2019.07.17 Wednesday
愛着仕様の住まいのためにできること。2
近年の住宅業界は、エコ・省エネと高耐久を唄い、あたかも劇的に進化してきているようなイメージがあります。イメージと書いてしまいましたが、確かに確実に前進はしているようですが、ただ、そうでないもの、過去のちょっとしたアレンジや焼き直しのものも巷には少なくはありません。住まいがお客様とおつき合いする「時間」は、貨幣経済優先の劣化してゆがみを見せ始めている今の社会が扱う「時間」とは全くの別物です。また、高性能、高耐久になったら愛着仕様と言う訳でもありません。そう考えると、住まいづくりと言うものは実に奥が深く難しいものなのですが、私に言わせれば、エコ・省エネと高耐久は住まいの前提条件として一定レベル以上のものである必要があります。本来の住まい創りは、そこから先の事と言う事になります。エコ・省エネと高耐久を声高に唄いながら、それ留まりでは何ともお客様に申し訳ない気がしてならないのです。
例えば、文句なしの耐久性があったとしても、その住まいが住まい手にとって、愛着の持てないものだったらどうでしょうか。長持ちする事を望まないその時点で、その耐久性に意味がなくなります。また、文句なしの温熱性能があったとしても、居心地が悪く落ち着けない場所になってしまっていたらどうでしょうか。他の様々な要素も含めての、居心地のための高性能だと想ったりします。せっかく巨費を投じて、自然界から空間を切り分け、自分仕様に仕立てていく訳ですから、やはり心から憂いなく愛着仕様の住処にしていく方が幸福だと想うのです。
では、「愛着」は、どうしたら湧いてくるのでしょうか。少し考えてみたいと思います。(つづく)
JUGEMテーマ:建築
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