スラムの片隅から世界を、、【YUMEKAKE/JOHN's diary】

国際協力活動のなかでのマジメな話からゆる~い話まで/海外から日本から

「こんな哀しい物語、、」 ~フィリピン・セブのスラムの片隅、新型コロナウィルスと貧困がもたらした、どうしようもなく哀しく、厳しい現実、、

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山奥の小さな村で、新型コロナウィルスの感染者が発生した。
近くに病院も薬局もないような山奥のスラム、、「ここで感染が拡がったら大変だ」と住民もわかっており、まだ早い段階(2月とか)から村の出入り口となる山道にゲートを設け、部外者の侵入を防いでいた。
また、許可がないと、村の外へ出られない。
村人が自主的にそのような警戒態勢を敷いていたのだが、この地で、とうとう感染者が。

このことは先日もブログに書いたのだが、その続きも含めて、改めて、、。

彼女は、妊娠しており、先日、早産のため、緊急で町の病院に行き、出産をした。
フィリピンの公立の産婦人科は、一般的には、出産後、数時間くらいで、子どもと一緒に退院する。
廊下にまでベッドが並ぶ過剰な患者数と、なにより貧困層にはいつまでも入院してるお金がない。
しかし彼女は、家も遠いし(山の中だし)、帰るのが困難な時間でもあり、一晩病院に入院した。

早産児ということもあり、赤ちゃんには充分なケアが必要だった。
決して健康体ではないが、しかしその子は、貧困な家庭に、それでも、新たな幸せと笑顔をもたらした、まぎれもなく天使だった。

しかし、母親の様態が思わしくない。産後ということもあり、念のため、病院に行った。

コロナだった。

患者であふれる病院での院内感染だと思われる。

だが、フィリピンでの新型コロナウィルスの治療には莫大なお金がかかる。
既に医療崩壊も起きている。

とりあえず、自身で病院に行けるくらいの体調でもあったし、自宅療養ということになった。

もちろん、家は封鎖され、家族が一歩も外へは出られない。

村もより厳しく封鎖された。

食事や薬は近所の人たちが届けた。

ただ、コロナで隔離され、療養する母親と、早産で未熟児の赤ちゃん、そして父親、、

その生活な容易なものではなかった。

そして、、、

赤ちゃんの容態が急変した。

父親がなんとか許可をもらって病院へ連れていった。

もちろん母親は付いていけない。

数時間後、子どもは天に召された。

夫婦のもとに舞い降りた天使は、ほんの数日で、また天に還っていった、、、

それは、コロナと貧困がもたらした、ひとつの哀しい現実だった。

今、どこにでもあるような話かもしれないけど、

あまりに、哀しい現実だった、、、

父親が、隔離状態に戻った中、facebookに投稿した。

、、、

「 午後11時36分、あなたは突然去った。

辛いけど、私はどうすればいいかわからない。

愛してる。

あなたのためなら何でもできるよ。

でも、ボクはもうこの手で、あなたに何もしてあげられない。


大好きだよ、息子よ。

安らかに眠ってね。

私たちのもとに、あなたはたくさんの笑顔を持って来てくれた。

ほんの少しの時間だったけど、でも本当にありがとう、、、」

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自分は、国際協力NGO「HOPE~ハロハロオアシス」の代表を務めています。(詳しくは下記「自己紹介・NGO連絡先」リンクをご参照お願い致します。)
あ。「YUMEKAKE」というのは、NGOの活動のプロジェクト名(YUMEKAKE PROJECT)です。世界の子どもたちの、笑顔と希望と夢の架け橋になりたい、という意味です。

このブログでは、国際協力活動を通しての視点で、海外また国内の、様々な問題や出来事、スラムや難民キャンプの人々の生活、NGOの活動の様子等を、時に真面目に、深く、時にゆるく、書いていきたいと思います。 そして少しでも、皆さまに、世界の様々な現実を知ってもらえるきっかけを届けたいと思っています。

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