ジブリ「海がきこえる」聖地巡り(1)杜崎家周辺 | ANIREISHA~アニメ、霊的スポット、旧車等~

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【坂本龍馬の木刀を拝める神社周辺】

スタジオジブリの鈴木プロデューサーいわく、「宮崎駿高畑勲には絶対描けないアニメ」、それが当時、ジブリの若手アニメーターたちが描いた「海がきこえる(氷室冴子原作)

 

アニメの舞台、「夏の高知」を意識した明るい背景に、瑞々しい高校生の青春群像が描かれている秀作。

このアニメを製作するにあたり、ロケハンは高知市中心街と浦戸湾沿いのいくつかの町に出向き、撮影やスケッチをした。旧吉川村や中土佐町の聖地については、現地に行くことなく、高知新聞社発行の「平成土佐風土記」を参考にして描いている。

 

この聖地の中で最も重要なのは勿論、主人公・杜崎拓の自宅とその周辺。そのモデルの地は五台山の南麓、高知県護国神社周辺。余談だが、護国神社は今年、「世界の何だコレ!?ミステリー」の神社仏閣に眠るお宝コーナーで紹介された。

 

そのお宝とは坂本龍馬が土佐在住時、道場で使用していた木刀。龍馬の「握り痕」もはっきり残っている。神社に予約すれば、誰でも拝観・撮影でき、素振りもできるから聖地観光の記念にでも。 

確か、スマイルプリキュアの妖精・ポップも人間化した際、龍馬のような格好をしていたような。

 

護国神社の駐車場から既に聖地の一つが見えている。駐車場の南東角から東に上がる坂道の道路がそれ。もう一人の主人公・武藤里伽子とその親友・小浜祐実が高知空港(現、高知龍馬空港)に行った時、小浜が拓に電話(当時は固定電話のみ)してきて、拓は武藤に貸したカネが遊興費に使われると勘違いし、空港へ行くべく、坂道を駆け下りるシーン。

 

少し上がった地点から後ろを振り返ると、玄関の入口に階段のある家が北側にあるが、この家も同シーンの別のカットで描かれた。(上の絵と下の写真)

 

そのすぐ上は、小径や階段を含む変形の五差路になっているが、二本目の左折道の入口には鉄製の手摺が設置されている。この手摺のある道は、登場人物らが大学生になり、高校の同窓会があるということで帰省し、拓が親友の松野豊が運転する車に同乗し、その車が上るシーンに出て来た。

 

但し、道以外の背景は実際とは異なり、その左折道の入口東沿いには「セキネサイクル」という看板の掛かった家が描かれ、直進道の奥には拓の自宅が描かれている。五差路の右側の家や直進道路の幅員も実際とは違う。

 

このシーンの影響か、私はてっきり、拓の自宅のモデルの民家はこの坂道の先にある、いずれかの小径を入った所にあるものと思っていた。が、どの分岐道を辿ってもそれらしき民家が現れない。

 

もしや、モデルの家はこの高台ではなく、下のバス通りに並行する旧道から分岐する道にあるのではないかと考え、高台の直進道を道路終点の階段まで行き、そこを下り、旧道へと出た。

 

旧道は一旦東に進んでみたが、バス通りまでの区間にそれらしき小径と家はなかった。そこで今度は西に進んだ。すると「南吸江」(みなみぎゅうこう)バス停の少々手前から北に入る私道の先に、探していた民家があった(上の写真と下の地図)。

 

私道の道路はすぐ擁壁に突き当たり、小径となって北東に上がり、その先の民家手前で反転する。その反転する小径沿いの一軒目のM谷氏宅が杜崎家のモデル。ここの表札は下の道路からも見えているから、カメラのズームで確認できる。

 

但し、反転する小径を辿ってはいけない。玄関まで行ってしまうとプライバシーの侵害になるからだ。この小径はM谷氏とその先の民家の住民のための道なのだ。

 

M谷氏の家はアニメで忠実に描かれているものの、下の道路沿いの家はアニメとは異なる。アニメでは道路の両側の家は典型的な日本家屋だが、実際は西側の家は鉄筋コンクリートのマンションで、東側は一部がカーポートになっている駐車場。

 

南吸江バス停からバス通りを北西に進めば、神社まで回遊できる。神社の駐車場手前の擁壁に「吸江十景・泊船岸:法師ヶ鼻」というプレートがはめ込まれている。その斜め向かいが法師ヶ鼻という岬だが、道路が二車線化したり、堤防が二重になる等しているため、かつての面影はない。ただ、その南東のくじらの形をした鯨岩だけは今も変わらず泳いでいる。

 

神社の駐車場を通り過ぎた先の左手、月極駐車場から堤防に上がることができるが、そこからアニメでは港(実際は中土佐町)周辺の景色として描かれた新青柳橋を望むことができる。

 

但し、アニメのシーンとはやや角度が異なる。アニメでは北方にある青柳橋()から新青柳橋を遠望した風景を描いているのかも知れない。

また、アニメでは拓の自宅二階の窓から小さな島が見えていたが、あの光景は恐らく、瀬戸東町の高台から見下ろしたものと思われる。

 

その島は横浜東町の浦戸湾に浮かぶ玉島(上の写真と下の写真の左端の島)。本来、その島の西には長続島(ながつづきじま)と続島が並んでいるのだが、アニメでは玉島しか描かれていない。

 

続島の方は実写版の「海がきこえる」の杜崎家二階の窓から見えている模様(未確認)。但し、実写版はDVD化されていないため、入手は容易くない。

尚、ネットでは続島を「衣ヶ島一」、長続島を「衣ヶ島二」と表記している者もいるが、それらの呼称は小字名で、二つの島を総称して「衣ヶ島」と言う。

 

続島には四国を統一した長宗我部元親ゆかりの神社(上の地図)もあるから、戦国BASARAファンは上陸を。続島は架橋されていて、続島と長続島との間は干潮時、海が割れて陸続きとなる。

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