ローズSでは、「アイルランドの高校に留学していた調教師」の管理馬に注目です | 元JRA調教師・山田要一のブログ

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厩舎OBという立場から、パーフェクトホースマンズの一員としてファンの皆様と違う視点で競馬のことを掘り下げたいと思います。

こんにちは。

元JRA調教師で、今は、「パーフェクトホースマンズ」の「調教師情報部」に所属している山田要一です。

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去年、6月2日(日)の東京5Rに組まれていた芝1600mの新馬戦とサウジアラビアRCと朝日杯FSを3連勝していて、今年は、皐月賞とダービーで2着に入って、今までに「2億5011万円」の賞金を稼いでいる、堀宣行厩舎のサリオス(牡3歳・父ハーツクライ)は、次走の予定が10月11日(日)の毎日王冠に決まっています。

ちなみに、鞍上はクリストフ・ルメール君です。

前にも何度かこのブログで紹介していますので、知っている方も多いと思いますけど、千葉県市川市出身の堀君は、日本大学の商学部に通っている時に、実家から近かった中山競馬場で、誘導馬の世話をするアルバイトをしていました。

大学を出た後は、電気設備工事などをやっている「関電工」(東証1部)で、経理関係の仕事をしていたんですが、1991年に、「関電工」を辞めて競馬学校の厩務員課程に入ったように、中山競馬場でアルバイトをしていた頃から、「馬に関わる仕事をしたい」という気持ちがあったのでしょう。

競馬学校を出てからの堀君は、諏訪富三厩舎で厩務員をやって、二ノ宮敬宇(よしたか)厩舎で調教助手をやって、2003年に自分の厩舎を開業しました。

初めの年は、「6勝・獲得賞金1億2370万円」という成績でしたけど、次の年に、「16勝・獲得賞金2億2801万円」と大きく数字を伸ばすと、2005年からは、毎年欠かさず20勝以上していますし、ビーナスラインを使った2006年の函館スプリントSで初めての重賞勝ちを飾った堀君は、キンシャサノキセキを使った2010年の高松宮記念で初めてのGI勝ちを飾っていて、その後も、ドゥラメンテを使った2015年のダービーと皐月賞を勝つなど、今までに、「JRAの重賞を56勝」という実績を残しています。

それに、海外でも、モーリスやネオリアリズムなどでG1を6勝もしているのですから、本当に大したものです。

2015年は、ドゥラメンテやモーリスなどが活躍しましたから、JRAで「重賞8勝を含む54勝・獲得賞金15億2485万円」という成績を残して、初めて「調教師リーディング1位」になっていましたし、去年までの4年間も、

2016年→44勝・獲得賞金13億0934万円
2017年→48勝・獲得賞金11億3661万円
2018年→49勝・獲得賞金7億4753万円
2019年→54勝・獲得賞金9億7056万円

と、賞金こそ2015年を上回れていませんが、かなりいい成績を残していました。

そして今年は、先週までに稼いだ賞金が「8億7635万円」と、去年の同じ時期(9月8日【日】まで)の「6億3737万円」を大きく上回っていますので、きっと今の堀君は、「この勢いで、賞金の高いレースをもっと勝ちたい」と考えている筈です。

そこで、1着賞金が6700万円の毎日王冠に向けてサリオスをどう仕上げてくるのか、キッチリ確認して馬券に活かしたいと思っています。

ただその前に、堀君の厩舎は、今週のセントライト記念にフィリオアレグロを使う予定ですから、この馬にも注目したいところです。

そしてここからは、栗東の中内田充正厩舎がローズSに登録している、クラヴァシュドールとリアアメリアについて、私の頼もしい仲間の一人、「元調教師のYさん」から届いた報告を紹介しておきますね。

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栗東トレセンから車で50分くらいのところにある「信楽牧場」(滋賀県甲賀市)が、中内田充正君の実家ですな。

彼の親父さんは、牧場の代表をやっとる中内田克二さんで、「競走馬育成協会」の理事もやっとります。

「信楽牧場」は、関西で一番古い育成牧場で、その他に運営しとる「ヒルサイドステーブル」は、同じ施設を使えるよう、「ノーザンファームしがらき」の中に馬房を置いとりますな。

充正君は、高校生やった頃、アイルランドにホームステイして、そん時に、ヨーロッパの大学には競馬のことを教えてくれる学科があるっちゅうことを知って、向こうの高校に留学しとったんですわ。

それから、イギリスのウエストオックスフォード大学の馬学科に入って、生産や調教など馬のことを学んで、卒業してからは、ジャパンCを勝ったペイザバトラーでお馴染みやったアメリカのロバート・フランケル厩舎で働いとりました。

その頃のフランケル厩舎には、2003年のベルモントSを勝ったエンパイアメーカーとか、走る馬が何頭もおって、充正君はその調教に乗っとったそうや。

日本に戻ってからは、2007年に競馬学校の厩務員課程を出て、2012年に調教師の試験に受かるまで、ずっと橋田満厩舎で調教助手をやっとりました。

橋田厩舎は、1998年の宝塚記念を勝ったサイレンススズカや、1999年のダービーを勝ったアドマイヤベガや、2003年と2004年のエリザベス女王杯を勝ったアドマイヤグルーヴや、2005年の天皇賞・春を勝ったスズカマンボとかでお馴染みですな。

試験に受かった後、2014年に厩舎を開業するまで期間があったんで、充正君はその間に、技術調教師として、藤原英昭君や角居勝彦君に、馬のことはもちろん、厩舎をどうやって運営したらエエんかなども教わっとったんですわ。

そんで、初めの年は「7勝・獲得賞金1億7751万円」っちゅう成績やったけど、去年までの5年間は、

2015年→23勝・獲得賞金2億9682万円
2016年→31勝・獲得賞金5億0984万円
2017年→46勝・獲得賞金7億5893万円
2018年→45勝・獲得賞金8億8644万円
2019年→48勝・獲得賞金12億8505万円

と書けば分かる通りで、順調に勝ち星と賞金を積み重ねとって、中でも去年は、今までで一番の成績を残しとって、JRA賞の「最高勝率調教師」を受賞しとったんやから、ホンマに大したもんやで。

ただ、今年に入ってから先週までは「21勝・獲得賞金3億8603万円」っちゅう成績で、去年の同じ時期(9月8日まで)の「40勝・獲得賞金9億1255万円」を大きく下回っとるんやから、今の中内田君は、「早く巻き返さなアカン」と考えとる筈ですわ。

そんな中、今週は、1着賞金が5200万円のローズSにクラヴァシュドールとリアアメリアを登録してきましたんで、どの馬も「勝負懸かり」とワシは見とります。

それに、中内田君の厩舎は、去年、重賞を8勝もしとったんやけど、今年はまだ勝てとらんので、この2頭には、「何が何でも勝って欲しい」っちゅう思いも込められとるんやろ。

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中内田充正厩舎がローズSに登録している、クラヴァシュドールとリアアメリアについて、「元調教師のYさん」から届いた報告は以上です。

さて、話は変わりますが、私が所属している「パーフェクトホースマンズ」では、ホームページや、いくつかのブログの中で、「馬券に欠かせない情報」を包み隠さずに公開していますので、「正確な情報を知って、馬券に活かしたい」と考えている方には、こまめに確認することをお勧めしておきますよ。

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今日は、ここまでにしておきます。

それではまた。