2021年4月13日火曜日

冷却塔制御説明/夏の機器対応復習



冷房準備のためCT清掃をしていて快晴な天気に気持ち
も晴々しました。これからの季節は電気主任は冷房設
備の制御についても意識しておかないといけません。
このCTは難解な制御はないのでどこの現場でも今日の
記事に近いと思います。ですが故障すると夏はかなり
ヤバイですからね。CTは清掃が完了、水張り、CDP運転
で電流が極端に少ない時はエアーが配管中にあります。
その場合はエアー抜きを行えばCDPは通常電流となり
冷却水がCTに循環します。運転中に冷却水循環量が
低下すると冷温水発生器は緊急停止になる、まず単独
モードにしてCDPの電流値を確認、エア混入かCDP異常
か調査、それは現場の人がする事です。ただSWを入れ
て記録を取るだけが運転管理ではありません。
電気
主任はそういう事を仲間に指導する立場です。

夏場は冷房関係を使うので専用動力変圧器の負荷電流
が上昇します。I0値も少し上昇します、でも30mA程度
ですから冷房時期のみI0が100mAも上がるなら何か悪
い機器います、絶縁測定で問題なしでもインバーター
電源ですとそれはわからない。夏場は今回の記事
以外の電源配給のI0変化も注意する事!外から脚立
を使えば私が見てる様にLBSとかも目視確認できます。
あ!撮影はピンピントレンズを使用してるのでカメ
ラを持ってないのに撮れています。片手に物を持ち
作業するのは危ないからね。

一度冷房TRが地絡した事がある、I0で電気室から辿り
屋上の動力盤に来れた、盤上引込でも異常確認、あれ
でもポンプじゃない、どういう事?見たら三相200Vか
ら分岐し単相200Vを取っている。その回路って冷却塔
の制御盤では?そんなのでなるのかと思ったけれど
ただ自動制御主幹MCBで測定したら30mAもある確定!
これが時には100mAもオーバーするのです。 こうい
自動制御盤主幹はまず1mA未満ですからね。動力の
地絡だから動力機器と過信は禁物の教訓を得ました。

更に回路内の原因も調べたら冷却塔の濃縮防止水の
装置でした。確かにあれ水に常に接してるからあり
えますね。ターミナルで言えば36-37の線で漏電!
濃縮ですから数日使用しなくても問題ない、この回
路のCPをOFFして地絡は解決、すぐ業者に状況報告
書を写真を付けてmailしました。翌日来られ一式
交換、経年劣化だそうです。100万円位したみたい。
この様な事もあるから電気主任は夏時期は夏回路
を今一度復習しておかないといけません。ターミ
ナル(外線接続)まで来れたら原因は判明した様な
物です。ここまでしてたら業者にも上から目線で
見られないです。


実はまだ100%装置とは言えない業者にA点の配線を
外してもらいCPを投入それで36-37のI0が0である
か、盤から冷却塔までの配線の劣化もありえる!
配線だけですから100Vメガでもいいです。
水がある屋外だから正常でも1MΩ程度でしょう。
ただAを接続したままメガをして0MΩ、と自慢げ
に業者に報告したら、うちの製品は衝撃電圧試験
は禁止なんですが、それで故障したのではと言わ
れたら面倒、取説をよく読むと確かに記載あり。
絶縁測定禁止という文言を使ってない点に戦略を
感じる。だからそこの測定は業者と私はしました。
電験三種を勉強した程度で業者と理論討論しても
大人と子供の喧嘩にしかなりません。

完全個別空調現場以外では必ずあるのが冷却塔です。どこの
現場でも暖房から冷房切替は完了してこれからは徐々に冷房
運転を開始されます。
かなり前にも取り上げた内容ですが復
習の意味でカスタマイズして記事に今回しました。上にある
モーターで冷却ファンを運転させて下から上に熱気を吸上げ
る事で循環水の一部を蒸発させる事で冷却させる。内部の補
給水は蒸発した水を補うための物で循環水の冷却とは関係し
てないので勘違いしないでくださいね!水の入と出の温度差
は5℃があれば正常に機能しています。逆に言えば入りが30
℃であれば25℃には冷やせますが20℃とかには絶対になりま
せん。これは冷凍機の冷却水の入と出の温度差が定格で5℃
となる様に設計されてるからで5℃には意味があるのです。

まず基本仕様はこうです。水を蒸発させる冷却塔ファン制御と
過冷却を防止するバイパス制御がこれの基本制御ですね。外気
3℃になってONというのは配管の中の水が凍結するのを防止す
るシステムだけど真冬は水を抜き冷却水ポンプ電源をOFFにす
るのでこの現場では実際機能させません。寒い地域で冷房運
転をするなら当然必要な機能です。こういう温度制御はTIC
制御、T(温度)、I(指示)、C(制御)と言います。CDPとは冷却
水ポンプ、TEWは温度検出、CWCはブロー装置の事で現場でよ
く言われる言葉です。バイパス弁はTEWで水の温度を検出し
てTICでバルブ開度を制御してるのがわかると思います。
冷却塔のファンも同じ様に別のTEWとTICで発停制御してる
のは見ての通りですね。圧力の制御ではPICという言い方を
しますが冷却塔は温度制御なのでPICは必要ありません。
ポンプ台数制御は当然PIC制御となるのは想像できるよね。

バイパス制御や冷却水ポンプとはこういう物です。CTで
冷却水を十分に冷やす必要がない時はバイパスが開放し
CTに入れる水量を制御する。逆に猛暑時期これが開いて
いては明らかに制御異常。これに不具合が発生すると夏
の熱源機器運転で能力が十分出せなくなります。CTは
入32℃、出37℃が管理基準
と言われますが実際この
温度状態になる前に2台目の熱源運転が必要です。
台数制御してるなら自動でなりますが、ない現場は
人が手動起動させます。私は中央監視モニターでは
CTの入出の水温度をその熱源負荷状態の目安として
いました。管理基準水温を超えると冷房熱源は著し
く能力低下
となるので様注意です。温度7.12.32
37℃と5℃差の5点はビル管理で働く方は暗記です。
熱源FULL運転ではCTの入出温度差は5℃以上の事!
5℃未満では熱源が能力を出せない。原因はバイ
パス故障、CT清掃不足、ファンベルト異常かな

上の温度センサーが32℃を超えると熱源は能力MAX
に近いという意味です。2台目の熱源を運転すれば
負荷が下がる事でこの温度は少し下がります。

設備管理してる人でもこういう事をわかってない人
が意外に多いのでよく研究しておきましょう。自動
化されてる現場でも何も知らないは自慢にならない。
自動化現場では熱源冷水流量を4-20の信号に変換し
温度と熱量計算、負荷%が表示されます。その%に
台数制御のタイミングを設定します。この設定が
設備員でできる現場はレベルが高いです。そうい
う事をする場合はシーケンスも含め総合理解が必要
でも面白いから私は好きですね。

★TIC6の制御
冷却水ポンプが起動すると接点Aが閉じてリレーPX5が
ONとなり、①のa接点が閉じる事でR24からのDC24Vが
11番端子にかかり10番端子から信号が出リレーOPX5がON。
するそのa接点が閉じて冷却水バイパス弁が開く。
逆に閉める場合は12番端子から信号が出てリレーCLX5が
ONとなりそのa接点が閉じて冷却水バイパス弁が閉まる。
電磁弁は全開か全閉しかないけどこれは電動弁のため
冷却水入温度を計測しながら9~7番でその情報を受ける。
その温度を見ながら適当なバルブ開度になる意味です。
13~15端子はこのバルブの実際開度を入力しています。

停止中はダンパーやバルブを全閉するのが原則ですから
冷却水ポンプの運転が停止すると②のリレーPX5のb接点
が閉じる事でリレーCLX5に電圧をかけて冷却水バイパス弁
を全閉にしてしまいます。

★TIC5の制御
冷却水出温度を計測しながら9~7番でその情報を受ける。
冷やす必要があるならまずリレーCFX5がONとなり1段目
の冷却塔ファンが運転してそれでも冷えないならば
リレーCFX6がONとなり2段目の冷却塔ファンを運転します。
点検調査する上で大切なので赤横線で引いた部分にある
番号でこれが盤の下とかにあるターミナル配線にマーク
してあります。

たとえば2段目の冷却塔ファンが運転しないならば番号
82と83の外部入力線を外して導通を測定します。
もし運転すべき温度条件なのに導通がなければリレー
CFX6の取替が必要な場合もあります。
又冷却水バイパス弁が開かない場合は90と92番間にて
DC24Vが出力されてるのか計測すれば故障がバルブ側か
その手前かもわかるでしょう。
とりあえず不具合が発生した場合は関係する番号の線に
緩みがないか増し締めCHECK
程度はしてください。
その程度は現場の電気担当技術者としてすべきです。

これは冷却塔内部の水の濃縮を防ぐ物で槽内の水が汚れて
電気伝導度が設定より上昇すると水を補給する物で冷却水
ブロー調節器
と言います。
これも冷却水ポンプと連動してるのでPX5接点が絡んで
いるのがわかります。
(冷房運転してない時は水の給水はしない仕組み)
PX5接点が閉じた状態で必要に応じてNO出力の信号で
給水バルブが開放し水が給水されます。

これがブロー調節器コントローラー本体です。通常この
設定変更操作はしませんが電磁弁の開閉動作を確認した
い時に変更し点検します。電磁弁に開出力が出てる時は
blowdownが点灯します。デジタル表示が電気伝導度を示
していてたとえば70で電磁弁開放で60で閉鎖ならこの50
の表示で給水されてるとしたら電磁弁本体の何かの異常
逆にblowdownが点灯してればコントローラーの故障。
これがコントローラーにより制御される現場の電磁弁です。
電磁弁は電動弁と異なり全開か全閉しかないので故障という
のはそう多くなく配管内の錆などが固着して給水が停止しな
い事はよくあります。上の操作で何回か電磁弁を強制的に開
閉させたら軽い異物なら取れて正常な状態になる事もあるの
で試します。ですから冷凍機というのは停止したら1回は
冷却塔の内部を確認しなければいけません。又昼間運転中
の巡回時に冷却塔内部の水が綺麗なのにブロー調節器から
給水されていたら"おかしい"と気がつかないといけません。

余談ですが冷却塔運転中はブロー調節器ではない通常の給水用
ボールタップから水が出てるのは正常です。(冷房負荷が下が
り冷凍機が自動停止してる場合に限りほとんど出てないケース
はありえます)現場を見た事がない人のために、運転中はこん
なにたくさん水が連続給水されるのです。もし運転中に給水用
ボールタップから水が出てないと槽内の水位が低下してCDP
(冷却水ポンプ)がまずキャビテーションを起こして振動するか
もしれませんね。同じ給水でもブロー調節器と給水用ボールタ
ップは目的が違うのです。


このタイプの温度コントローラーを使用してる現場が
多いと思うけど、PCで操作してる方は本体を触る事は
あまりないでしょう。displayボタンでFB表示させる
とそれで制御されてる現場のバルブ開度が見れます。
緑バーは制御出力%で冷房ならが設定SPが23℃で現
在温度PV25℃とかでこうなります。現場で温度変更
する現場ではPVとSP値が表示されてるモードで行い
ますがスマホを操作してる人ならキーを見たら想像
つきます。手動でも温度変更できる方がいいね。
夏冬切替は通常、冷房設備本体回路から信号をも
らいするのでこのコントローラーじゃないです。

中央監視PCからの夏冬切替信号でSWX1リレーが動作
冷房ではSWX1のa接点がONになる事でコントローラ
ーは冷房の温度制御を自動でするわけです。もし
SWX1リレーが故障して応急で冷房モードにするな
らコントローラーの裏の該当端子を短絡させ業者
来館を待てばいいのです。だから回路動作をせめ
て電気主任だけでも覚えておきましょう。仲間に
頼りにもされます。スキルは言葉じゃなく能力で
示せ!それが大人の対応です。

この場合は現地で夏・冬切替してるケースです。
CS-3接点がそれですね(赤)、青が冷温水バルブ
への出力、緑が温度センサーです。バルブが動
作しないそれの04-05間にAC24Vあるか?それの
TRがダメならAC24Vなら同じ盤に同一電源があ
ればそれを入れたら応急では動作させられる。
温度センサーがどこかで断線、コントロラー
の11~13のとこでジャンパーで短絡させたら
強制開放はできる、猛暑時期ではどうせ100%
開度だからそれで問題ない、その状態で業者
到着を待てば利用者に不便はかけません。
バイパスがあれば開けるのも手ですが普段
開閉操作しないバルブを開けると錆が出て
思わない不具合が発生するので私はそれは
したくないです。ENDのバルブならいいけど
中間にある何年も開閉してないバルブはな
るべく操作しない方がいいです。


200⇒24Vが故障したらの対応とはこうです。
これは前に私が担当してた現場であった故障。
昔記事で紹介しましたが自動制御コンバーター
が故障して制御不能、業者に電話したけど日曜
でしかも担当が県外!う~んどうしようかと試
案して隣の電源ユニットが同じだったのでそこ
から分岐させて電源を入れて対応した時です。
マグネット点数とかから必要電流を考えたら
過負荷にはならないと判断、と言うかこの時
も夏場冷房制御でしたからどうしても回路を
生かさないといけない状況でした。制御本体
が完全故障では本体交換以外策はなし、です
その入力となる電源や信号がなくて本体
が動作しないならまずなんとかなります。


電気主任に着任しすぐは無理ですが2年以内には空
調機、熱源のシーケンスはすべて理解してください。
自動制御がわかるとわからないでは電気担当として
心の余裕が全然違います。
何かあれば業者便りBLACK
BOX状態で扱ってる他の設備の方と電気主任は同じで
あってはいけません。着任にあたり感じる不安とは
ズバリ無知です。ですがそれは人間関係と違い自己
努力で簡単に改善できるのです。頑張ってね。

本でただ勉強してた時と違い実物の物があるので
現場研究は楽しめる、そうENJOY、勉強とかでは
ない、だから研究という言葉を私はブログでは
使っているんです。楽しんでお給料まで頂ける
のだから私はこのお仕事を気にいっています。
そこまで達すれば誰も貴方の意見を無視できな
い、先輩だからと意味ない命令もされなくなる。
オーナーからも"丸山さん相談があるのですか"
と頼られる、すべてが働き易くなる!楽しみ
ながらお仕事する私の方法をされてみては?

次回の記事はスターデルタ始動回路改造について。
たぶんありそうで誰も実用していない、今シーケ
ンスを紙の上で考えています。実際にパーツを使
用しての説明も挿入するのでぜひ次回も楽しんで。
Enjoy your time in my Website