<花菖蒲とあじさいの寺でもある>
普通「千本鳥居」(「数が多い鳥居」という意)と言えば、朱色の鳥居群、稲荷神社を思い浮かべることと思うが、岡山県新見市の標高460mの高所、三尾崎山にある済渡寺には去年、白い木造の千本鳥居、白龍門が完成し、SNS名所となっている。
白龍門は平安時代、弘法大師に随行し、唐から「法曽焼」の礎となる陶器製造技術を齎した白龍を祭る白龍殿の全長90mの参道に78基建立されている。
また、白龍は桃の木も唐から持ち込んだため、鳥居の扁額には桃があしらわれている。
朱色の稲荷鳥居とは違い、白龍門はまだ建立後、1年しか経っていないこともあり、太陽の光を浴びると白く輝く。故に白龍門の中に入るとまるで光に包まれているかのような、インスタ映えする写真を撮ることができる。
また、境内には花菖蒲約5,000株、各種紫陽花約11,000株もあり、「花の寺」としても人気がある。ただ、今年は6月に日差しが強く、気温が高い日が続き、降雨も少なかったことから、例年に比べると紫陽花の色付きは今一つ。それでも高所ということもあり、吹く風は比較的涼しい。
寺は山の上にあり、急カーブ続きの幅員の狭い道路を上がっていくが、地域住民以外では、各分岐にもし道標がなければ、行き着くことはできない。尚、現在、途中の道で工事中につき、往路と復路では、ルートの異なる一方通行道があるので、特に帰路、注意されたい。
辺鄙な山の上にある寺ながらも、岡山県内の各種マスコミでは取り上げられていることから、駐車場は8割以上、埋まっていた。駐車料金や入山料は無料だが、各所に募金箱が設置されている。
駐車場から坂を下ると左手に、弁財天が池の中に鎮座する弁天池がある。睡蓮も浮かび、ここも写真映えしそうではあるが、夏場は日光がきついため、きれいな写真は撮り辛い。
畔には参拝客がつく梵鐘があるが、この鐘は明和4年(1767)に鋳造されたものの、太平洋戦争時、供出された。が、溶かされることはなく、戦後、広島市内の寺で使用されていたが、昭和57年、返還された。
白龍門へは山門を通らず、坂をそのまま下ればすぐだが、山門から参道を進み、本堂の手前からUターンしても1分位しか変わらない。その参道沿いには、弘法大師が地面に刺した杖が大木化したはくの木がある。
寺の南西斜面にもあじさいが咲き誇っており、514.4m三角点峰に登るコースもあるようだが、白龍門へ向かう。SNS等で人気が爆発したこともあり、ここで写真を撮る参拝客は多く、白龍殿に参るには順番待ちするほど。御守等の代金は賽銭箱に入れるようになっていたと思うが、都会ではあり得ない。
白龍殿からは別ルートの参道を上がって一周することができる。その参道沿いには白龍が持ち込んだ桃の木と同種か否かは不明だが、「夫婦桃」の木がある。一花に双生の実をつけることから、こう呼ばれている。→公式サイト
境内のあじさいや小径をくまなく巡りたかったが、この後、近隣の町の山にあるストーンサークルを探訪予定だったため、先を急いだ。その記事は今週、投稿したい。
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