英語の受け身の使い方!受動態を使う状況、能動態との使い分け

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受動態の使い方

簡単そうにみえる受動態ですが意外と知らない使い方があります
受動態と能動態の使い分けも日本語の感覚と違うところがあり厄介です

能動態:動作をする側が主語
受動態:動作をされる側が主語

普通は能動態を使います
「誰かが何かをした」は分かりやすい表現です
「誰かが何かをされた」は少し言いにくい表現になります
少し面倒な受動態(受け身)を使うのは、それが効果的な場合に限られます

このブログの内容と例文で参考にしたものはこちらです

できる限りネイティブが発信しているものをベースにしています
<文法書、辞書>
English Grammar in Use (GIU)
Cambridge English Dictionary(Cambridge)
ロングマン現代英英辞典
新英和中辞典:研究社(辞書)
<英語学習サイト&Video>
BBC Learning English (BBC)
EnglishClass101 (EC101)
English with Lucy
mmmEnglish
gymglish
engVid
YouGlish
<その他>
ネイティブのYoutuberなど
真・英文法大全(関正生 著)
一億人の英文法(大西泰斗 著)
実践ロイヤル英文法(綿貫陽 著)
日本人の英語(マーク・ピーターセン著)

記載内容の信頼性のために、情報源の名称や略称などを記述している所があります
(注)当ブログ内の多くの記事で参考にしているものです。1つの記事で全てを見ているわけではありせん


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目次

受動態の使い方

受動態では何かをされた人や物に焦点が当たります

  • された側に注目するために使います
  • 誰がしたかは言わないのが普通です

次のような状況で受動態を使います

  • 誰がしたか知らない
  • 誰がしたか言いたくない
  • 動作に重点を置きたい
  • 何かをされる側を強調したい
  • 学術的・技術的な文脈にする
  • 出来事に焦点を当てる
  • 行為者を最後にして強調する

言葉だけでは分かりにくいので例文を集めました
例文でそれぞれの状況がイメージしやすくなります

受動態を使う1:誰がしたか知らない

  • 誰がしたか知らない、重要でない
  • 何が起こしたか分からない、重要でない

My bag was stolen.

バッグを盗まれた

Am I invited too?

私も招待されていますか?

That computer isn’t being used any more.

そのコンピューターはもう使われていないんだ

My car is broken down.

車が故障しちゃった

It was meant to happen.

こうなる運命だった

The water was heated to 100 degrees.

水を100℃に加熱しました

受動態を使う2:誰がしたか言いたくない

My lunch is being eaten.

私の昼飯が食べられている

Your computer was broken.

あなたのパソコン壊れているよ

壊した人を知っていても言わなくて済みます
自分が壊していてもしらを切ることができます

受動態を使う3:動作に重点を置きたい

Are you finished.

終わりましたか?

My report was finished.

レポートが出来上がった

The grass was cut yesterday.

昨日草刈りが行われました

受動態を使う4:何かをされる側を強調

I’m afraid.

私は怖い

The window was locked.

窓は施錠されていました

The cake was eaten by the children.

ケーキは子供たちが食べました

The internet is used by millions of people every day.

インターネットは毎日何百万人もの人々によって使用されています

受動態を使う5:学術的・技術的な文脈

Miracles were reported at his grave.

彼の墓では奇跡が報告されました

The first cases were reported in 1981.

最初の症例は1981年に報告されました

A sample was taken and injected into a tube.

サンプルを採取し、チューブに注入した

All of the vital signs were recorded with great detail.

すべての重要なサインが詳細に記録されました

誰が何をしたかよりもプロセスや動作が重要なものです

補足

The following results of this experiment were obtained:

この実験で次のような結果が出た

The results of this experiment are as follows:

この実験の結果は次のとおりである

受動態より能動態の方が自信をもった迫力のある文章になります(日本人の英語)
受動態の使い過ぎには注意が必要です

受動態を使う6:出来事に焦点を当てる

報告動詞(believe, say, think, reportなど)の受動態がよく使われます

He is believed to be dangerous.

彼は危険人物だと思われます

That quote was said by a white man.

その言葉は、白人が言ったものです

It was thought to be very good software.

とても良いソフトだと思いました

The story was reported in yesterday’s paper.

その話は昨日の新聞で報道されました

新聞やテレビなどでは比較的多く使われています

受動態を使う7:行為者を最後にして強調

受動態では誰がしたかを言わないのが普通なので、逆に最後に言うことで強調できます

Harry Potter was written by J. K. Rowling.

ハリーポッターはJ・K・ローリング作

The movie Star Wars was directed by George Lucas.

映画スターウォーズはジョージ・ルーカス監督

The community was destroyed by a flood in 1862.

この地域は1862年の洪水で破壊された

That’s a lovely chair.

素敵な椅子ですね

Yes, it’s very old. It was given to me by my grandmother.

ええ。とても古いもので、祖母から譲り受けました

話にでた椅子(chair)を主語にして、誰から貰ったかを最後にすることで強調しています

受動態を使わない:誰がしたかを言うとき

次の例文はどちらが好みですか?

(比較)

I was told no by him.

彼に断られた

He said no.

彼は断った

(比較)

The pizza was eaten by my brother.

弟にピザを食べられた

My brother ate the pizza.

弟がピザを食べた

(比較)

He was scolded by his teacher.

彼は先生に叱られた

His teacher scolded him.

先生は彼を叱った

どちらが好みですか?

このような内容は受け身だと違和感があります

日本語では受け身で言うイメージがあります
英語では誰がしたか分かっていて、それを言うときは能動態にするのが普通です

その他の受動態

その他の受動態1:getを使う(動作を強調)

気軽な会話で be動詞の代わりに get を使うことがあります
be動詞が状態を伝えているのに対し get は動作を強調したいときに使います

(比較)

She is married to he.

彼女は彼と結婚している

She get married to he.

彼女は彼と結婚するんだって

(比較)

I’m lost in a forest.

森の中で迷っている

I get lost in a forest.

森の中で迷ってしまった

(比較)

The meeting was canceled.

会議は中止でした

The meeting got canceled.

会議が中止になった

I got fired.

クビにされた

The windows got broken.

窓が割られた

Our car got stolen last night.

私たちの車は昨夜盗まれた

get は否定的なことや望まないことによく使われます(Cambridge)

I got myself locked out the other day.

この間、締め出されたんだ

自分にも責任があるときに、myself を入れることがあります(Cambridge)

I needed to get dressed.

服を着る必要がありました

I’m going to get changed for the next scene.

次のシーンに向けて着替えます

get はこんな使い方もします

(get は状態には使わない)

She is liked by everybody.

彼女は誰からも好かれています

It was known as the Tsukiji market.

築地市場として知られていました

get は動作をイメージするので状態には使いません(GIU)

受け身の be動詞の代わりに get を使える状況は限られます

その他の受動態2:haveを使う(使役動詞)

使役動詞を使うと受け身の意味になります

SV sth done の形で使役動詞(have, get)を使うと受け身の意味になります

(比較)

She repaired the roof.

彼女は屋根を修理した

She had the roof repaired.

彼女は屋根を修理してもらった

誰かに頼んだときは have を使います

(比較)

①I had my hair cut.

髪を切ってもらった

②I’ve cut my hair.

私は自分の髪を切ったことがある

③I’d cut my hair.

私は自分の髪を切った

①は誰かに切ってもらっています
②③は完了形で、自分で切っています

Your hair looks nice. Did you have it cut?

きれいな髪。切ってもらったのかな?

(比較)

Did you make those curtains yourself?

あのカーテンは自分で作ったのですか?

Yes, I like making things.

はい、もの作りが好きなんです

Did you have those curtains made?

あのカーテンは作ってもらったのですか?

No, I made them myself.

いえ、自分で作ったんですよ

(get)

When are you going to get the roof repaired?

屋根の修理はいつになるのですか?

I think you should get your hair cut really short.

髪をすごく短く切ったほうがいいと思う

have の代わりに get でも同じ意味になります

その他の受動態3:仮の主語(it, there)を使う

実行者が重要でないときは、itやthereを使った客観的な表現をよく使います

(there)

There was known to be ice.

氷があることが知られていました

There was said to be every chance.

チャンスはいくらでもあると言われていた

So r there is given by x minus 1 plus xd.

したがって、r は x ー 1 + xd で与えられます

There were generous government subsidies given.

政府から手厚い補助金が支給されていた

There are believed to be billions of rogue planets in the Milky Way alone.

天の川銀河だけでも数十億の不正惑星が存在すると考えられています

調べた範囲では、there はこれらの例文のような学術的・技術的な内容がほとんどでした
この使い方を日常会話で使うことは少ないかもしれません

(it)

It is known that he was favorable to liberty.

彼は自由を支持していたことが知られています

It’s said that good leaders are good listeners.

良いリーダーは良い聞き手であると言われます

It is believed that they will die if they don’t.

そうしないと死んでしまうと信じられています

It is done that SV は次のように言い換えできます

(比較)

It is said that he is 108 years old.

彼は108歳だと言われています

He is said to be 108 years old.

彼は108歳だと言われています

(比較)

It is reported that two people were injured in the explosion.

爆発で2人が負傷したと報告されている

Two people are reported to have been injured in the explosion.

2人が爆発で負傷したと報告されている

これは事故の報告などのニュースでよく使われる表現です(GIU)

It was known at that time.

それは当時知られていました

It was known up to very recently.

それはごく最近まで知られていました

It was meant to happen.

こうなる運命だった

It must be being done now.

今やっているに違いない

It’s written all over your face.

顔に書いてあるよ

これらは英語らしい表現なので、慣れるしかなさそうです

受動態と能動態の関係

受動態と能動態の関係を見てみます

目的語を持つ動詞(他動詞)が受動態になります

受動態の主語は他動詞の目的語

(第3文型:SVO)(比較)

I finished my report.

私はレポートを書き上げました

My report was finished.

私のレポートができました

(比較)

They sell books at boosktores.

書店で本を売っている

Books are sold at boosktores.

本は書店で売られている

(比較)

Someone broke into their car and took their radio.

誰かが彼らの車に侵入し、ラジオを持ち去った

Their car was broken into and the radio was taken.

彼らの車が壊され、ラジオが盗まれた

(第5文型:SVOC)(比較)

They left the door open.

ドアを開けたままにした

The door was left open.

ドアが開けられていた

目的語が2つある他動詞の受動態

(第4文型:SVOO)(比較)

Somebody has offered me the job.

誰かから仕事の依頼があった

I‘ve been offered the job.

仕事の依頼を受けた

(比較)

We will give you plenty of time to decide.

決断する十分な時間を与えます

You will be given plenty of time to decide.

決断する十分な時間はあります

目的語を2つとる動詞の受動態はほとんど人が主語になります(GIU)

(比較)

My grandfather gave me this watsh.

祖父が私に時計をくれた

〇I was given this watch.

時計を貰った

△This watch was given to me.

時計は私に貰われた

日本語でも時計が主語の表現はあまり聞きません
文法的に正しければいいのではなく、相手が分かりやすい表現が好まれます

人以外が主語になる例も紹介します

(比較)

The music conductor will give you the notes.

指揮者があなたに楽譜を渡します

The notes will be given to you by the music conductor.

楽譜は指揮者があなたに渡してくれます

(比較)

The mother gave each child a present.

母親は子供たちにそれぞれプレゼントを贈った

Each child was given a present.

子供たちはそれぞれプレゼントを受け取った

A present was given to each child.

プレゼントは子供たち一人一人に贈られた

どちらの目的語も受動態にできます
どちらに重点を置くかで使い分けます

句動詞(群動詞)の受動態

句動詞の目的語も受動態にすることがあります

一般に自動詞は受動態にしません
でも前置詞を伴い句動詞として目的語を持つと受動態にすることがあります

I was spoken to by a foreigner.

外人に話しかけられた

The match has been called off.

試合は中止になった

He was looked up to by everyone.

彼は皆から尊敬されていました

Literally, it’s going to be done away with.

文字通り、廃止されることになります

I got made fun of for being me.

私は私であることをからかわれました

受動態と能動態の使い分け

英語での受動態と能動態の使い分けは、日本語の感覚と少し違うことがあります
間違えやすい状況を集めました

受動態になる表現

外部からの影響によるものは受け身です

I was born in Chicago.

シカゴで生まれました

Where were you born?

どこで生まれたの?

I was named after my grandmother Olivia.

私は祖母のオリビアにちなんで名付けられました

自分で生まれたのではなく母親が生んだので受け身です
「母親が生んだ」というあまりにも当たり前の話は、言うと返って不自然です
名前も自分で付けたのではなく誰かにつけてもらったので受け身です
過去形にするのもお忘れなく

I’m called Joe.

ジョーと呼ばれています

He was killed in the accident.

彼は事故で亡くなった

He was injured in the accident.

彼は事故でけがをした

The table is made in Japan.

テーブルは日本製です

The table is made of wood.

テーブルは木で作られています

The table is made from raw timber.

テーブルは生の木材から作られています

The top of Mt. Fuji is covered with snow.

富士山の頂上は雪で覆われています

The park was opened to the public in 2020.

公園は2020年に一般公開されました

日本人が間違いやすい次のものも受け身です

I’m so excited.

とてもワクワクしている

I’m exciting.(ワクワクさせる人です)と間違えたという話はよく聞きます
間違えると恥ずかしいですが、笑い話にできる有用な間違えでもあります

同じような表現はまだまだあります

I’m so bored.

とても退屈している

She’s shocked at the news.

彼女はその知らせにショックを受けた

I’m surprised to hear those words.

その言葉を聞いて驚きました

I’m interested in video like YouTube.

YouTubeなどの動画に興味があります

英語では人の感情は外部の影響によるものと考えていて受け身になります

He’s been hurt.

彼は怪我をしています

Please be seated.

着席してください

He was seated near the door.

ドア付近の席に座った

相手に影響を与える意味の他動詞を使うときは受け身にすることがあります
このパターンは個別に覚えるしかなさそうです

完了形のイメージの受動態

受動態と完了形は短縮形が同じになることがあり、どちらの意味にも解釈できることがあります

彼は行ってしまった
He is gone.
He has gone.
He’s gone.

参考

過去形(did)、受動態(be done)、完了形(have done)の違い

He went.  行った

過去の事実

He is gone. 行ってしまった

現在の状況

He has gone. 行ってしまっている

過去の出来事が現在まで続いている

・be done は受動態でなく、doneを形容詞と見なして現在の状態を表現していると考えることもできます

このように現在の状況を表現するのに受動態(be done)の形になるものがあります

I’m done talking.

話は終わりました

Are you finished.

お済みですか?

I’m lost for words.

言葉を失いました

I’m lost in a forest.

森の中で迷ってしまった

Are you married ?

結婚しているの?

She is married to he.

彼女は彼と結婚している

He and she got married.

彼と彼女は結婚した

be married は結婚している状態です
次のように能動態で結婚するとも言えます
I will marry Joe.(ジョーと結婚します)
結婚相手を伝えたいときはこちらが合います

受動態にしないもの

目的語を持たない動詞から受動態を作ることはできません

(自動詞)

She died.

彼女は亡くなった

The parcel arrived in the post this morning.

小包は今朝郵便で届いた

(第2文型:SVC)

I am a student.

私は学生です

My son became a doctor.

息子は医者になった

This seems like an easy choice.

簡単な選択のように思えます

状態を説明する動詞は普通は受動態にしません(Cambridge)

(その他)

This book sells well.

この本はよく売れている

This knife cuts well.

このナイフはよく切れる

The rule reads two different ways.

その規則は2通りに解釈できる

The bridge washed out during the storm.

嵐で橋が流されてしまった

日本語だと受け身のイメージですが、受動態にしないものもあります
主に他動詞で使っているもので、自動詞として受け身の意味で使えるものです
このあたりは慣れるしかなさそうです

おわりに

受動態は主に次の状況で使います

  • 誰がしたか知らない
  • 誰がしたか言いたくない
  • 動作に重点を置きたい
  • 何かをされる側を強調したい
  • 学術的・技術的な文脈にする
  • 出来事に焦点を当てる
  • 行為者を最後にして強調する
  • be動詞の代わりに get を使うと動作を強調できる
  • 使役動詞:have で受け身の意味にできる
  • 仮の主語(it, there)で客観的な表現にする

日本語で受け身のイメージでも、誰がしたかを言うときには受動態を使わないのが自然です
能動態で目的語になるものが受動態の主語になります
一般的に自動詞は受動態になりませんが、前置詞などを伴った句動詞は受動態になるものがあります

英語では動詞そのものに自動詞や他動詞の意味があります
そのため、日本語のイメージと違った使い方をするものがあります

日本人は英語の受動態を使いすぎると言われています
言いにくい受動態を必要以上に使わないようにしたいものです

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