天空の鳥居・南予版~権現山山高神社(宇和島市)~ | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<トトロのトンネルもあり>

過去、天空の鳥居は香川県、高知県のものをそれぞれ二山、愛媛県のものを一山紹介したが、愛媛県も二山目の山を紹介したい。

 

それは愛媛県の登山愛好家とハイカーの大半が登ったことのある鬼ヶ城山系のピラミダルな山容をした権現山(952.7m)である。その山頂に建つ山高神社の鳥居が「天空の鳥居・南予版」と言えるのである。

この山頂からも天空の鳥居・中予版「本尊山」のように海の展望が広がっているが、標高がはるかに高いため、高度感のある海の展望が得られ、目線より高い位置に見える宇和海のはるか沖に浮かぶ島は、海原が白く目に映る際、まるで空中に浮いているかのように見える。

 

更に黒尊スーパー林道コースには、「となりのトトロ」に出てくる、メイたちがトトロに会いに行くために通った「トトロのトンネル」を彷彿させるような、樹木のトンネルもある。

当方が今まで、わざわざ誰もが知っているメジャー峰の神社や祠の鳥居を「天空の鳥居」として改めて紹介してきたのは、当該山に登山愛好家やハイカー以外に一般行楽客や観光客をいざなうためであり、そのため、最短登山コースを紹介している。

権現山の往復路を総合して最短コースになるのは、アザミ峠の東方の林道からのものであるが、このコースは未整備で道標も完備していないものと思われることから、黒尊スーパー林道コースを推奨したい。

但し、このコースの登山口の標高は山頂より高い約990m。高度に於いて120m、一旦下った後、上りとなる。往路は30数分で、帰路は10分ほど多めにかかる。

コースは最初、尾根の西側斜面を、大きくジグザグを繰り返しながら下って行き、尾根に乗る。そこからアザミ峠(「狭間峠」が転訛)までの緩やかな起伏の区間が「トトロのトンネル」区間で、道の両側の中低木が頭上で合わさっている。

アザミ峠からもしばらく平坦な道が続くが、勾配が急になる地点に銀色の鳥居が設置されている。ここから神域となるのである。その先、道は尾根上を行くコースと尾根直下を行くコースとに分かれるが、ほどなくして二本の道は合流するため、どちらを登っても良い。

標高930m地点はいくつもの尾根の合流地であるが、コースがそのジャンクション・ピークの西に乗ると、そのピークの東端に寄ってみられたい。正面に鬼ヶ城山を望むことができる。そこから数分で山頂である。

尖峰だけに山頂は狭く、山高神社の天空の鳥居は銀の光を放っている。

三角点は鳥居の外側にあり、その斜め下には3人も立てばいっぱいになる展望岩があり、宇和島城下と宇和海を一望できる。

 

下山後、山とは正反対の場所の鳥居を見に行ったが、その記事は来月投稿したい。

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