四国四県と岡山県のマイナー海食洞門 | 次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<愛媛・徳島・岡山は当ブログ初公開>

これまで四国四県の様々な海食洞門を紹介してきたが、今回、愛媛県と徳島県、及び岡山県のものは当ブログ初公開。他の二県は、探訪し易い所のものを選んだ。尚、洞門名は皆、仮称。

 

(1)竜王碆洞門(愛媛県宇和島市)

宇和島市津島町の下松鼻から長い石積み防波堤で繋がった小島、竜王碆は、防波堤から傾斜のある金網橋が架けられ、島の上の竜王神社まで上がっているが、その金網橋の下には海食洞門が開いている。

規模は中規模で、干潮寄りの時間帯なら洞門の中に入ることができる。

防波堤への入り口は下松鼻のトンネルの西口。4~8月の潮位が低い干潮時なら、海岸沿いを防波堤まで歩いて行けると思うが、それ以外の期間と時間帯では、海崖に張られたロープを両手で掴みながら、横歩きで進まなければならない。

因みに宇和島百景の公式サイトに掲載されている二枚の写真は当方が提供したもの。

(2)大角鼻洞門(愛媛県今治市)

今治市本土の最北端、大角鼻(海浜公園突端の西端)から海岸に下り、西に少し進むと地面の岩から小さな海食洞門の上部が見えている。

反対側に回って見ると、以前紹介した香川県丸山島の小さい方の海食洞門のように、上下二段になった洞門が現れる。

因みに大角鼻の沖には、干潮寄りの時間帯、本土からは渡れない灯台の建つ千間磯エンジェルロードが姿を現す。

また、大角鼻突端の東側には、陸軍芸予要塞の関連遺構が残っている。

(3)鹿崎南洞門(高知県宿毛市)

この洞門は以前、高知県の野良猫スポット紹介時に触れた。「道の駅すくも」の南にある二つの小岬には、それぞれ海食洞門が開いているが、南側の岬の洞門は道のすぐ側にあることから、干潮寄りの時間帯なら、洞門内に入ることができる。

景観的には岬と言うより、島が陸続きになったような光景でフォトジェニック。すぐ側に駐車スペースあり。

(4)ビシャゴ磯洞門(徳島県海陽町)

宍喰浦から竹ヶ島橋が架かる竹ヶ島には、四国のみちの回遊コースが巡っている。資料が散逸しており、記憶が定かでない部分もあるが、西側の竹島神社参道口からのコースを登っていくと、途中でビシャゴ磯に下りる道が南に分岐する。

地権者が造林作業時、立入禁止バーを設置していることもあるが、当方は事情を説明して通して貰った。路面には山積みされた木材が覆っていたが、周辺の地形を観察するとルートは大体分かる。

 

海岸に出た地点から西に歩いていくと、突端に竜串・見残海岸にあるような小さな洞門が現れる。四つん這いになれば、くぐれるかも知れない。

(5)丸山島二段洞門(香川県三豊市)

以前、記事を投稿したが、干潮寄りの時間帯に、浦島太郎が助けた亀のいた伝説がある弁天浜から「丸山島エンジェルロード」が出現し、丸山島は陸続きになる。

丸山島の龍王宮(祠の方)の奥には入り口の天井が低い海食洞があるが、その左には、切り立った岩の自然のL字通路があり、その通路を抜け出た左手に、大角鼻のような二段の海食洞門がある。

(6)出崎洞門(岡山県玉野市)

玉野市東部の出崎半島にはかつて海水浴場やハイキングコースがあったが、何年か前、ある企業の私有地になり、半島の付け根にはゲートが設けられた。

但し、その企業は市民から顰蹙を買うことを恐れてか、ゲート脇からの歩行者と自転車の通行については黙認している(と思われるが未確認)。

半島の車道終点にその企業の事務所があるが、その前から西に折れると、反対側の海岸に出ることができる。

その南に岩が出っ張った部分があるが、そこに海食洞門が開いている。干潮寄りの時間帯なら、反対側に抜けることができる。

因みに当方は帰路、尾根の鉄塔巡視路を81.1m峰の北側まで辿った後、ヤブ漕ぎして海水浴場の駐車場跡に出た。

 

尚、九州の城跡上部に開く洞門やエンジェルロードの島に開く洞門等もいずれ投稿したい。

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