データドリブンエコノミーとデータの世紀

データの世紀

データの世紀

  • 発売日: 2019/11/15
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

「データ・ドリブン・エコノミー デジタルがすべての企業・産業・社会を変革する」を読み、その後「データの世紀」を読んでみました。

データドリブンの方ではウェブ上のデータだけでなく、ウェアラブル端末やIoT機器からのリアルなデータも統合し、新たな価値を創造していくビジョンが描かれており明るい未来をメインとして書かれています。

ここではリアルデータはビッグデータやAIを使ったものではなくてもよく、特にプラットフォーマーになるべきとも書かれていません。 ビッグデータを集められない企業のエンジニアにとって、この視点は重要で非常に勉強になる内容でした。

ただ、やはり注目すべきトピックはビッグデータの方で、こちらが今後は主役になって行くことは世の中の流れから明らかです。 プラットフォーマーに対抗していく為には日本企業もプラットフォーマーに乗り遅れないようビッグデータとしてのリアルデータの活用を進めていくべきであり、進めていくことになると思います。


このようにすべてがデータ化された未来に待っているのは、「データの世紀」に書かれているような、企業によるプライバシーの侵害や、AIによる人のスコアリング、中国のような監視社会といった大きな課題になってきます。

エンジニアとしては日々目先の案件を遂行して行くだけで、優秀なエンジニアほど上記のような課題をより促進、複雑化することに加担することになって行きそうです。

そして優秀なエンジニアは高給取りとなり、資本主義の観点から格差社会を助長して行く集団になり得ます…(優秀でない私は心配ありませんが)

世界中で「データは21世紀のオイル」といった理解でどんどんデータを集め活用しようとしています。 便利な世の中になる反面、資本主義と同様に止まれもしないし、後戻りもできない暴走列車となる予感がします。

たまにはワクワクしない課題にも目を向けないといけませんね…