日本のオルメカ人頭像?大釈迦座像(熊本県玉名市) | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<『熊本のアンコールワット釈迦説法座像

熊本県玉名市に「熊本のアンコールワット」と呼ばれる巨大仏がある。正式名を「釈迦説法座像」と言うが、通称の「大釈迦座像」と呼ばれることが多い。

 

全高38.5mで、頭部だけでも7.2mある。その頭部はコンクリート造りで、小岱山系の尾根の頂上にあり、胴体部は崖を整形し、表面にセメントを流し、手や納依を形作っている。

これがどれだけ巨大かと言えば、森林基本図に崖マークとして記載されているほど。

この像の一番の特徴は顔であろう。穏やかで何とも優し気な表情をしている。しかも最近は胴体部のヤブの刈り払いが行われていないせいで、まるで山中に頭だけあるように見える。その様子はオルメカ文明の人頭石を想起させるが、こちらの方がはるかに大きく、顔の表情から親しみを覚える。

 

大釈迦座像が建立されたのは昭和54年で、10年の歳月を要している。この像の下方にはミニ霊場のような石仏群や不動像、寝釈迦像等あるが、この一帯は南西麓にある弘泉寺の奥の院・小岱山釈迦院という。但し、堂宇がある訳ではない。

かつては玉名市の観光パンフレットにも記載されていたようであるが、現在は前述のように胴体部がヤブ化したり、納衣等のセメント部が破損する等し、市の方もあまりPRはしていないようである。

 

森林基本図の崖マークは標高100m地点にあるが、ネットでは登山口に道標が建っている写真が公開されている。故にすぐ登山口は分かるものと思っていたが、玉名Ⅱ期広域農道を車で走行時、道標を見つけることができなかった。

が、地形図や森林基本図を見ると、像の西沿いを破線が通り、上方の小岱山林道に出ている。そこで蛇ヶ谷公園の西から小岱山林道に入って、それらの地図に記載されている下山口を目指した。

 

そこは軽四が二台駐車できるスペースがあり、ゴミの投棄を注意する標柱や看板が建っていた(下の図)。

雑草に覆われた登山道を進み、落ち葉が積もる谷状地形が南に現れると、これを下る。踏み跡は殆ど消えかけているが、谷部を下ればいいだけだから、道の有無は関係ない。

 

ほどなく、石仏群が見えて来た。本道(玉名Ⅱ期広域農道に下りる小径)から左折すると、すぐ簡易なコンクリート造りの「釈迦説法座像礼拝場」がある。ここから一旦南に進み、覆い部を過ぎた所で振り返ると、山中から座像の頭部が見えている。

その小径はすぐ東の尾根に達していたので、これを登ると頂上の釈迦像の後頭部に出た。間近に見るとやはりでかい。展望は木々の奥に若干望めるほどである。

 

道の整備されていない西方向に下ると帰路は近道になるが、奥の院の石仏を全て拝んでおきたいので、来た道を引き返し、本道に出て、奥の院最下部まで下った。

石仏の中では寝釈迦(涅槃)に注目したいが、釈迦は仰向けに寝て、片足を立てている。まるで二日酔いでしんどそうにしているようである。

この日は市内の海岸部も探訪したが、それはまた「熊本県民よ、○○は××だけじゃない」シリーズとして投稿したい。

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