皆さん、こんにちは。^^
「1年振りぐらい?お久しぶりのお客様が演奏会用のドレスをクリーニングに出して頂きました!」
お客様は閉店後に来られたんですけど、お得意様は店が閉まっていてもインターホンで呼ぶと出て来るスタイルになってます。笑
【どんなお客様が来られたの?】
地元を拠点にしている交響楽団に所属されている女性の方で、以前はうちの近所にお住まいでした。
神戸の方へ引っ越しをされてからも、仕事の拠点や練習場がこちらなのでたまにクリーニングを出して頂いてました。
◎演奏会用のドレスをクリーニングに出して頂きました!
演奏会の時に着る用のドレスで、綺麗なブルーのフルレングス、全面スパンコール等の装飾満載!クリーニング屋泣かせのお洋服です。笑
洗濯表示には、ドライクリーニング指定と、素材が表示されていたので助かりました。
ドレスや特殊な洋服、オーダーの製品の場合は、品質表示がなかったりする事もあるので洗濯方法に悩みます。
➡今回の最大のポイントはスパンコールの全面装飾!かなりの強敵!
素材は化繊メインである程度のクリーニング対する耐久性は望めそうですが・・
このスパンコール装飾を痛めたり、解けたりしないように細心の注意が必要です。
- 裏返してネットに入れて、一番弱いデリケート洗いをする。
- 脱液(脱水)する際も無理な力がかからないように、ほんの短い時間。
- 乾燥も生地や装飾が傷まないよう、乾燥機を使わずに何日もかけて風をあてて自然乾燥。
- 受付~洗い~仕上がり~包装➡納品まで取り扱いには終始気を付ける!
今までに、20年ほどクリーニング屋をしてますが、ドレスの類が一番緊張しますね。
通常の衣類と違って、クリーニングする!事に重きを置いて製造されてない事が多いです。
以前にはウエディングドレスや、韓国のチマチョゴリ等もクリーニングさせて頂いたこともあります。
まぁいろいろ大変なんです!!笑
もちろん取り扱いや技術的にも難しいので、料金もそれなりに高くなりますが・・
あんまり出ない方が嬉しいかな?と言うのが本音です。(プロ失格?)笑
今回のドレスはお急ぎでないので、洗うのは来週以降の天気の良い日にしようと思います。
広告
【お客様の話・・】
ちょうど1年程に、このお客様が来られたときには、本格的にコロナ禍が始った頃で世の中も対策が手探り状態。
マスクがない!アルコールがない!今となっては懐かしいあの頃ですね。
しかもお客様の演奏の仕事は、あっと言う間に数か月先まで全部キャンセルなり、「仕事が無い。。」と困っていました。
演奏会のチラシをうちの店の扉に掲示してたんですが、そのイベントは開催されることは無く、チラシの回収に来られました。
◎厳しい音楽の世界・・
自分は音楽の業界?そういう世界には全く詳しくないので知らない事だらけです。
けれど、そのお客様からいつも演奏で食べて行く事は本当に大変で難しいと聞いていました。
そしてドレスをクリーニングに出して頂いたので、本格的に仕事も戻ってきてるのかと思いました。
でも違いました、お客様は演奏の仕事を辞めて現在介護関連の資格を取得中とのことでした。
クリーニングに出して頂いたドレスは、今後も演奏活動を続けるご友人へ差し上げる為のクリーニングでした。
生活に困るほど日々大変だと言うのに、決して料金が安くないうちの店にわざわざクリーニングに持って来て頂いて何とも言えない気持ちになりました。
「昔から信頼してるこの店なら、この大切ドレスをお願いして大丈夫だから。」泣
そうおっしゃて頂き、細々とでもクリーニング屋を続けてて良かったなと思いました。
広告
◎さらに悲しいお知らせが・・
そのお客様のお父様が亡くなられたと聞きました。
コロナ禍の為、気軽に会いにいける事もできない状態がずっと続いていました。
それに、こんな大変な時期だし年齢の事もあって外出しないようにとお父様に言ってあったそうです。
そしてお父様は、1人で亡くなられていたそうです。
細かい原因までは伺ってませんが、「父は孤独死しました。」と聞いた時に孤独死と言う残酷で淡々とした言葉が耳に残りました。
コロナ禍が収まったら、同居する予定だったそうです。
家族が一緒居れる幸せは、離れてみないと解りませんね・・。
ニュースにならない、小さな悲しい現実が今の日本中で起きてるんでしょうか?そんな事を思いました。
【あとがき】
3月末頃~4月末頃までは、例年ならとっくに衣替えの繁忙期に突入しています。
でも今年は、いつまで経っても忙しくなりません。
- 時期の割には寒い日が続いてるいるからか?
- 長引くコロナ禍で、お出かけ用の冬物コート類をあまり着てないからか?
- 経済的に厳しくなってきて、クリーニング代を節約しているのか?
原因は解りません。。
けれど昨日のように、うちの店を頼りにして来て頂けるお客様で居てくれる事でモチベーションが維持できています。
以前にも書きましたが、長年の介護が終わって落ちついた今、
欲しい物が何もありません。
- 無気力や諦めからくるものではなくて、全部足りてます。
- 家・車・服・趣味の物・人間関係、どれももう要りません。
なんでしょうねこの感じ?
無駄な物・欲がなくなると、こんなに毎日の暮らしが身軽で楽チンなのかと驚きます。
もちろん、家賃や最低限の衣食住にお金は必要です。
人間関係も、今繋がってる人達で十分過ぎるぐらいです。
その気持ちがあるからか、売り上げ下がって経営が厳しくなった現状でも
「大丈夫、きっとこれから上手くいく、良い方向に進む。」
と自然と思えてくるのかもしれません。
- お金があっても幸せとは限らない
- お金がなくても幸せと感じれる
世間的によくいわれますね。
今の自分はただ幸せだと思います、それは長い介護生活が終わったからこそ、普通の日常が幸せ(最強)と感じれてるからかな?と思います。
「人は辛く苦しい経験をした人ほど成長できる。」これは本当でした。
皆さんも、日々いろいろな事があると思いますが、今日一日を大切に!
?