四国一のシャクナゲ群生とミツバツツジと滝群・雲早山 | 次世代に遺したい自然や史跡

次世代に遺したい自然や史跡

毎年WEB初公開となる無名伝承地や史跡、マイナーな景勝・奇勝を発表。戦争遺跡や鉄道関連、坂本龍馬等の偉人のマイナー伝承地も。学芸員資格を持つ元高知新聞主管講座講師が解説。

[雲早山の二種類の群生は今が一番]

山好きなら、各種花の四国随一の群生がある山には登っておきたいもの。例えばアケボノツツジなら西赤石山、ミツバツツジなら大川嶺連峰、古木のオンツツジなら船窪高原(船窪つつじ公園)、カタクリなら鋸山(だと思われる)等。

 

では気品ある美しさが魅力であるシャクナゲの四国随一の群生地はと言えば、徳島県神山町と那賀町との境界にある雲早山(1495.9m)になるだろう。但し、道標が整備されているヤマケイの分県登山ガイド収録のコースにはない。その群生地はヤマケイ掲載の登山口から北西に徒歩78分ほどの地に登山口がある通称「シャクナゲ尾根」である。

 

尾根名に「シャクナゲ」が付いているように、その尾根の起点から終点まで絶え間なく咲いている。実に標高1120m前後から1400m弱まで、隙間なく咲いているのである。まるで植栽したかのように。

この尾根は急勾配故、主に下山時に利用されるが、3040分もシャクナゲが続く、空前絶後の大群生なのである(下の写真はシャクナゲとミツバツツジ)。

 

現在、尾根はこれから見頃のピークを迎えようとしているが、道標が整備されたコースにはミツバツツジが群生している。この規模も徳島県屈指。但し、ミツバツツジの方は見頃のピークを過ぎている。

つまり、この二種の花を同時に楽しむには、今が一番なのである。今の時期より早ければミツバツツジは見頃のピークだとしても、シャクナゲは開花が少ない。逆にシャクナゲの見頃のピークに訪れると、ミツバツツジはかなり散っている。

 

ミツバツツジの群生地はコースの稜線起点のやや上方から山頂にかけて。特に山頂直下周囲の群生は圧巻。

山頂からは360度の展望が広がっており、登頂に要する時間は僅か1時間少々。だから高知市から登山口まで、車で3時間かかったとしても登山口に13時までに到着すれば、余裕で回遊できるのである。コースマップとガイドは→四国随一のシャクナゲ群生とミツバツツジ・雲早山

 

また、高知方面から向かう際は、国道沿いの三ヶ所に滝があるから下山後の楽しみもある。

雲早山に一番近い滝は、国道193号沿いの大釜の滝。落差こそ20mほどだが、兎に角滝壺が巨大で水深が15mもあり、周囲に轟音を轟かせている。日本の滝百選に選ばれているだけのことはある。

 

次に近い滝はやや下流の国道沿い、神影(小剣)神社南東の対岸に懸かる無名の滝。神社の滝行場のような滝で、沢谷川に直接落下している。河原を歩いて滝の側まで行くことができる。

 

次の滝も193号沿いの「大轟の滝」。これも落差は20mほどだが、滝壺だけでなく、滝の天辺部もかなり広く、瀑布は上段部から溢れ出すように、数条になって落下している。この滝も大釜の滝のように轟音を轟かせており、豪快。

 

沢谷川下流の坂州木頭川の支流にもいくつもの無名の滝を過去、見つけているが、それらはまた機会があれば投稿したい。

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