病気と生活

「私の胸にもしこりがある…がんを患った親をもつ子どもたちの悲痛な心」Yahoo!ニュースより

3年ほど前から文部化科学省で、学校での「がん教育」が推進されており、全国の小・中・高等学校で保健体育の授業の中で行われたり、外部講師を招いたりして行われているようです。

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がんを正しく知り、健康と命の大切さに気づくために、がん体験者が体験談やメッセージを話したり、子どもの側から発言があったりもします。

集会の様子

かっちゃんさんによる写真ACからの写真

その中で、保護者、実施者側の視点での感想がこのニュース記事に書かれています。

まずはタイトルにも書かれている小学生の娘の不安です。

「娘は、私が乳がんになったから、きっと自分もがんになると思い込んでいたのでした。私の乳がんが娘をこんなに傷つけていたことに、そのとき初めて気づきました」

『私の胸にもしこりがある…がんを患った親をもつ子どもたちの悲痛な心』Yahoo!ニュース・ライフ 1/22(水)掲載分より
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20200122-00069937-gendaibiz-life&p=1

また、別の高校生の方のケースです。

私が乳がんの闘病中、高校生だった息子さんは、しばらくしてうつになり、不登校に。母親ががんの治療で苦しんでいる姿を見て、思春期の彼は「自分は周りの友達とは違う存在になった…」と疎外感をもったと言います。

同Yahoo!ニュース・ライフ記事内

この2例は癌の保護者の子供が、自身の癌で子供を傷つけていたことに改めて気づかされたということ。癌の当事者だけでなく、家族の、特に子供のケアの必要性を認識することが出来ます。

私は、自身が乳がんであったことは子供に言わずに育てました。もう癌が過ぎ去った高校生の時に初めてお話しておきました。今後、子供が一人で病院へ行くこともあろうかと、初診の問診票に「家族歴」というところに書く必要があるためです。

とくに子供は驚いた様子でもなく、「昔の話」として受けとめたようなので、うちの子供にとっては「癌」は身近なことではありません。できればこのがん教育をとおして経験してほしいと思っています。

私は出産と同時にがん告知され、治療中は子供がもの心がついていなかったため、子供を精神的に傷つけるのを避けることが出来ました。

新生児の世話があるため、抗がん剤の為に入院が出来ず、通院で抗がん剤、その後家で苦しみのたうちまわりながら危険な子育てをしました。そのことと、子供を精神的に傷つけることを避けたこと、それはどちらがよかったとはいえませんが、危険な子育てでも偶然無事に育ったことが結果オーライだったということにしています。

当時は今のように支援も情報も乏しく、選択肢がなかったので、ほんとうに、結果オーライ。もちろん、協力してくれた家族と親族あっての結果オーライということにはなります。

そして、もし、私が小学生で、自身の親ががん患者で自身も苦しんでいる時なら、みんなと同じ場所で同じようにこのがん教育を受けるのに抵抗があるように思いました。もっとも、中年の私が小学生だったら~なんて無理がある想定なのですが。

がん患者のおうちはこんなに大変なんだね。と初めて知る大半の同年代の子供たち。そして、自分の親が癌だと周りに知られていないとしても、がん患者、その家族に、感動、同情されたりすることに、また違った傷つき方をしなければいいと思う懸念はあります。

と私が子供の立場だったなら~と思うことはあるにしろ、この取り組みは、伝える側、受け取る側の双方に恩恵が出ているようです。

この取り組みの中で、子どもが親へがん検診を勧めるようになり、実際に受診率は上がったようです。そして、それが就労問題がん治療と仕事が両立できる社会を目指すことにつながっていくことが期待されています。

                      

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