人生の課題に向き合う「かがみの孤城」やGGビジュアル企画 | ANIREISHA~アニメ、霊的スポット、旧車等~

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【かがみの孤城のネタバレヒントも】

2010年代以降、子供(ここでは高校生以下とする)が抱える課題と向き合う劇場アニメが増えてきたように思う。

 

尚、言っておくが「課題と向き合う」とは、「課題を解決する」ことじゃない。「かがみの孤城」の原恵一監督の言葉を借りるなら、子供が思い悩んでいる悩みがあっさり解決してしまうアニメなんて嘘くさい。

課題と向き合っている劇場アニメは、最近のものでは「かがみの孤城」や新海誠監督の「すずめの戸締まり」等の災害三部作、近年では「竜とそばかすの姫」や「魔女見習いを探して」(大人も対象)等。

 

 

少し古いが原恵一監督の「カラフル」も同様。また、何十年も前からゴーゴービジュアル企画では、児童の各種問題に絞った道徳アニメを製作してきた。

「かがみの孤城」では不登校、災害三部作では被災者の心、「竜とそばかすの姫」では児童虐待、「魔女見習いを探して」では各種人間関係、「カラフル」では自殺と向き合い、映画を鑑賞する該当者が前向きに生きるヒントを提示してきた。

 

 

去年も触れたように、原恵一監督、新海誠監督、細田守監督等はこのような作品を世に送り出す度に前述のような「問題が全く解決していないではないか」という心無い批判を受けてきた。

しかし各種問題・課題・悩みを抱える子らは、そのジャンルが同じであっても、一人一人境遇が異なることから、容易く問題が解決されることはない。それは家庭環境が影響している場合や、法律の壁が立ちはだかるケース等、様々。

 

 

そのような子たちは、自分の抱える課題の本質や対処法すら分からない場合がある。客観的に見ると児童虐待であっても、虐待されている本人に取ったら、「自分が悪いせいだ」と思い込んでいるケースもある。

そんな子たちが当該映画を観て、自分の置かれている立場を客観的に把握し、勇気を貰い、少しでも前向きに生きて行こうという考えになれば、アニメ製作者冥利に尽きる、というもの。それを批判する権利は誰にもない。

 

 

と、いうことでこれからもどんどんこのような劇場アニメが製作されることを歓迎するが、「児童問題提起アニメ」製作の古参、ゴーゴービジュアル企画は近年、アニメ製作をやめ、実写映画しか製作していない。

考えられる原因は酒井法子の薬物事件。酒井がキャラクターボイスを務めた「大ちゃんだいすき。」以降、同社は実写映画に切り替えた。同アニメについては、ゴーゴービジュアル企画が事件発覚以降、酒井を訴えている。

 

 

同社はアニメの公開期間終了後、学校等の教育機関に作品を教育素材としてレンタルや販売をしてきたのだが、関係者が事件を起こすとそれができなくなるから、酒井に損害賠償を求めたのだ。

「大ちゃんだいすき。」が実写映画なら、酒井が起用されることはなかったはず。等身大の道徳映画を作るなら、「等身大の存在」を演じられる俳優じゃないといけない。だから実写に切り替えたんじゃないだろうか。

 

 

しかし本来、作品に罪はないはず。関係者が事件を起こしたからと言って、出演作品を蔑視するような行為は、道徳的には、罪人の子を差別する行為と同じ。道徳映画を製作する会社はそこを理解して欲しい。

ところで前に触れたように、ゴーゴービジュアル企画のアニメ作品は、小学校や公民館のみで上映され、一般の映画館では上映されてこなかった。これは、道徳アニメは客を呼べない、ということで配給会社が配給してこなかったため。

 

 

この問題は配給会社側にもゴーゴービジュアル企画側にもある。道徳アニメの中にも感動できる作品はあるから、配給会社は偏見を捨てるべきで、ゴーゴービジュアル企画側はアニメにエンターテインメント要素を入れるべき。

「竜とそばかすの姫」や災害三部作等がヒットしたのは、エンターテイメント作品だったからに他ならない。道徳を押し付けられるのではなく、楽しめる作品じゃないと観客は喜ばない。ゴーゴービジュアル企画はそこを理解してアニメ製作を再開して欲しい。

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で、見出しで触れたかがみの孤城のネタバレヒントについてだが、この映画の「鍵」は、理由も分からず鏡の城に集められた、ある学校の生徒たちが、現実世界に戻って学校で皆と会おうとした時、誰とも会えなかった、という点。

大人や勘のいい子供なら、このからくりは瞬間的に分かったと思うが、まだ映画を観ていない者は、添付の8人のキャラクターとそれぞれの担当声優の写真を見て貰いたい。特にキャラクターの顔、目。

「おや?」と思うはず。そしてなんで声優の数が8人なんだ?と疑問に感じるはず。8人のキャラクターに対して、声優の数が8人なのは本来ならば当然なのだが、そこが可笑しい、という矛盾を考えればからくりは分かる。そう、既に映画の冒頭に近い部分に謎を解く鍵となる最重要人物が現れている。

「カラフル」は主人公の親の立場になって号泣してしまったが、「かがみの孤城」は登場人物の立場になって流涙してしまった。悩みを抱えている人も、そうでない人も感動すること間違いなし。ぜひ、映画館に行って入場特典を貰おう。

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