自称、我儘な女!?

SAKIアーティスト写真
ポートレートの撮り方

(写真と内容は関係ありません。)

 3年来定期的に撮影を続けているにも関わらず、いつも撮影時に『我儘でごめんね。』というモデル(被写体)がいる。

撮影の途中で『〇〇が食べたい』とか、『疲れたから休憩』とか撮影に関係のない我儘であれば、断固拒否するのは疑いがないが、彼女の『我儘』は、彼女のイメージしている写真に近づけるための要求であるため、気にしたことがない。
その代り、表情やポージングを含めて、彼女が気に入るまで撮り直しをする(要求される)ので、通常の撮影より1時間ほど多めにスケジュールを組むことにしている。

それって、『モデルに撮らされているんじゃないの?』との声が聞こえてきそうだが、実際写真を撮る時、カメラマンが100%自分の好みやスタイルで撮ることはありえない。自分がお金を払って参加する撮影会や個人撮影でも100%思った通りにはいかないでしょ?
だからクライアントやデザイナーの要望を最優先して撮るのは商業カメラマンになる者なら誰でも理解していると思うし、その覚悟がないカメラマンはプロ(お金をもらって撮影するという意味での)にはなれないと思う。
この場合は、彼女が『クライアント』というだけの事だ(特に費用をもらってないけど)。

 

では、『一方的に撮影してあげるだけなのか?』というわけではなく、彼女がポーズを気にしている間に、自分の撮りたいイメージを織り込んで撮影をするので、お互いWin-Winな関係と言えなくもない。
コピーライトは入れてないけど、フライヤー等で使ってくれているしね。

彼女の場合は、写真を始めた頃に知り合った馴染みなので、商用でも特にうるさいことは言わない。
(念のためいうと、現在は商用希望の場合、コピーライトを入れてもらうか、撮影費を払っていただいている。)

 

よく言われるモデルの我儘とは?

では、実際に彼女が求めるのはどういうことか?
具体的に挙げてみると

『もう少し身体や脚を細く見せたい』
『もう少しクールに格好良く見せたい』
『もう少し脚を長く見せたい』
『もう少し明るく(ダークに)して欲しい』
『もう少しコントラストがあるように』
『このポーズのまま上(下)から写してほしい』

という感じで、撮った写真を見ながらイメージに近づけていく。
最近では彼女の撮りたい方向性を理解しているので、上記の件はあまり言われなくなった。
ほんのちょっとした角度とか、小物の見え方など。の修正が多いかな。
上記の要望をこなしていきながら、自分自身のこだわりや好みを織込む。

モデルの我儘をきくことで撮影テクニックを向上させる

 以前はモデルの希望を叶えることができずにギブアップしたこともあるし、カメラマンとしての知識や経験が不足して、言われている意味が理解できなかったこともある。
その都度、どうすれば希望にあった写真を撮ることが出来るのか調べたり、考えたり、実験を繰り返してきた。

モデルの我儘は、撮影課題を与えてくれる事に等しく、カメラマンとしてワンランクアップするいい機会だと自分は思うので、今でも新しい発見は続けていきたいし、美しく撮れるのであれば、無茶振りも歓迎だ。

むしろ『写真を撮ってくれればいいです。』というモデルの場合、既に自分が持っている撮り方で終わってしまうので進歩がないかもしれないし、相手が必要としている写真が撮れているか疑問に思う事もある。

最終的には、モデルからどのような我儘=要望を言われても全てこなせるだけのテクニック(知識)を持つことが当面の目標という事だろうか。

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