くり
里山では秋になると2種類の栗の実が落ちる。1つは自生している原生種(いわゆる「ヤマグリ」)で、もう1つは人為的に植えられた栽培種だ。栗は実をつけるようになるまでの年月が比較的短く(桃栗3年、柿8年、ビワは10年以上)、田舎暮らしを始める人に好んで植えられるが、そのうち住む人がいなくなり放置され、誰も拾わない実を猪鹿などの害獣が食べに寄ってくるという好ましくない結果に至りがちである。
我が地においては昨年まで前者のヤマグリが実を落としていたが、台風で栗の木が幹から折れてしまった。ところが入れ替わるように、今年から栽培種が実るようになった。元のオーナーが植えたものだ。写真はその栽培種。詳しい品種はわからないが、ヤマグリに比べ大粒になるのが特徴。ただ、栗の実にはゾウムシの一種が好んで産卵し、実が地に落ちると内部で育った幼虫が写真のように穴を空け出て、地中に移動する。運悪くその仮住まいとなった実はその後人間が食べるには適さない(廃棄)。
集めた実はおよそ日持ちがしないので(すぐ傷む)、圧力鍋で蒸すかフライパンで炒るなどして早めに調理する。調理後は割り、スプーンで中をほじくり出して食べる。ホクホクして甘く美味しいが、さほどスイーツ狂でない私は、栽培種の大栗でもだんだんこの作業が面倒くさくなってくる。小さいヤマグリは尚更だ。そんなこともあって、季節物として毎年せいぜい1~2回調理して食べるのがいいところ。これが生のまま食べられるトマトだったらどんなにいいかと思ってしまう私は不精者だろうか?(笑)イガの棘も刺さるとヒリヒリ痛いので片づけるのが大変なのよね(放っても置けないしね)。