徳島県で二ヶ所目の裏見の滝(那賀町) | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

<虹が懸かる県道沿いの無名裏見の滝>

徳島県の裏見の滝と言えば、以前紹介した、洞穴を抜けた先に落ちる不動の滝が有名だが、那賀町の西三子山麓にも無名の裏見の滝がある。但し、瀑布の真裏は足場がないので、斜め後ろにしか回れない。

 

西三子山と言えば数年前まで、福寿草が有名だったが、突然一斉に姿を「消した」。原因は分かっていない。

西麓の国道193号から東の県道16号へ折れ、高野の登山口へと向かう途中にその滝はある。この県道沿いには無名の一定規模の滝がいくつかあり、裏見の滝もその一つに過ぎない。

県道にはいくつもの沢が流れ落ちているが、まず、規模の大きな滝としては、小さな土砂崩れ防止擁壁の奥に落下するものがある。二段になって落下しているが、滝壺はなかったように思う。流れは道路下を通過している。

それから少し進んだ地点に裏見の滝が現れる。日光が直接当てっている時は下部に虹が懸っている。形状は以前紹介した佐川町の「大滝の滝」に似ており、滝のすぐ下方に平たい一枚岩が迫り出し、その内部が岩屋風になっている。

その岩屋部には、県道から這い上がって行ける。滝の真裏には回れないとしても、すぐ斜め後ろまで接近できるから爽快。「西三子山麓裏見の滝」とでも仮称するか。

この滝も滝壺は殆ど形成されてなかったように思う。しかしこの県道ができる以前は、この一帯に何本の巨瀑が懸かっていたことだろうか。県道がなければ、滝の規模はもっと大きいはず。

ここより東方にも複数の無名の滝があったように思う。以前も述べたように、この旧木沢村はかつて「滝王国」を名乗り、冊子も作成していたが、それに未掲載の無名の滝は沢山ありそうである。

尚、これまでも紹介してきたように、四国の裏見の滝は大体探訪済だから、四国外に食指を伸ばしてみようと思う。

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