さくらのVPSに初心者がプロキシサーバーを立ててみた。
第一弾のServersMan@VPS、第二弾のConoHa VPSに続いて今回はさくらのVPSにプロキシサーバーを立ててみました。
さくらのVPSの登録・契約方法とプロキシサーバーを立てる手順を纏めましたので最後までご覧頂けると嬉しいです。
さくらのVPSとは?
まず、さくらのVPSには7つのプランが用意されているようです。
項目 | 512MB | 1G | 2G | 4G | 8G | 16GB | 32GB |
---|---|---|---|---|---|---|---|
初期費用 | 0円 | ||||||
月額料金 | 585円 | 800円 | 1580円 | 3200円 | 6400円 | 12000円 | 24000円 |
メモリ | 512MB | 1GB | 2GB | 4GB | 8GB | 16GB | 32GB |
ディスク容量 | 25GB | 50GB | 100GB | 200GB | 400GB | 800GB | 1600GB |
今回もプロキシサーバーを立てるだけなので一番安い512MBプランにしました。
さくらのVPSはつい最近まで初期費用が必要でしたが、現在は無料になったので利用し易くなりました。
以前からさくらのレンタルサーバは利用させて頂いているのですが、サーバーダウンも見た事がありませんしとても快適に利用させて貰っています。(ただ、サブドメインの追加が面倒臭い・・)
さくらのVPSの契約方法
それではさくらのVPSの契約方法を説明していきます。
下記のリンクボタンからさくらのVPS公式ページを開きます。
さくらのVPS公式ページを開いたらお申込みをクリックして下さい。
次のページでプランを選択します。
プランの選択
ゾーン選択 | 石狩、東京、大阪の中から好きなゾーン(リージョン)を選んで下さい。 |
---|---|
プラン選択 | プランを選択しますが、プロキシサーバーを立てるだけなら512MBプランで十分です。 |
ストレージ変更オプション | プロキシサーバーを立てるだけなら変更の必要はありませんのでそのままでOKです。 |
台数 | 1台で良ければそのままでOKです。 |
カートに入れる | 全ての選択を終えたらカートに入れるをクリックします。 |
次の画面で選択した内容を確認し、間違いがなければお支払い情報の入力をクリックします。
お支払情報の入力をクリックすると下の画面になるので、新規で登録する場合は新規会員登録へ進むを選択、さくらインターネット会員の場合はログイン画面へ進むを選択して下さい。
新規でさくらインターネット会員に登録する場合は指示に従って契約作業を進めて下さい。
サーバーの起動とOSの選択
ここからは会員登録とVPSの契約が完了した事を前提で説明していきます。
VPSの契約が完了すると登録したメールアドレスに仮登録完了のお知らせのタイトルでメールが届いていると思うので開き、サーバ情報にあるURLを開いて下さい。
続いて下の画面が開くのでログインをクリックします。
ログイン画面が開くので会員ID(メールに記載)と登録時に自分で設定したパスワードを入力してログインを行なって下さい。
ログインするとこのような画面が開くと思うので、四角で囲った個所をクリックして下さい。
次の画面で起動ボタンをクリックします。
これでサーバーが起動しましたが、さくらのVPSの初期OSはCentOS7になっています。
このあとUbuntuとCentOS、2つのOSのプロキシサーバーの立て方を説明していきますので、OSの変更方法も説明しておきます。
先程起動したページ内に各種設定というボタンがあるのでクリックし、OSインストールを選択します。
OSの選択やパスワードの設定を行ないます。
OSインストール形式の選択 | 標準OSのままでOKです。 |
---|---|
標準OSインストール | CentOS7かUbuntu18.04を選択して下さい。 |
スタートアップスクリプト | 必要ないのでそのままでOKです。 |
パケットフィルタ |
”+任意の開放ポート設定を追加する”をクリックし、「TCP」のまま横のボックスに”3128”を入力します。 |
設定内容を確認する | 全て終わったら設定内容を確認するをクリックし、現れた画面の”インストールを実行する”をクリックします。 |
これでプロキシサーバーを立てる準備が整いましたので、これからプロキシサーバーの立て方を説明していきます。
さくらのVPSでプロキシサーバーを立てる
今回もTera Termを使って作業を行なっていきます。
ダウンロード・インストールが終わるとデスクトップ上にTera Termのアイコンが現れるので起動します。
起動すると上記画像の画面になります。
入力が必要なのはホストだけ。
ホストには割り当てられたIPアドレスを入力します。(IPアドレスはコントロールパネルからも確認できますし、メールにも記載されています)
IPアドレスを入力したらOKをクリックします。
OKをクリックすると下記画面が現れます。
ここで入力が必要なのは2箇所、ユーザ名とパスフレーズ。(パスフレーズはOSインストール時に設定したもの)
さくらのVPSでは、ユーザ名が使用するOSによって変わります。
Ubuntuの場合は"ubuntu"
CentOSの場合は"root"
入力したらOKをクリックして下さい。
ここからは選択したOSによって方法が変わりますので別々に説明します。
CentOSを選択した場合
ログインするとこのような画面になります。
まずこの画面でsquidというものをインストールします。
yum -y install squid
このコマンドをコピーして右クリックで貼り付け→Enterでインストールが開始されます。
数秒でインストールが完了します。(終わるとComplete!と表示されます。)
次に下記をコピーして右クリック→Enterを押します。
vi /etc/squid/squid.conf
すると下記の画面になります。
この画面内に必要情報を追記していきますが、初めての方は編集の仕方が分からないと思います。
ただクリックしてキーボード叩いたりコピペは出来ないんです。
編集するには入力モードっていうのにしないといけないので、キーボードの「i」を押します。
「i」を押すと画面一番下に-- INSERT --って表示されると思います。
これで追記(編集)出来るようになりました。
何を追記するのかというとネットで調べると人によって違うのでどれが本当の正解なのかイマイチ分かりませんが私の場合は下記を追記する事で上手くいきました。
acl testacl src 00.00.00.000/32
http_access allow testacl
forwarded_for off
request_header_access X-Forwarded-For deny all
request_header_access Via deny all
request_header_access Cache-Control deny all
acl testacl src 00.00.00.000/32の00.00.00.000は自分のIPアドレスを入力して下さい。
これは、特定のIPアドレスからだけ受け付ける設定のようです。
複数のIPアドレスからアクセスする場合はその分だけ必要という事ですね。
これをどこに追記するのかですが、私の場合は一番上に追記しました。
キーボードの「i」をクリックで編集モードにして、エンター2〜3回押してスペースを作り、そこにペーストでOKです。
更に画面下の方にいくとhttp_port 3128とありますが、OS起動時に3128以外のポート番号を設定された方はその番号に書き換えて下さい。
追記(コピペ)とポート番号の変更が終わったらキーボードのEscを押して入力モードを終了させます。
そして追加した情報を保存する為に「:wq」をコピペしてEnterを押します。(画面のどこでも良いので右クリックすれば最下部に「:wq」が入力されます)
次に下記のコマンドを入力・エンターでsquidを起動させます。
systemctl start squid
これで完了となります。
あとはパソコン側にプロキシの設定をしてあげれば完了です。
Windows10のプロキシ設定方法はこちらで説明しているので分からない方は参考にして下さい。
Ubuntuを選択した場合
ログインするとこのような画面になります。
まずこの画面で下のコマンドをコピー→右クリックで貼り付け→エンターでrootユーザに切り替えます。(パスワードを聞かれるのでOSインストール時に設定したパスワードを入力)
sudo su
root@〜:/home/ubuntu#という表示に変わったと思います。
次にsquidというものをインストールします。
下のコマンドを一行ずつ先ほどと同じようにコピー→右クリックで貼り付け→エンターで実行します。
apt-get update
apt install squid
2行目の途中で「Do you want to continue? [Y/n]」と出てくるので、キーボードの「Y」を押してエンターです。
続いて下のコマンドを同様に実行します。
touch ~/.vimrc
vi ~/.vimrc
2行目を実行したらキーボードの「i」を押して編集モードにします。
編集モードにすると下部に”-- INSERT --”と表示されるので、そうしたら下記をコピペして下さい。(2つまとめてコピペしてOKです)
set nocompatible
set backspace=indent,eol,start
コピペしたらキーボードの「Esc」を押して編集モードを終了し、キーボードで「:wq」と打ち込んでエンターを押します。
エンターを押すと元の画面に戻るので次のコマンドを実行します。
vi /etc/squid/squid.conf
このコマンドを実行したら先程と同じようにキーボードの「i」を押して編集モードにします。
編集モードにしたら、エンターキーを2〜3回押してスペースを作りキーボードの「↑」で上まで戻り下記をコピペして下さい。
acl testacl src 00.00.00.000/32
http_access allow localnet
http_port 3128
acl testacl src 00.00.00.000/32の00.00.00.000は自分のIPアドレスを入力して下さい。
これは、特定のIPアドレスからだけ受け付ける設定です。
複数のIPアドレスからアクセスする場合はその分だけ必要です。
http_port 3128の部分はOSインストール時に設定したポート番号を入力して下さい。
コピペしたらキーボードの「Esc」を押して編集モードを終了し、キーボードで「:wq」と打ち込んでエンターを押します。
エンターを押すと元の画面に戻るので次のコマンドを一行ずつ実行します。
systemctl reload squid
/etc/init.d/squid start
これで完了となります。
あとはパソコン側にプロキシの設定をしてあげれば完了です。
Windows10のプロキシ設定方法はこちらで説明しているので分からない方は参考にして下さい。
さくらのVPSまとめ
さくらのVPSはまずコントロールパネル内からポートの開放を行なわなければいけないので他のVPSサービスとはちょっと違いました。
他のVPSサービスの場合はコマンドでポートの開放が行えますがさくらのVPSはコマンドから行なっても開放できません。(表示はOKになりますが実際は開いていないようです)
またUbuntuですが、viの編集時にキーボードの矢印系を押すとAとかBとか英字が入力されてしまいます。
色々調べた結果、「vi ~/.vimrc」にset nocompatibleとset backspace=indent,eol,startを追記する事で直りました。(Ubuntuの手順に書いてあります)
若干他のVPSサービスと異なる部分があったので少々戸惑いましたが、慣れれば数分で行なえます。
さくらのVPSは2週間無料ですので興味のある方は一度試してみてはいかがでしょうか?
それでは最後までご覧頂きありがとうございました!