陸軍第11師団の三番目の監的所(観音寺市) | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[廃道農道沿いの監的台]

以前、香川県観音寺市の二基の陸軍第11師団監的壕(山砲の演習を見る施設)を紹介したが、二基目の記事で触れたように、三基目の監的所はコンクリート壕タイプの監的壕ではなく、平屋のコンクリート展望台のような監的台となっている。これはこの地まで砲弾が飛んでくる可能性が殆どないことを意味している。

 

監的台の場所は他の二基の監的壕のように、雲辺寺ヶ原史跡公園に建つ案内板の図に記載されているものの、畑沿いにあった二基目の監的壕のように、周辺は地図に記載されていない狭い農道が入り組んでおり、一般の者には非常に分かり辛い。

 

だが、二基目の監的壕への上り口からは比較的道順が分かり易い。瀬戸池南東のその上り口となる三差路(延伸工事中の二車線道終点の南東・上の地図)をやり過ごし、道なりに南東へと上がっていく。

尾根を越えた所の分岐も南東に折れ、大池川沿いの道路に下りると東進する。

 

大池川がカーブして反転する手前の三差路も道なりに東へ進む。少々進むと右手に柵のある広場が現れるので、ここに駐車した方が良い。当方はまだ車で進んだが、もし農家の対向車が来ると身動きが取れなくなる。

 

せっかちな方はその広場の北方からコンクリート道に左折して上がり、すぐ現れる崩土箇所を這い上がって上の農道に上がる。遠回りでも気にならない方は、そのまま道路を北東に進んで行き、ほどなく現れる三差路を直進して狭い農道に入る。

 

その遠回り時、またすぐ三差路が現れるので、左に折り返す道に入る。少々上がると右手に小屋のある、右急カーブに到るが、当方はここの左手に駐車した。ここは本来、小径を含む三差路で、その小径の尾根道を上がった方が近道なのだが、廃道化して久しい。

 

農道が最も東に振った地点も本来、三差路なのだが、やはりここも山中の小径はヤブに覆われている。

カーブが直線になると変形の分岐に到るが、ここは本来、南側に三本の道があり、北側に二本の道がある変形(互い違いの)五差路。が、南側の道の内、小屋の建つ真ん中の道は廃道化している。

ここもまた左に折り返すコンクリート道に入る。

 

この道が右急カーブを描く地点も本来は小径が合流する三差路だったが、カーブの内側に監的台(上の地図)が人知れずひっそりと佇んでいる。入口は西側にある。

 

外観は鉱山跡の施設のようであり、自然公園の休憩所のようでもある。監的部は入口の反対側だが、木々で何も見えない。

規模は南北に約6メートル半、東西3メートル弱、高さ2メートル少々。南北双方の内側に何かを固定するボルト跡がある。

 

コンクリート道は最上部の尾根まで達しているが、尾根に到達した所でヤブ化している。そのヤブの部分は未確認だが、この尾根の北方には旧陸軍省の用地境界標石が残っている。

 

因みにこの日、海軍観音寺航空基地の設営本部の二基目となる退避壕も探訪した。同基地のコの字型地下通信壕跡を現地確認しているのは当方以外にいないと思われるので、機会があれば基地の各施設跡を紹介したいが、資料・文献を探して見返すのが面倒。

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