一夜で出現した100m級滝と足摺大海崖の滝の河川名 | 次世代に遺したい自然や史跡

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毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[一夜で徳島県最大級の滝が出現]

徳島県の中部山渓エリアに行った事がある方の中には、車で走行中、車上から12秒ほどの一瞬、前方に巨瀑が出現するのを目撃した方がいるはず。特にマイナー峰や廃道及び隧道ファンなら覚えがあるだろう。

 

一目見ただけで落差はつるぎ町の鳴滝を超える落差100m級滝であることが分かる。が、この滝、実は十数年前まで存在しなかった。しかし人工の滝ではない。れっきとした自然の滝である。

ある年の夏、台風で山の斜面が大崩落を起こし、国道の橋諸共、川に雪崩れ込んだのだが、翌日、その崩落斜面に巨瀑が出現したのである。

 

当方が初めてこの滝を目撃したのは何年か前、ある山の行場の上り口を探しに行った時だったのだが、その時はダムの放水のような水量で圧巻だった。しかし場所の特定はできなかった。

最近、役場の支所に問い合わせると、以前、徒歩で通った時に写真を撮った滝だった(一枚目写真)ことが判明した。が、自治体(支所)ではこの滝を「滝」としては認めていない。災害をもたらした忌々しい台風の産物故、無理からぬことだろう。

 

一応写真は撮っているものの、もっと滝を山の中腹から間近に見たいもの。山中の廃村に到る古道が残っていれば、もっと間近に望めるかも知れない。しかし台風で集落跡や古道も崩落している可能性がある。明日、踏査予定。

 

この滝の撮影場所付近は兎に角無名の滝が多く、このすぐ近くや対岸にいくつも滝が懸かっている。下の川もV字峡気味で景観がいい。アピールの仕方によっては、ここは観光名所になりそうである。

 

ところで、以前投稿した高知県土佐清水市の「足摺大海崖の滝」についてだが、その後、この滝の沢(河川)名が判明した。千崎川という。水源は陸軍の電波警戒所(レーダー基地)関連施設のあった山にある。電波警戒機(レーダー=海軍でいうところの「電波探信儀」)跡や横穴壕等は残っているものの、機銃陣地跡は消滅している。

 

前述の記事で紹介した足摺大海崖の滝の入口付近の津波避難所の名称も「千崎」だったことから、「足摺大海崖の滝」は「千崎の滝」と呼称した方がしっくりくる。正式名称にしてもいい位である。

 

この千崎の滝は自治体と足摺パシフィックホテルが共同で、ホテルの裏庭から遊歩道を整備し、滝天辺の南側に展望台を設置し、足摺岬展望台のように投身自殺防止の監視カメラを付ければ、土佐清水屈指、いや、高知県屈指の観光地になることは間違いない。第二回目のジオパーク登録に意欲を見せる市長の英断に期待したい。

 

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