イギリスで、従来のタバコを電子タバコに切り替えると心臓に良いという研究結果

喫煙者は、電子タバコへへ切り替えることで、数週間で心臓の健康状態を改善できるという実験結果が発表された。この種の実験では過去最大規模で実施されたものだ。

114人の喫煙者を対象とした1か月間の研究では、電子タバコは心臓発作と脳卒中のリスクを軽減する可能性があることが示唆されている。

この実験を実施したダンディー大学(イギリス・スコットランド)の研究チームは、電子タバコはタバコほど有害では無いが「電子タバコも安全ではない」ということを再度強調している。

イギリス心臓財団(The British Heart Foundation )は、喫煙自体を止めることが心臓にとって最善のことだと発信している。

タバコに含まれる化学物質は、脂肪沈着物で覆われているため動脈が狭くなり、致命的な閉塞のリスクが高まる。最終的に喫煙は、心臓発作のリスクを倍にする。

研究者の間では、電子タバコに関するこれまでの実験結果は「非常に貧弱だ」と言われていた。そこで、今回の実験では、電子タバコに切り替えてから1か月後に人々の血管を観察した。

具体的には、血液の波が押し寄せるときに血管がどのように拡大するかに注目した。血管が拡張するほど、より健康に良い。拡張の度合いは、心臓発作および脳卒中の長期リスクと密接に関連している。

Journal of the American College of Cardiologyに掲載された結果は、次のような血管拡張のスコアだった。

  • 健康な非喫煙者のスコアは7.7%
  • 喫煙者のスコアは5.5%
  • 1か月間ニコチン電子タバコに切り替えた人のスコアは6.7%

結果として、電子タバコに切り替えると、喫煙者のスコアは健康的にほぼ戻った。

「元々正常では無かった血管機能が1か月以内に非常に大幅に改善された」と研究者の1人であるジェイコブジョージ教授は言う。

この研究の期間は短すぎて、この改善を長期的に維持できるかどうか、または、電子タバコが間違いなく命を救うかどうかを完全には分かっていない。また、電子タバコの使用者のスコアが非喫煙者には及ばなったことにも注意が必要だ。

ジョージ教授は次のように付け加えた。「重要なポイントは、電子タバコは完全に安全ではなく、非喫煙者や子供が試してはならないことだ。ただ、たばこよりも有害性が低いという明確な証拠は出た。」

今週、イギリスの10代の少年が電子タバコで死の危険に陥ったとBBCが報道した時に、電子タバコの潜在的な危険性が強調された。電子タバコは彼の肺に壊滅的な免疫反応を引き起こし、彼は人工肺に置き換えることで生命維持をはかった。

しかし、イギリスでのメッセージは全般的に、電子タバコは従来のタバコよりも95%安全で、喫煙者は切り替えるべきだし、非喫煙者は電子タバコを使用すべきではないというものだ。

イギリス心臓財団は、喫煙により引き起こされる心臓の問題の結果として、毎日50人が死亡すると述べている。

ノッティンガム大学の英国タバコおよびアルコール研究センターの所長であるジョン・ブリットン教授は、次のように見解を示した。

「今回の研究結果は、従来のタバコから電子タバコに切り替えた人の心血管疾患リスク・マーカーが減少したという明確な証拠を示した。電子タバコが喫煙よりも害が少ないという研究結果は、タバコの煙に比べて蒸気中に存在することが知られている排出量の範囲とレベルが低いという理由で直観的に正しい。」

参考:BBC

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