まだある「#びっくり道路選手権」 | 次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<海軍航空機格納壕を貫く農道や町中の陥没>

先日の8月10日は「道の日」ということで、住宅地図のゼンリン社ではTwitterで「#びっくり道路選手権」として、各地の変わった道路の画像を募集したが、11日以降も盛り上がりを見せ、12日にはネットニュースになった。

 

四国の道路はやはり、ゼンリン公式Twitterが「地面に道路が突き刺さっている」でお馴染みの手結可動橋をアップしていたが、全国的には歩道の県道や国道、変わった道路標識、超急勾配に見える橋、途中で通行不能になる林道、素掘り隧道等の投稿が多かった。そこで当方も4ヶ所ほど取り上げたい。

 

 

 

 

 

(1)河口隧道群(愛媛県西条市)

石鎚登山ロープウェイ乗り場の数キロ手前、景勝地「三碧峡」のある三碧橋が架橋される以前の旧県道ルートに、未舗装の旧県道と雰囲気のある二基の素掘り隧道が残っている。

通行禁止バー等はなかったと思うが、三碧橋北袂の東に素掘りの河口三号隧道が開口している。軽四が通行できる幅員があったか否かは忘れたが、奥に転回場はないので進入しないように。

隧道は大正12年竣工で全長28メートル、幅3.5メートル、高さ4.2メートルだが、竣工時はまだこの旧県道は開通していない。

三号隧道の出口が近づくと前方にもう一つ隧道が見えてくる。大正13年竣工、全長46メートルの河口四号隧道である。しかし大正13年時点でもまだこの部分の県道は未開通。

河口四号隧道を出て、ほどなくすると右手に藪で歩行者すら通行できない河口橋が現れる。このアーチ型コンクリート橋が竣工したのは大正14年で、この竣工を以て初めてこの県道は開通した。

 

(2)前浜7号掩体貫通農道(高知県南国市)

自著でも説明したように、高知龍馬空港は高知海軍航空基地跡地に立地しており、空港の南西の田畑には、7基の航空機格納壕「掩体(えんたい)」が残っている。

その中で、大湊小学校北方にある7号掩体は農道が貫通しており、トンネル状になっているが、全国の掩体の中でも珍しい形での保存である。この掩体を始め、殆どの掩体が天辺に登ることができる。

前浜公民館の駐車場が見学者用駐車場に充てられており、説明板も建っている。

余談だが近年、松山市の松山海軍航空基地の掩体の一つが、前に建っていた民家が撤去され、案内板も建ち、外観が見学できるようになった。但し、内部の見学は許可を要す。

 

(3) 「天空の林道」林道上名野川線(高知県仁淀川町)

この林道の記事は以前も投稿したが、中津明神山(1540.6m)の8合目辺りから山頂にかけての地から北方の県境尾根を見渡すと、「天空の林道」たる「林道上名野川線」が尾根の天辺を走っているのが確認できる。

その光景を見ると誰もが「あの林道を走行してみたい」と思うことと思うが、最初は大きくジグザグを繰り返しながら下って行く。そのジグザグのカーブ部が車両退避所となる。

下り終えると尾根直下から尾根上を走るが、普通車で走行できるのはカラ池への縦走路登山口(標高1390m)付近までの2.2kmのみ。それ以降は路面が抉れている箇所がある。

 

(4)いきなり陥没・大月町道

西日本豪雨の影響は高知県大月町にもあり、至る所で土砂崩れや道路の陥没が起こったが、「宙に浮く漁船」でお馴染みの渡地区の漁港沿いの住宅密集地でも道路が陥没した。

因みにこの日、陥没箇所に到る前に、新柏島大橋東袂南方から登った所の祠に寄っていた。

それは海軍震洋基地防衛の機銃陣地跡を探す途次だったが、柏島の陣地跡も合わせて確認することはできなかった。

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