ポニョと宮崎監督のイメージ聖地(6)監督が地勢を把握した絶景地 | ANIREISHA~アニメ、霊的スポット、旧車等~

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鞆の浦一の絶景地・太子殿

医王寺は平安時代の弘法大師空海が開基の古刹だが、文政9年、長崎出島のオランダ商館付きの医師、シーボルトも参拝している。そして、宮崎駿監督も。

 

宮崎監督は鞆の浦滞在時、よく街中の喫茶店や食堂で朝昼食を取った後、そのまま徒歩で医王寺からその奥の院的存在の太子殿(上の画像)に登っていたという。

 

医王寺境内からは鞆の浦を一望できるが、そこから15分ほどで登れる太子殿からの絶景は、その比ではない。医王寺からよりももっと詳しく、鞆の浦の地勢を把握することができる。

 

監督はここからの景色を見て、「崖の上のポニョ」の宗介が住む町の全体像をイメージし、アニメに描く各施設の位置関係を設定していったものと思われる。

ここからカメラの数十倍のズームで、監督が滞在して、ポニョの構想を練っていた「崖の上」の民家(下の画像)を捉えることができる。

 

ここからは以前紹介した後山公園に登ることもできるが、監督は年齢的にも流石にそんな体力はないだろう。

下山路は、監督が頻繁に登っていたコースを下る。まず、医王寺の塀の下の犬走り的小径を北進する。

 

すると右手下に古びた赤い屋根の洋館が見えてくるが、それが宗介の家のモデルだと言われている。かつて土日のみ開館していた「楢村幸男美術館」だ。

 

一旦小さな川を渡って右折して下ると、美術館前に出る小径に折れる。実際の宗介の家とは形がやや異なるものの、鞆の浦で最も宗介の家に近いのがこの建物(下の図と上の画像)。監督も医王寺や太子殿に上る際は必ず目にしていた。

 

そこからは観光客の姿も多い、所々石畳のある風情ある坂道を下って行く。

街中のT字路に突き当たると一旦北に折れた後、すぐ東に折れて、商家群等、歴史的景観の残るメインストリートを進む。

 

営業時間外は看板が出ていないから分かり難いが、「けすくせ」という商家の店と軒続きのように見える、間口の狭い商家は「食事処 海彦」(上の画像と下の図)で、監督も何度か食事した店。

 

ここには金魚が多数飼育されていた大きな水槽があり(今はないかも)、その中の赤いランチュウという種類の金魚が、ポニョのモデルとされている。監督もここでランチュ(ランチ)をしていて、ランチュウにビビビッ(古い表現)ときたんだろう。

 

店の前のT字路を南に折れた先の四差路北東角にある商家の店「民芸茶処 深津屋」にも監督はよく入店し、毎回コーヒーを飲んで、その後、医王寺その他街中を散策していたという。

次回は「崖の上」と「崖の下」のイメージ聖地を巡る。

 

PS:全国でステイホーム期間が終了したことから、またこのシリーズも再開した。来月からは都道府県を跨ぐ移動制限も解除される県が多そう。

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