[三木町とさぬき市のミニ修験岩山群]
香川県には山上に神社や祠を祀る山が多い。西讃(香川県西部)の稲積山・高屋神社(観音寺市)の鳥居は当方が2016年に「天空の鳥居」と名付けたが、他者で同年、同じキャッチフレーズでネットに公開したものはいただろうか。斯くして翌年、有名観光地になったが、東讃にも鳥居を擁する山は多い。中でも「天空の鳥居」と呼ぶに相応しい鳥居と絶景を拝めるのが、三木町の嶽山(204.7m)である。
~2020年1月現在、嶽山の鳥居(龍王神社) も「天空の鳥居」という呼称が定着していることが判明した。当方がその名付け親(2018年当時解析済)となり、それが観光振興の一助となったことは誉れである。~
また、「天空の鳥居」とまでは呼べないものの、三木町隣のさぬき市の山上山(203m)にも鳥居があり、パノラマが広がっている。その山の門入ダムを挟んだ東に聳える剣山(150m)には鳥居はないが、全山岩山だけに360度の展望を誇る。
嶽山は東麓の山大寺池と共に「讃岐百景」に選出されているが、池から仰ぐ岩山の山容は登頂欲をそそる。山上は二つのピークから成り、三角点のある方には天日坊神社の祠があり、最高所のピークには龍王神社の祠が祀られている。天日坊神社の手前には昭和初期に建立された石造の龍王神社の鳥居があるが、これが「天空の鳥居」と言えるのである。
岩山だけに周辺一帯の展望が良く、高度感もあるため、一帯が「天空」と化す。それだけに三豊市の竜王山ハンググライダー基地や博智山のような「空を歩く」写真も撮影できる。
また、今の時期、往路沿いにはオンツツジが咲き、4月末から5月上旬には山大寺池の南北の岸に白とピンクの芝桜が咲き誇る。
修験の山だけに嶽山にはかつて6コース以上の登山道があったのだが、その全てに崖がある。現在、整備されている2コースの内、定期的に手入れされているコース(ヤマケイの分県登山ガイドのコース)の崖には登攀鎖が設置されており、初心者でも登ることができる。もう一つのコースのロープは朽ち果てているが、登山経験者であれば難なく上り下りできる。
二つの整備されたコースがある嶽山は回遊コースを設定できるのだが、山大寺池側の「太古の森」や山大寺地区と西山地区に残る古道や用水路管理道も組み入れ、最も面白味のある、誰も考えつかないコースを設定した。
車は太古の森東側の車止めチェーンのある前に駐車した(下の地図)。トーヨースギウエ・サービスセンター南の駐車場が太古の森用駐車場か否か分からなかったからそこに駐車したのだが、チェーンのすぐ上にはトイレもあって便利。
コースはトーヨースギウエ北西の三差路を西に折れ、山大寺池北岸の道路を西進。そして水路沿いのY字路を前方右のコンクリート歩道である水路管理道に入る。森に入ると進路が北向きに変わり、淵のようになった鍛冶川上流の堰を渡る。
地蔵と大きな常夜燈のある箇所で道路に出ると北西に進む。その先の三差路は西に折れ、二車線道を横断して多賀神社南沿いの道を上がる。
狭い道路に出ると一旦北に折れてからすぐ西に下るコンクリートの野良道を進む。
また狭い道路に出ると西に進み、最初に現れる民家手前から南の山手に上がる道に入る。
樹林に入った所の分岐は西に折れたが、真っ直ぐ上がった方が良かったかも知れない。
段畑のような所で道は一旦消えるが、そのまま直進すると明瞭な歩道に出る。尚も西進するとスズタケに覆われるようになるが、数分で嶽山登山口に到る道路に出る。こちらの定期的に整備されているコース(地形図「鹿庭」に記載)の登山口には簡易駐車場が整備されている。
稜線に出るとややザレ気味の尾根になり、振り返ると北方の平野が一望できる。
やがて崖状になり、長い鎖が現れる。崖を登り切った所に天空の鳥居がある。そこから三角点のあるピークを経て、最高所(等高線は200mだが、実際は210m弱の標高・上の写真)までは痩せた岩尾根でパノラマが広がっている。
復路は鳥居から北東の岩尾根を下る(下の写真)。路面は岩肌だけに踏み跡は殆どないが、マーキングテープが先導してくれる。
崖のような岩尾根が終わると樹林の中に入り、勾配も緩くなり、明瞭な登山道が現れる。路面にハルリンドウが咲いている場所もある。
山襞に沿う山道と交差する地点には道標があり、ここを右折する。後の各分岐も道標に従う。この道は山大寺池北側の二車線道に出る。
山大寺南岸の道路に折れるとB&G三木海洋センターの駐車場まで進み、「太古之森」の石碑から階段を下りる。
下り立った地には「水上アベニュー」という山大寺池に浮く浮き橋が架かっている。歩くたびに揺れるが、中ほどには休憩所も設置されている。
対岸から丸木階段を上がると二体の恐竜の像が設置された広場「みどりの丘」の一角に出る。
そこからはみどりの丘頂上に登るが、道沿いにはツツジの他、フジも咲き垂れている。
頂上には金毘羅神社らしき祠がある。ここから北に下れば別の恐竜像の「記念の丘」の一角に出る。駐車場所はすぐ下である。→回遊コースガイドとマップ
この山で歩き足らなければ、東方のさぬき市の門入ダム湖西岸へ移動する。トイレの斜め向かいから山上山のコースである階段が上がっている(下の地図)。振り返るとダムを挟んで剣山の岩峰が見えている。
稜線の尾根に出るとすぐ一基目の鳥居がある。尾根道が自然の歩道に変わると、所々ミツバツツジが咲いている。
山頂東のピークに展望舎があり、その下に木造の鳥居がある。山頂部は岩場で360度の展望を誇る(下の写真)。
山頂から南のコース(復路に利用)入口下には立入禁止看板が倒れているが、これは手摺が朽ちているため。こちらのコースは急勾配で鎖も設置されている。
南コースの鞍部からは回遊するため、東側の道なき谷状地形を下った。植林帯なので造作はない。
下山後は極楽寺北橋東袂の十字路まで引き返し、東に折れる。そして77m独立標高点南西の道路の最高所から南のコンクリート車道に折れる。この車道終点(上の地図)が剣山の登山口なのだが、転回スペースを除くと駐車スペースは一台ないし二台分位しかない。
こちらの山は登山道沿いに常夜燈がある等、修験色が濃い。そしてこの山も山頂部の岩場に金刀比羅神社の祠(上の写真)が祀られており、標高150mとは思えないほどの高度感のある展望が広がっている。この祠があることから、金毘羅山とも呼ばれている。
中腹だったか、山頂近くだったか忘れたが、剣神社の祠もあったはず。
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