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H22 1/22 大阪星光学院中学校 平成22年理科解説 掲載。
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中学入試 大坂星光学院中 H22 理科解説
大阪星光学院中学校 平成22年 理科(40分・80点)
(大阪府大阪市・男子)
問題は各自でご用意願います。
□1 人体 呼吸循環
問1 ウ○:呼気に残る 18%の酸素は、血液中に取り込まれなかったものです。
また、呼吸に関係ない窒素は、そのまま呼気として出てきます。
ア×:表の通り、呼気の二酸化炭素は 3%にすぎません。
イ×:表の通り、呼気には 18%の酸素が残っています。
エ×:体内で酸素は生じません。
問2 激しい運動により、体はより多くの酸素を必要とし、
吐き出す二酸化炭素・水蒸気の量も増えると考えられます。
問3 呼気に含まれていた水蒸気が冷えて水滴となるのが曇りの原因です。
石灰水を白くにごらせた実験ではありませんので、間違ってウ.を選ばないようにしましょう。
問5 イ○:イモリ(両生類)の成体は陸上で生活し、肺で呼吸します。
ア×:オタマジャクシ(カエルの幼生)は水中で生活し、えらで呼吸します。
ウ×:ヒトの胎児は、へその緒・胎盤を通して母体から酸素を取り込みます。
エ×:メダカ(魚類)は水中で生活し、えらで呼吸します。
オ×:節足動物・昆虫であるトノサマバッタは、せきつい動物とはまったく違う呼吸の仕組みを持っています。
問6 のどから肺につながる空気の通り道は「気管」、
胃につながる食べ物の通り道は「食道」です。
ふだん呼吸している時には肺につながる気管が開き、胃につながる食道は閉じています。
ものを食べたときに空気を飲み込んでしまった時には、胃にたまった空気はゲップとして出てきます。
食べ物が誤って気管に入りそうになった時には、体がかってに強く咳込み、異物を外に出そうとします。
もしも気管に食べ物が詰まって出せなくなると、呼吸ができなくなり命に関わります。
エ×:「食道の方が図のアよりも体の前側」というのが誤りです。
オ×:「日常的に食べ物が肺の方に流れる」というのが誤りです。
問7 心臓の部屋の並びと肺・全身とのつながりを知っていることが前提となる問題です。
図の血管の重なりにも注意して選びましょう。
① 酸素が多く含まれるのは、肺から流れて来て全身に向かう、肺静脈(オ)・大動脈(ウ)です。
② 心臓から全身に向かう大動脈(ウ)です。
ここでは、上半身・下半身のどちらに向かう血管かまでは問われていません。
③ 栄養分は小腸で血液中に吸収されますから、
小腸側から流れてくる血液(カ)は栄養分が最も多いと考えられます。
それに対して上部から流れてくる血液(イ)は栄養分が最も少ないと言えます。
なお、心臓や肺が必要とする栄養分は、大動脈(ウ)から分かれた血管により届けられるものであり、
心臓中を流れる血液や肺動脈で届けられるものではありませんから、
エ→オ→ウの間に血液中の栄養量が変わることはありません。
□2 地震
問1 「地震の規模」は「マグニチュード」で表されます。
「震度と共に」という事と、「カタカナで」という事から、「震度」との混同もなく答えられそうです。
問2 『内陸地震』ですから日本に向かう津波は起こりません。
問3 ズレにより地層に重なりが見られますので、押されたものと判断できます。
問4(1) A地点(160㎞・14:32'57")とB地点(240㎞・14:33'13")の震源からの距離・届いた時刻の差から、
S波は 80㎞に 16秒 とわかります。
80㎞ ÷ 16秒 = 5㎞/秒
(2) (1)で正しく求めたS波の速さから、A地点(160㎞)にと届くまでの時間は 32秒とわかります。
Aに届いた時刻 14:32'57"の 32秒前、14:32'25" と求まります。
(3) C地点については、表でP波の時刻しか書かれていませんから、
P波の速さから求めることになります。
A地点(160㎞・14:32'45")と地震発生時刻((2)で求めた 14:32'25")から、
P波は 160㎞ に 20秒 とわかります。
160㎞ ÷ 20秒 = 8㎞/秒
C地点(14:33'15")までは 50秒かかっていますから、P波の速さと時間から、距離が求まります。
8㎞/秒 × 50秒 = 400㎞
(4) 震源から近いA地点では、ゆれ始めた時刻が早く、ゆれの大きさが大きくなります。
震源から遠いB地点では、ゆれ始めた時刻は遅く、ゆれの大きさは小さくなります。
□3 力学
問1 おもりの重さが 50gから 80gに、30g増えることで、
ばねの長さが 33㎝から 36㎝に、3㎝のびることから、
このばねは 30gで 3㎝ のびることがわかります。
1㎝のばすのに必要な重さは 10gとなります。
問2 文中にある通り、50gでの長さは 33㎝であり、
問1で求めたのび方から、50gの時ののびは 5㎝とわかります。
33㎝ - 5㎝ = 28㎝
問3 物体の重さは、小はかり(70g)とばねにつるしたおもりの重さ(80g)で支えられていますから、
物体の重さはその合計、150gと求まります。
問4 小はかりの重さ 650gと、
問3で求めた物体の重さ 150gのうち ばねにつるしたおもりの重さ 50gを除いた 100gの合計で、
750gと求まります。
別解) 80gのおもりをつるした時の大はかりの値は
小はかりの重さ 650gと、
小はかりが支える重さ 70g の合計で、
720gとなりますが、
ばねにつるしおもりの重さが 80gから 50gに 30g軽くなる分、
はかり側の負担が増えて、750gと求まります。
問5 問3で求めた物体の重さ 150gのうち、
ばねにつるしたおもりの重さが支える 50gの残り、100gと求まります。
問6 追加したおもりの重さは 小はかりとばねで支えられます。
このとき小はかりの皿が下がりつつ、同じだけばねがのびることになりますが、
1㎝動くためには、小はかりに 100g、ばねに 10gが支えられ、合計 110gの重さを要します。
以上の通り、110gのおもりを追加した時、
1㎝動く(皿は 1㎝下がり、ばねは 1㎝のびる)ことがわかります。
ばねは 50gのおもりをつるした時の 33㎝から 1㎝のび、34㎝と求まります。
問7 図2では、物体の重さ 150gのうち 50gがばねにつるしたおもりに支えられ、
残り 100gが小はかりによって支えられています。
これに問6の通り、追加したおもりの重さ 110gのうち、100gを小はかりが支えることになりますから、
合わせて 200gとなります。
□4 溶解度
問1 かきまぜる。 粒を細かくする。 温度を高くする。(解答例)
「決まった量の水に」との問題ですから、「水の量を増やす」という答えは認められません。
問3 「40℃におけるしょう酸カリウムの飽和水溶液 163.9g」は、
表から 水 100g、しょう酸カリウム 63.9gとわかります。
20℃の水 100gには、表より 31.6gのしょう酸カリウムがとけます。
63.9g - 31.6g = 32.3g
問4 表より、20℃の 水 しょう酸カリウム
100g には 31.6g がとけます。
↓×32.3/31.6
102.2g 32.3g
問5 「温度 20℃、40℃、60℃、80℃ の中から最も近い温度を1つ選」ぶ選択問題ですから、
最も近そうな答を見つけることができるかどうかです。
表に合わせて水 100gと仮定すると…。
溶解量 飽和水溶液 10℃に冷やした時に出てくる結晶の量(122.0gとの差)
20℃ 31.6g 131.6g 9.6g
40℃ 63.9g 163.9g 41.9g
60℃ 109 g 209 g 87 g
80℃ 169 g 269 g 147 g
このうち、40℃に着目すると、出てくる結晶の量 41.9gを 問題での「84g」に合わせるには 約2倍です。
このとき、元の飽和水溶液の量 163.9g を2倍にすると、327.8g となり、
問題での「328g」にほぼ一致します。
仮にわからなかったとしても、確率1/4で1つ選んで解答欄を埋められたでしょうか?
問6 「80℃で水 300gに しょう酸カリウム 330gと食塩 48g、さらに、ホウ酸 24gを溶かした混合溶液」を、
表に合わせて水 100gに置き換えると、しょう酸カリウム 110g、食塩 16g、ホウ酸 8g となります。
問題の条件となる「しょう酸カリウムだけ」を結晶として取り出すためには、
食塩 110g(表より、0℃でもすべてとけたまま)、
ホウ酸 8g(表より、40℃ではすべてとけたままだが、20℃では 4.88gまでしかとけない)
はとけたままでなければいけませんから、表から、20℃よりも高い 40℃と選べます。
水 100gでは、初めにとかした 110gのうち、40℃でとけているのは 表より 63.9gですから、
110g - 63.9g = 46.1g
46.1gの結晶が出てきます。
ここでは水 300gですから、
46.1g × 3 = 138.3g
出てくる結晶は 138.3gとなります。
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今世紀最長の皆既日食まであと2日
同時に皆既になる時間が今世紀最長ということで、大変な話題となっています。
多くの人が太陽を見上げる日になることでしょう。
しかしながら日本でと言っても皆既日食となるのは九州の南の島々などに限られ、本土においては部分日食としてしか見られません。ですがそれでも太陽が欠ける割合はかなり高く、期待に胸をふくらませている方も多いことでしょう。
ですが、日食により星が見えるほどに空が暗くなるのは皆既日食が見られる地帯に限られ、太陽の光はとても強いですから、部分日食では気をつけて見ないと気がつかないくらいのものでもあります。
それゆえ過度に期待しすぎて、日食グラスを通した少し欠けた太陽を見てみてもがっかりすることになるかもしれません。
ですが部分日食と言えども、日本各地で太陽の半分以上が月に重なる様子が見られるのが今回の日食です。是非次に挙げることなども意識しながら、部分日食を楽しんで見てください。
・太陽は、月よりも遠いところにある!
太陽は地球から1億5000万キロメートル、月は地球から38万キロメートル。太陽の方が遠くにあることは、
みなさん教科書などで学んで知っていることかもしれませんが、
実際に目で見て、太陽の方が遠くにある事がわかるのが、日食の時です。
遠くにある太陽が、手前の月に隠れてしまっているのです。
太陽と月までの距離を感じてみて下さい!
・地球から見た太陽と月の大きさは、ほぼ同じ大きさである!
昼に出る太陽と夜に出る満月の大きさはほぼ同じに見えます。
実際には太陽の方が月よりも400倍大きいのですが、
太陽は月よりも400倍遠い位置にあるためにその分小さく見えることになり、結果、地球からはどちらもほぼ同じ大きさに見えるのです。
しかし太陽と月の大きさを同時に並べて比べて見ることは普段は出来ません。ですがそれを可能にするのが日食なのです。
太陽と月の見かけの大きさを感じてみて下さい!
(太陽や月までの距離は常に一定ではありません。特に今回の皆既日食は月が大きめに見える分、皆既の時間が今世紀最長と注目されています。)
・太陽が月を追い越す!
毎日、太陽は24時間で1周、月は24時間50分で1周して見えます。(月の南中時刻は満ち欠けに伴い、約毎日50分ずつ遅くなります。)
つまり太陽の方が月より早く動いて見えるのですが、普段眺めてみても、動いてあると直感できるほどは速くないですし、2つの動きを並べて比べることはできません。
しかし日食の時には先述の通り2つが重なり並びます。
日食の欠け始めから欠け終わりまでの間に、どちらも東から西へ動きながらも、速い太陽が遅い月を追い抜く様子がわかることでしょう。
太陽と月の速さの違いを感じてみて下さい!
みなさんの地域でも、晴れて日食が見られるとよいですね!
※太陽の観測には、専用の遮光板を購入の上、正しい理解の元にご使用下さい。
黒い下敷きや黒くなった写真用フイルムを代用品として眩しさをさえぎることは非常に危険です。
目に見える光だけがさえぎられ、瞳孔が開いた状態で、目に見えない赤外線によって網膜を焼いてしまうなどの危険があります。
また専用のものを使用する場合にも、少し見たら目を休めるなどし、長時間連続して見続けないようにしましょう。