1970年 大阪千里丘陵でアジア初の万国博覧会が開催されました。万博史上最多の6421万人を集め戦後日本における最大のイベントとなった日本万国博覧会(大阪万博)です。

万博を象徴するアイコンとして建設された太陽の塔は日本人誰もが知る存在となりました。
大阪万博のテーマ「人類の進歩と調和」を表現するパビリオンとして建てられた作品でした。
これを生み出したのが前衛芸術家「岡本太郎」。岡本太郎と言えば1970年代にバラエティ番組やCMで「芸術は爆発だ」「何だ、これは!」で人気を博し一般にも広く知られる存在となりました。

1975年 万博閉幕後、ほぼ全てのパビリオンが撤去されるなか、太陽の塔の永久保存が決まります。その後、内部は半世紀にわたり扉を閉ざしていましたが・・・

2018年 再生を果たし、常設の展示施設として生まれ変わりました。

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太陽の塔は映像や画像で長の間見てきました。近くには伊丹空港もあり着陸の際空からも見る事ができます。
しかし初めて間近で見て、スケール感を間違えていた事に驚きます。
とにかくデカい!
なんと高さ70m・基底部の直径20mと巨大彫刻の域を脱して各地にあるシンボルタワーに迫る勢いです。
岡本太郎はドキュメンタリー映画で「丹下健三が設計した大屋根を突き破ってやる」と語っています。万博当時は高さ30mの大屋根から上半身を空に突き出していた訳ですから、今以上に大きく見えていたのでしょう。
自身のスケール感では1/2から2/3と感じていましたので、まだ間近で見た事が無い方はそのスケール感を感じるだけでも行く価値があるかもしれません。
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外観の表現について作家本人が何も語っていない為何を表しているのか分かっていませんが、特徴的な3っの顏についてははっきりとしています。

頂部の黄金の顏は「未来」を表しています。
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腹部に付いている顏は「現在」を表しています。
ピカソのキュビズムの影響を受けているのが解ります。多角的な視点をレリーフに納め表現していますが、岡本太郎は現在の顏に多くの情報や表情を含ませている様に感じます。現在は直面する現実と隣り合わせてとなっている身近な未来や過去との不安や苦悩、そして期待をこの顏に表現していると想像します。
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背面の黒い太陽は「過去」を表しています。
顏の部分は黒色磁器(信楽焼)タイル貼付けとなっています。
顏の表情は目を細め少し怖い顔をしています。

岡本太郎は「人間の身体・精神のうちには、いつでも人類の過去、現在、未来が一体となって輪廻している」と考えていました。
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丹下健三がデザインした大屋根です。(ボールジョイントとトラス状に組まれらスペースフレーム)
建築 vs 芸術・丹下 vs 岡本とそれぞれの信念を通すために葛藤があったと伝えられていますが、反対にその様な時代も羨ましく感じます。
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大阪万博テーマ館 地下展示 過去:根源の世界
第4の顏と言われている「地底の太陽」~太古の太陽は万博閉幕後は行方不明になっていたそうです。現在の太陽は復元された物ですが、照明効果やマッピングなどの演出でテーマ館の世界観を伝えています。
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内部の縦空間には地下から上へ上へと伸びるオブジェがそびえています。
高さ41mの「生命の樹」で樹の幹や枝には生命の進化を辿った、大小さまざまな33種・292体の生物模型群が取り付けられいます。
地下部分にはアメーバーから始まり人間までの進化を見る事ができます。
*このエリアは地下からの撮影のみ可能となっています。
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開館時間 10:00~17:00(最終受付16:30)
休館日  万博記念公園に準ずる
料金   高校生以上ー720円
     小中学生 ー310円
     (入園料が別途必要)
     太陽の塔への入館は、前日までの事前予約制(先着順)です。
     こちらのサイトで予約をして下さい。



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太陽の塔 [万博記念公園]
住所: 〒565-8511 大阪府吹田市千里万博公園 1-1
電話: 0120-1970-89
電車: 大阪モノレール 「万博記念公園駅」「公園東口駅」下車徒歩15分
    バス 阪急茨木市駅・JR茨城駅から「日本庭園前」下車徒歩13分
URL: https://taiyounotou-expo70.jp/