英語っていうのは言葉の裏を読ませたがるもんです。
たとえば、一緒に何かをするときに相手との間に存在している繋がりとか。
I have to work with Leonardo.
[私はレオナルドと一緒に働かなければならない]
「私」一人ではだめで、レオナルドがいなきゃいけないわけです。
「私」はレオナルドという存在を必要としているわけです。
つまり、「私」にとってレオナルドは決してどうでもいい無関係な存在ではないということです。
「私」にとってレオナルドは無くてはならない存在です。
一緒に何かをしなきゃいけない相手ってことは、それだけ相手との間に繋がりが存在しているということになります。
I have to do homework with Leonardo.
[私はレオナルドといっしょに宿題をしないといけない]
これもいわば、「私」にとってレオナルドとの間には、一緒に宿題をすべき関係性が存在しているということになります。
では次の文はどうでしょう。
I have to do with Leonardo.
この場合、「do」のあとに目的語がありません。
「do」のあとに直接「with」が置かれています。
これだけだと漠然とし過ぎていて、二人が何をするのかがわかりません。
それでも、ただ一つ確かなことがあります。
それは「私」にとってレオナルドは、何らかの繋がりをもった相手であるという事実です。
だって、一緒に何かをしなきゃいけない相手なんだから。
そこで、漠然とした「do」は言葉の意味を控え、その裏にある確かな両者の繋がりだけがピックアップされる。
この文章に「する」という意味はありません。
I have to do with Leonardo.
「私はレオナルドと関係があります」
ただそれだけを意味する文章です。
実はこれ省略された表現で、実際はこうです。
I have something to do with Leonardo.
直訳すると「私はレオナルドと一緒にやるべきことがある」という意味ですが、実際にはその言葉の裏を読ませる文章です。
一緒にやるべきことがあるってことは、レオナルドに対して何かしらの繋がりが存在しているってことです。
言葉の裏にあるその繋がりを読ませるべく、「do」自体は飾りと化し己の意味を控えます。
なのでやはりこの文章も、特に「する」という意味はありません。
I have something to do with Leonardo.
ただ単に「私はレオナルドと関係がある」ということだけを示している。
実際には、この表現が人と人との関係性を示すことは稀だという印象があります。
Your illness has to do with your daily life.
[あなたの病気はあなたの日常生活と関係があります]
His new Job has something to do with computers.
[彼の新しい仕事はコンピューターと関係があります]
また「something」の部分を他の単語に置き換えることで、関係性の度合いを言い変えることができる。
The accident has nothing to do with this heavy snow.
[事故はこの大雪とは何ら関係ありません]
「have nothing to do with」(共にするべきことは何もない)、イコール「何も関係はない」という意味です。
「have to do with」のように、2つ以上の物事の間に関連性が存在していることを示す言葉としては、その他にも「relate to」、「relevant to」、「concern」などがあります。
Don't ask questions not related to the lecture.
[講義に関係のない質問はしないでください]
I don't know if this is relevant to you or not.
[あなたに関係あるかどうかは知りませんが]
That doesn't concern me.
[それは私には関係のないことです]