ダブルライセンス ペースメーカも人工透析も医療は黒く輝

色々あったことを、書きまとめる・・・とりとめのないブログです。 医療従事者には役に立つ・・・ことはないかもしれません・・・。 立つかもしれません。 看護専門学校→看護師→透析病院→臨床工学技士専門学校→臨床工学技士→元の透析病院(看護師として)→今の病院(臨床工学技士 として。)

筋肉の少ない老人には、無酢酸透析ができる味の素のカーボスターがいいよね。酢酸不耐症がなくなるよ。

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薬事日報 ウェブサイトより引用

酢酸フリー透析剤「カーボスター」 味の素医薬カンパニー : 薬事日報ウェブサイト

透析液で

カーボスターって聞いたことがありますか?

 

もう、ずいぶん昔に発売されたので

知らない人はいるのかな。

 

酢酸をクエン酸に置き換えたという

透析液です。

いわゆる無酢酸透析。

透析には

酢酸が入っていない方が、いいのです。

 

酢酸は透析液のpH調整に

仕方なく入っているんですけど、

身体の中に入ると

肝臓だけじゃなくて

一部、筋肉でも代謝されるらしいです。

だから、

筋肉の少ない老人では

酢酸の代謝が追いつかなくて

血圧低下、頭痛、気分不快などの症状が出ます。

いわゆる、酢酸不耐症というものです。

 

ゆえに

筋肉の少ない老人では

特に、効果が見込めるということです。

酢酸は、身体の中にないものですから

処理しきれなかったら

 字のごとく、酢酸に耐えられないのです。

 

発売当初

電話で直接、味の素ファーマに聞きまして、

そういう説明でした。

 

 

2007年6月27日に発売されたそうなので

あっちこっちから

有用だというデータが上がってきて

採用している施設も

増えています。

それは、透析中の血圧が下がらなくなったり

透析後の疲労感が少なくなったり、透析患者さんにとって

メリットがだいぶあるみたいです。

↓このような論文も出てます。

無酢酸透析液(カーボスターⓇ)
における臨床効果の検討

大久保範子、佐賀夏来、児玉健太、柳原 悠、大沢元和、小林久益、
熊谷 誠、畠山 卓※、山岸 剛※
秋田赤十字病院 腎センター、同 内科※

 <考察>
無酢酸透析液の臨床効果として

カーボスターⓇは血圧低下、

胸痛などの不快症状を引き起こす原因とされる酢酸を含んでおらず、

透析中における補液回数が減少したことから、

不均衡症候群の
頻度がより少ない透析液と考える。
また、代謝性アシドーシスの優れた是正効果と食欲が増進したことから、ダルベポエチンアルファ投与量が減量になったと考える。

<まとめ>
カーボスターⓇの臨床評価として

K/DOQI のガイドラインにおける

透析前血中重炭酸濃度22mEq/L 以上を維持することができた。

また、ダルベポエチンアルファ投与量の減量や

血圧低下時における生理食塩液の補液回数が減少したことからカーボスターⓇは不均衡症候群が少なく、

医療経済的にも有用な透析液であると考える。

 

無酢酸透析(カーボスター)における臨床効果の検討より引用。

http://www.akitajinfuzen.jp/archive/file/seminar/no14/seminar14-06.pdf

 

カーボスターは、酢酸が入っていないので

クエン酸を代わりに入れています。

 

普通の透析液は酢酸を入れることで、

 

透析液の酸性・アルカリ性の度合いを調整しています。

酢酸は酸性です。

これは

カルシウムとかマグネシウムとか

そういった電解質を形成する重金属が固体として

出てきにくくするためです。

 

酸性では物質が沈殿しやすく、アルカリ性だと

沈殿しにくいものだ、ということは

科学に詳しい人の中では常識らしいです。

 

というわけで、透析液には

重金属などの物質が固体として出てきてしまわないように、

酢酸が入っています。

 

それに対して

クエン酸アルカリ性です。

クエン酸だと、酸性・アルカリ性のことだけで言うと

カルシウムとか、マグネシウムとかの重金属は

出てきてしまうはずです。

 

それでも、

カーボスターには出てきていない。

沈殿などはできません。

それはなぜかというと、

キレートというものを利用しています。

 

化学においてキレート (chelate [ˈkiːleit]) とは、複数の配位座を持つ配位子(多座配位子)による金属イオンへの結合(配位)をいう。このようにしてできている錯体をキレート錯体と呼ぶ。キレート錯体は配位子が複数の配位座を持っているために、配位している物質から分離しにくい。これをキレート効果という。分子立体構造によって生じた隙間に金属を挟む姿から、「蟹のハサミ」を意味する chela (ラテン語 chēlaギリシャ語 chēlē)に由来する[1]

 

 Wikipedia キレートより引用。

キレート - Wikipedia

 

うん、意味がわかりませんね。

クエン酸は重金属の物質を挟み込みます。

イメージとしては包み込む感じ。

包み込まれると、ほかの物質とくっつきにくくなるんです。

 

くっつかなければ、固体とはならないので

固まって、沈殿を起こさないというイメージです。

 

キレートレモンという清涼飲料水がありますよね。

あの、キレートとカーボスターのキレートは

同じものです。

 

 キレートレモンはクエン酸とビタミンCが摂取できると

うたっていますけど、

なぜにキレートレモンと名付けたのかはわかりませんが、

カルシウムやマグネシウムなどの重金属の吸収を助けるのは確かです。

この場合は、消化器からの、ですけどもね。

 

キレート状態になると

細胞の中にすーっと、入っていきやすくなるので

 カルシウムなどの重金属は体の中に入っていきやすくなります。

血液中でこのキレートが起こると

カルシウム濃度が下がって

低カルシウム血症が起こることがあります。

カーボスターではこれを、

一部心配する人もいましたが

実際には、それほど多くの量ではないらしく

低カルシウム血症は起こっていません。

まあ、心配はなさそうです。

 

 

じゃあ、なんか悪いことはあるのか、と聞かれると、

カーボスターでは、デメリットが二つほど挙げられます。

 

一つ目は、透析液がアルカリ性ということが原因です。

アルカリ性だと

配管を痛めやすいのです。

酸性とアルカリ性は、酸性の方が痛めやすいような

感じなのに、実際はアルカリ性の方が痛めやすいなんて

なんか意外じゃないですか?

 

TORAYも日機装も対応していたと思いますけど

使おうと思ったら、

一度メーカーに問い合わせてみたほうがいいです。

対応機種じゃないもので、使おうとすると

配管が傷んで、液漏れやら起こす可能性もあります。

 

だから、使われているメーカーによっては

使用できないメーカーがあります。

使う前に聞いたほうがいい、というのが

ひと手間ですね。

でも大事です。

 

 

二つ目はシェアの問題。

昔からある扶桑社の方がシェアが

大きいのです。

後から参入してきたのだから、

まあ、しょうがないところもあります。

 

 でも、災害時にどれだけ在庫を確保できるか、

というとシェアが大きい会社の方が

たくさんの在庫を用意できるので

そこを考えて

味の素ファーマより、扶桑社と契約している施設もあります。

 

私は、前の病院でカーボスターを

入れようと思っていたんですけど

医師の

「どれでも透析液なんて一緒だろ」理論に負けまして

入れることができませんでした。

賛成していただけた医師もいらしゃったんですが

力関係が不利だったので。

 

そもそも、患者さんの

透析後に頭痛がひどくなる、という訴えを

私が聞きまして

試してみたいと思ったんです。

 

メーカー側は

無料で試供品を提供しても良いとまで

おしゃってくれたのに

残念でした。

試せませんでした。

少しでも、良い透析生活を・・・と思ったんですけど。

 

とりあえず・・・

良い透析生活を送るために

しっかりと透析をおこなって

良い栄養を取ってくださいませ。

 

 

 

 

良質な栄養の食事はいかがですか?良い透析のために

 

 

 

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