住宅ローンの一括返済とは、全額繰り上げ返済とも言います。

 
つまり、金融機関から借りている住宅ローンの借入金を一度で完済するという意味です。
 
繰り上げ返済は、借入金の一部を返すことを言いますが、一括返済は全額返済する場合のことを指します。
 
借入金には利息が付いていますから、元金を全額返してしまえば、今後支払わなくてはならない利息分を払わずに済むというメリットがあります。
 
ただ、住宅ローンの一括返済には何千万円という大きなお金を返すことになりますから、その後の人生設計をよくよく考えてから行うようにしましょう。

住宅ローン 一括返済 繰り上げ返済をする時期

繰り上げ返済は原則いつでも出来ますが、ここで思い出してもらいたいのが、「住宅ローン減税」です。
 
家を買って住宅ローンを借り入れた場合、10年間に亘って最大400万円までの控除を受けることが出来ることになっています。
 
ですから、この10年の間に一括返済はもちろん、繰り上げ返済もしない方が得と言えます。
 
但し、「一括返済をした場合に払わなくて済む利息額」と、「一括返済をした場合に軽減される利息額」を比較する必要があります。
 
住宅ローン減税は1%です。
 
もし、あなたの借りている住宅ローンの金利が1%未満であるなら、金利と住宅ローン減税の1%の差額を計算し、10年の間は返済した方が得か、返済しない方が得かを考えることが大切です。
 
殆どの場合、借りてから10年間は控除を受けた方が得です。

住宅ローン 一括返済の方法

一括返済をするには、まず住宅ローンを借りている金融機関にその旨を話し、手続きの方法を聞きます。
この時、手数料が必ず掛かることも覚えておいて下さい。
 
手数料は金融機関に依って異なりますが、1~3万円は見ておいて下さい。
 
また、金融機関の他に、住宅ローンが無くなったことで、家はあなたの物となったので、抵当権の抹消が必要となります。
 
住宅ローンで買った家は、借主が返せなくなった時の為に金融機関の担保になっています。
それを抹消しなくては、本当の意味であなたの物とはなりません。
 
抵当権の抹消は、住宅ローンを利用している金融機関から必要書類を受け取り、自分で法務局で手続きを行います。
また、司法書士に頼むことも出来ます。

住宅ローン 一括返済のデメリット

住宅ローンを退職金で完済する方も多いですが、この場合、退職金全部をローン返済に充てては、老後の生活が心配ですね。
 
借金が減り、利息を払わなくて良くなるのは、気持ち的にもすっきりしますが、老後の生活資金の方が大切です。
 
ですから、住宅ローンを一括返済する場合は、その前に残りの人生の生活設計をしっかり立てることが何より大事となります。
 
借金を総て無くしたいのは誰でもそう願うでしょうが、年金も年々当てにならなくなっています。
 
手元に現金を残しておくことも考えましょう。