「世界の何だコレ!?ミステリー」での比良山系の廃墟とヤラセ | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[北比良峠付近の絶景と山上の八雲ヶ原湿原]

今日(117)放送された「世界の何だコレ!?ミステリー」の「衛星写真で見つけた謎エリア」コーナーでの滋賀県の山上廃墟では、また以前紹介した徳島県の千羽ロープウェイ跡のようにヤラセがあった。

 

千羽ロープウェイ跡付近の廃墟時は、徒歩10分少々で行けるにも拘らず、取材班はわざと数キロ西方でタクシーを降り、3時間半以上かけて到達した。

 

今回の目的地である滋賀県大津市、比良山系の前山(999m)山頂にある展望台(外観は廃墟)も最短ルート(ダケ道)は避け、小島よしおらは比良登山リフト(上の写真は'90年時)跡下を通る遠回りの登山コースを選んでいる。しかも小島よしおや取材班はそのリフトの存在を知っていた。

 

小島たちがタクシーで降り立ったのは、「リフト前」バス停跡付近か、そこから手前の「イン谷口」バス停までの区間と思われるが、リフトや途中から乗り継ぐ比良ロープウェイが廃止されたのは2004年のため、当然タクシー運転手はそのことを知っている。

 

JR湖西線比良駅からイン谷口までのバス(江若バス)の便も近年復活(春分の日から11月までの土日)している。

因みに比良駅付近の琵琶湖の浜は非常に美しく、水は渓谷のように澄み切っている。駅付近の田園風景も美しく、比良山脈を遠望できる(上の写真)。

 

つまり、小島らはどういう廃墟が登るコースにあるかを知っていたのである。コース途中の石垣やコンクリート擁壁を見て、「何だこれは!?」的な演技をしていたのである。但し、目的地である前山展望台については知らなかったかも知れない。

 

尚、番組ではその展望台が恰も展望台を備えたレストハウスであったかのような説明がされたが、レストハウスがあったのはそこより北東の比良ロープウェイ山上駅だったはず。当方も駅や展望台の写真は撮っていないため、施設内部の様子については覚えていないが、車道の通じていない前山山頂にレストハウスがある訳がない。

 

小島らが辿ったコースは恐らく、登山リフト山麓駅跡から釈迦岳駅跡を経てカラ岳に登った後、南西に下り、以前紹介した風雨によって浸食された天巧磨崖仏(上の写真奇岩怪石遺産(3)関西の巨大磨崖仏三景)を往復し、北比良峠付近の比良ロープウェイ山上駅跡を経て前山に登るコースだと思われる。北比良峠付近からは今でも絶景が広がっているはず。

 

その絶景の中に写る近江舞子水泳場側の内湖「小松沼」は以前紹介したと思うが、内湖と琵琶湖に挟まれた地(雄松崎から北側)は「小松橋立」と呼ぶに相応しい風光明媚な天橋立的景観を醸す。

 

前山展望台への最短コースは、イン谷口から北西に正面谷沿いの車道を歩き、大山口から右手のダケ道(大山道)に入り、北比良峠へと出るコース。イン谷口から前山までは2時間少々。

 

折角北比良峠に登ったのなら、以前紹介したそこから北方にある神秘の八雲ヶ原湿原(標高900m前後)を探訪するといいだろう。湿原部と池部の両方があり、前者には木道が設置され、植物や水中生物等を観察できる。

 

比良山脈の各所からJR湖西線側に下るコースがあるが、帰路は往路より時間がかかるものの、以前紹介した滋賀県一の絶景・びわ湖バレイへ縦走するのも面白い。近年、バレイの施設では空中アトラクションが人気。バレイからはゴンドラに乗って下山できる。

 

因みに当方がロープウェイの山上駅付近に行ったのは二度ほどで’90年と’94年時は覚えている。前者時は高島市の八池谷の長距離に亘る滝群・八淵滝(滝群の総称で「やちのたき」や「やつぶちのたき」と読む)を遡行して北比良峠に出た。

 

後者ではリフト前バス停から神爾谷を遡行し、滝群「神爾滝(総称)」を経て谷沿いの登山道に上がり、ニードル状の奇岩怪石が立ち並ぶ「蟻地獄」(上の写真はその周辺)を経て北比良峠へと出た。

 

楽しい沢登りができるのは前者だが、後者の二の滝では滝が頭上から降り注ぐかのようなフォトジェニックな記念写真が撮れる(上の写真)。コースガイドは→豪快滝群遡行と湿原と巨大磨崖仏

 

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