ケモブレインで危険な子育て
私は乳がん術後の抗がん剤が一通り終了したころ、なんだか「ケモブレイン」かも？と自分を疑ったことがあります。それは日によっても違いがあり、ケモブレインなのかどうなのかはわからずじまい、医師にも相談したことはありません。
私が抗がん剤治療をした２００２年当時はあまり使われていない単語で、「ケモブレイン」を知らず、随分あとになってから、あれはケモブレインだったかも？と思うことが多々あります。
「ケモブレイン」とは？コチラに私とよく似た症状の方がいらっしゃいました。
MILLIONS LIFE 2017年11月22日 掲載分
抗がん剤の副作用。記憶力・理解力低下、言葉が出ない「ケモブレイン」 ～Q&Aより～https://millionslife.jp/qa_vol7/
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一番ひどい物忘れは子供を置き去りにしたこと
あれは息子が４歳くらいの時だったと思います。最後の標準治療の「経口抗がん剤」を終えた頃でした。仕事を終え、子供を保育園に迎えに行き、そのままショッピングモールに寄りました。
息子がトイレに行きたいというので、女子トイレの中の男児用小便器に連れて行こうとしたら、一人で男子トイレに行きたいと言いました。
いつも主人と息子は男子トイレに一緒に行っているので、息子にとっては慣れたショッピングモールのトイレです。私は息子を尊重してを一人で行かせました。
私は手が汚れていたので、一瞬女子トイレの手洗いでさっと手を洗って、すぐに出て男子トイレの前で息子を待つつもりでした。その一瞬のすきに息子と一緒に来ていたことを忘れてしまったのです。
私は息子を置いて店を出て、一人で家に向かって歩いていました。
途中でハッと気が付き、猛ダッシュでトイレに戻りました。その間約１０分以上は経っていたと思います。
息子は、泣きそうな顔でぽつんと立っていて、女子トイレから出てくる人を見つめていました。
そもそも、一瞬とはいえ、トイレの出口から目を離すべきではなく、もっと言うと、まだ4歳の息子一人でトイレに行かせるべきではなかったのです。
こんな危険な状況では病院にいったほうがいいのか、息子の世話を一人でしてはいけないのか、悩みました。ですが、当時は相談するところも情報もなにもなかったのです。
これがＭＡＸな物忘れでした。あとは、約束をしていたのを忘れたとか、財布を忘れたとか、あの人の名前が思い出せないとか、普通の人がよく経験する物忘れをかなりやっていました。
物忘れは次第に老化の物忘れと紛れる
現在、３０代の時の物忘れがよくなったのかと言われれば、物忘れの度合い的には変わらないと思います。ですが、今４０代半ばを過ぎましたが、２０代と同じ記憶力の人って、そうはいないですよね？
やっと周りの同年代の人が自分に追い付いてきたという感じです。
癌治療後、ものすご～く、新しい仕事を覚えることが、辛かったです。それなのに、転職が多い人生。でもそれがいい刺激になって、脳の状態はこれでもマシだったのかもしれません。
ケモブレインかどうかはわからない
医師に相談もしていませんし、相談したところで特効薬がありません。トレーニング法はあったかもしれませんが、ケモブレインを知らなかったので、今更あとのまつりです。
それに、「ケモブレイン」だったかどうかは本当のところわかりません。
当時、それ以外に物忘れの原因になったことは、睡眠不足、疲労が考えられます。その日の睡眠不足、疲れだけではなく、癌治療と仕事と子育て両立の蓄積された疲労も大きかったと思います。
抗がん剤をした私、と、抗がん剤をしなかった私、を両方同時に比べることが出来ないので、結果を出すことはできません。
ですが、物忘れＭＡＸだった時の30代と、現在の40代の私の物忘れの原因を円グラフで作ってみました。すべて私の主観、憶測で作っています。
40代、「ケモブレイン」の要素を少し残しています。それは、私の頭が悪いのは、癌のせいだと、自分を少し正当化したい甘えもあり、正当化したら抗がん剤に失礼だとも思う微妙なところです。