スワンSとアルテミスSに感じる、「大阪府立大学の獣医学科OBの勝負気配」 | 元JRA調教師・山田要一のブログ

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厩舎OBという立場から、パーフェクトホースマンズの一員としてファンの皆様と違う視点で競馬のことを掘り下げたいと思います。

こんにちは。

元JRA調教師で、今は、「パーフェクトホースマンズ」の「調教師情報部」に所属している山田要一です。

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8月23日(日)の札幌5Rに組まれていた芝2000mの新馬戦を勝ち上がった、鹿戸雄一厩舎のエフフォーリア(父エピファネイア)は、次走の予定が11月8日(日)の百日草特別(東京・芝2000m)です。

この馬は、1994年のエリザベス女王杯など重賞を9勝したヒシアマゾンや、2007年のジャパンCなど重賞を8勝したアドマイヤムーンが近親にいる血統なんですよ。

前にも何度かこのブログで紹介していますので、知っている方も多いと思いますけど、エフフォーリアを管理している鹿戸君は、天皇賞・秋などを勝ったニッポーテイオーでお馴染みの久保田金造厩舎から、1984年に乗り役としてデビューしていて、同期には、調教師になっている中舘英二君や、調教助手になっている木幡初広君と出津孝一君や、調教師を辞めて、今は競馬学校の教官をやっている坂本勝美君などがいます。

乗り役として、マイネルプラチナムに乗った1998年の札幌3歳S(現在の札幌2歳S)や、ビーマイナカヤマに乗った2000年と2001年のガーネットS(今のカペラS)など、重賞を4勝、全部で346勝を上げていた鹿戸君は、調教師の試験に受かった2007年の3月に乗り役を引退しました。

私は、鹿戸君を管理馬に何度も乗せたことがあって、その期待に応えて、彼はリアルオージャやスガリーダーなどを勝たせてくれたんですよ。

それから彼は、乗り役の頃から調教を手伝っていた藤沢和雄厩舎で技術調教師になって、馬のことはもちろん、厩舎の色々なことを教わった後、増沢末夫さんと矢野進さんの厩舎を引き継ぐ形で、2008年の3月に自分の厩舎を開業しています。

そして、幸先良く、開業1年目には、矢野進厩舎から引き継いだスクリーンヒーローでアルゼンチン共和国杯とジャパンCを勝つなど、全部で15勝を上げて、「6億8738万円」の賞金を稼いでいましたし、2016年には、ビッシュを使った紫苑Sを勝つなど、今までで一番多い33勝を上げて、「5億7348万円」の賞金を稼いでいました。

でも、去年までの3年間は、

2017年→3億8832万円
2018年→5億0124万円
2019年→4億6221万円

という数字でしたし、今年に入ってからは、先週までに稼いだ賞金が「4億1005万円」と、2016年の同じ時期(10月23日まで)の「4億7443万円」を下回っていますので、今の鹿戸君は「賞金の高いレースを勝ってペースを上げたい」と考えている筈です。

もちろん、新馬戦をキッチリ勝ち上がったエフフォーリアには、「これからガンガン稼いで欲しい」と期待しているのでしょうし、百日賞特別を勝てば本賞金を加算できて、その先の大きなレースに使えるようになりますから、まずは次走に向けてこの馬をどう仕上げてくるのか、注目したいところです。

そしてここからは、栗東の友道康夫厩舎が登録している、スワンSのアドマイヤマーズとアルテミスSのミルウについて、私の頼もしい仲間の一人、「元調教師のYさん」から届いた報告を紹介しておきますね。

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友道康夫君は、大阪府立大学の獣医学科を出とって、競馬学校の厩務員課程を出た1989年からは、浅見国一さんの厩舎で厩務員と調教助手を、1996年から調教師の試験に受かった2001年までは、松田国英君の厩舎で調教助手をやっとりましたな。

ちなみに、彼がこの世界に入ろうと決めたんは、大学で馬術部に入っとったように、元々、馬が好きやったし、学生の頃に、スペシャルウィーク(1998年のダービーなどGIを4勝)や、アグネスデジタル(2001年の天皇賞・秋などGIを6勝)とかを育てた白井寿昭さんが、1978年に調教師の試験に受かった時、スポーツ新聞の「競馬サークル出身者以外では、初めての大卒調教師」っちゅう記事を見て、「自分も調教師になりたい」と思ったことがきっかけなんですわ。

友道君が浅見さんの厩舎におった時には、重賞を3つ勝ったヤマニングローバルや、阪神3歳牝馬S(現在の阪神ジュベナイルF)を勝ったヤマニンパラダイスとかがおって、松田君の厩舎におった時には、ダートの重賞で活躍したゴールドティアラやブロードアピールとかがおったんやから、走る馬を間近で見るっちゅう、ホンマにエエ経験ができたんやろ。

2002年の11月に自分の厩舎を開業した友道君は、その年が3勝止まりやったけど、次の年は一気に19勝まで数字を伸ばしとりました。

しかも彼は、レースを多く勝つだけやなくて、ワンモアチャッターを使った2005年の朝日チャレンジCで初めて重賞を勝つと、アドマイヤジュピタを使った2008年の天皇賞・春で初めてGIを勝つなど、今までにJRAのGIを12回も勝っとるし、これを入れて重賞を45回も勝っとりますな。

2012年の友道君は、ヴィルシーナでクイーンCを勝つなど、「37勝・獲得賞金8億6631万円」っちゅう数字を残しとって、それから2015年までは2012年の成績を超えられなかったんやけど、去年までの4年間は、

2016年→38勝・獲得賞金13億3415万円
2017年→43勝・獲得賞金13億7646万円
2018年→43勝・獲得賞金14億9300万円
2019年→36勝・獲得賞金14億6996万円

と書けば分かる通りで、4年続けて10億円以上の賞金を稼いどったし、今年は先週までに32勝を上げて、リーディング1位の矢作芳人厩舎と6勝差の2位に付けとるんや。

せやけど、賞金は「8億5391万円」と、先週までに「16億7108万円」を稼いで1位の矢作厩舎に「8億1717万円」の差を付けられとるんやから、ワシが友道君やったら、「賞金の高いレースを多く勝たなアカン」と考えますわ。

そんな中、今週は、1着賞金が5900万円のスワンSにアドマイヤマーズ、2900万円のアルテミスSにミルウを登録してきましたんで、どっちも「勝負懸かり」とワシは見とります。

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友道康夫厩舎が登録している、スワンSのアドマイヤマーズとアルテミスSのミルウについて、「元調教師のYさん」から届いた報告は以上です。

さて、話は変わりますが、私が所属している「パーフェクトホースマンズ」では、ホームページや、いくつかのブログの中で、「馬券に欠かせない情報」を包み隠さずに公開していますので、「正確な情報を知って、馬券に活かしたい」と考えている方には、こまめに確認することをお勧めしておきますよ。

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今日は、ここまでにしておきます。

それではまた。