUEST HOUR」の結果を量的に(数値をもとに)分析し、その結果をもとに考察したものです。

そのため、筆者であるわたくしずんだ個人の日々考えていることと必ずしも一致しているわけではないことをご理解ください。

 

2★この記事は、あくまで論文「風」に書いたなんちゃって研究モドキなので、日々研究に精進なさっている研究者の皆様、どうか大真面目なツッコミはご容赦ください。

 

 

というわけで、今回はここで〆ます。

ライブレポは何処へ行った?!ww

次回こそ!ライブレポ、そしてジュンス登場!

・・・の予定なので(←)宜しくお願いします!!

 

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