四国・岡山・淡路の気軽な魅力的離島 | 次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<アート、近代化遺産、奇勝等>

四国とその周辺県には、定期船が運航されている、本土から比較的近距離にある魅力的な離島が少なくない。これらの気軽に行ける離島には、海食洞門やエンジェルロード、近代産業遺産、戦争遺跡、希少植物群、アート作品等があり、見所も多い。

 

(1)伊吹島(香川県観音寺市)

香川県は離島の宝庫だが、周囲6.2kmの伊吹島には以前紹介した「大きな椅子」以外にもインスタ映えする椅子や巨大アート作品、石門(干潮時のみ)等、見所が多い。

お勧めコースとしては、定期船乗り場から、北西から南西に上がる道路を進み、北向きに進路が変わると、T字路角に手作り道標を見て、「大きな椅子」を往復する。

 

T字路に戻るとその北の三差路を右折し、北東から南にUターンする。最初の十字路角の武将、合田氏の墓を確認後、東進して行き、伊吹分団消防屯所前三差路も東に折れ、伊吹島民俗資料館に寄る。

 

館前のY字路は北西に進み、天満宮前からは西から北へと進み、県道に出る。左ヘアピンカーブ先の階段を下りて行き、北浦港に出ると北西に進み、海食洞「合戸の穴」を見る。

階段を引き返し、市道から県道に出て、西方の「出部屋」跡の巨大なアート「伊吹の樹」を鑑賞。県道を上って行き、波切不動尊の道標が現れると、それに従って進み、岩屋の中の不動尊を拝んだ跡、参拝道の最低部まで引き返し、そこから廃道の踏み跡(地面は見えない)を辿り、浜に下りる。

磯を西に進んで行ったフトレ鼻の先に海食洞門である石門がある。県道に戻り、西進するとほどなく、二人掛けのハート型ベンチが現れる。景色を楽しむと、後は南へ定期船乗り場まで帰る。今回、時間的なことで最高峰へは登れなかった。

(2)伊島(徳島県阿南市)

四国本土最東端、蒲生田岬の沖合6kmにある、周囲9.5kmの四国最東端の島。ここには四国最東端の灯台、最東端の湿原、最東端の戦争遺跡がある。

戦争遺跡は海軍瀬戸崎防備衛所の機銃陣地や発電室、横穴壕等。伊島灯台は島の最高峰、のろし山にあるが、戦後、防備衛所の施設を破壊して建設された。

尾辺湿原は黒沢湿原のように昔は水田だった。島の周回歩道は湿原沿いを通っている。

島にはササユリの群生地があるが、そこには秋、ツリガネニンジンの群落が現れたように思う。もしかすると場所がずれていたかも知れない。→探訪コース

 

(3)八幡浜大島(愛媛県八幡浜市)

大島、三王島、地大島の三島を総称して通称「八幡浜大島」という。三島はそれぞれ橋で繋がっているが、満潮寄りの時間帯、その2本の橋が海に浮かんだように見えるため、近年はSNS映えスポットとして、この橋をレンタサイクルで渡ることが人気となっている。

旅館が一軒あるが、決してレジャーの島、という雰囲気ではなく、静かな島旅を満喫できる。

浜辺にはハマユウが咲き、「地震の化石」と言われるシュードタキライトも見られる。その周辺の海は驚くほど美しい。

最高峰は集落のある大島の三能山だが、島民に聞くと登山道はなくなっている旨、答える。しかし以前の記事で説明したように、登山道は明確に残っている。

地大島の東端沖の貝付小島には年中干潮寄りの時間帯、エンジェルロードが出現する。→詳細記事

 

(4)犬島(岡山市)

岡山市東区の本土のすぐ沖にある周囲3.6kmの離島。1909年から10年間だけ操業していた赤煉瓦造りの銅の犬島精錬所跡が異様な景観だが、施設の一部が「犬島精錬所美術館」になっている。

精錬所跡は全て美術館の所有地故、船着場先の施設でチケット(記憶では島内全てのアート施設の入館料金含む)を購入し、館で三島由紀夫の家の戸や窓が空中に浮かんでいるような展示等を鑑賞して、出口から精錬所跡探訪コースを進む。

 

実写版「鉄人28号」のロケ地になった赤煉瓦の各遺構や発電所跡を見学し、一旦浜辺に出ると、南の海岸沿いを西進。キャンプ場を過ぎると低い尾根を横断し、西側の浜に出て、南北に走る道路を北上。

以前紹介した何メートルもある犬の像を過ぎて更に北上し、東西の道に出ると東に折れる。診療所からは北に折れ、山際に防空壕が残るO邸とI邸のアート作品を見学・往復すると、東進を再開し、A邸、S邸のアートを見学、道標を見て、「石職人の家跡」、F邸まで下ってくると島を回遊したことになる。尚、一部を除き、アート作品は撮影禁止。

 

(5)成ヶ島(兵庫県洲本市)

淡路島本島から泳いで渡れる位の近距離にある南北3kmの無人島だが、渡船は’08年時、1時間に1本ほどあったと思う。

島の北に成山、南に高崎があり、その二ヶ所を繋ぐ箇所は遠目に見ると糸のように細長く、「淡路橋立」と呼ばれる。本家、天橋立よりはるかに景観は優れている。

成山には成山城跡と陸軍由良要塞成山砲台跡、橋立部には六本松台場跡、高崎には成山城の城壁を再利用した高崎台場跡と由良要塞の高崎砲台跡がある。

橋立部の北の付け根付近は季節によっては、お花畑的景観となる。ハマボウ群落を始め、ハママツナ、ハマナタマメ等、多種の海浜植物を観察できる。→探訪コース

 

是非、気軽に行ける自然豊かな離島で楽しいひとときを過ごして戴きたい。

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