ご報告とお礼ースマニュー砲ー
こんにちは、なつきちです。
しばらく更新を控えていました。
なぜかというと。。。
これが世に聞く「スマニュー砲」というやつでしょうか。
アクセス数の爆発的な増加、当社比およそ25倍です。
次の「ご報告とお礼」は合計1万アクセスのときを予定にとおぼろげに考えていましたが、いきなりぶっちぎっていました。
ちょっとびっくりしました。
いや、ビビりました。
何が起きたのかわからず、私の知らぬところで記事が炎上でもしているのかと思ってしまいました。
しかしその後少し冷静になって、アクセス元を見てみました。
そして思い出したのです、どなたかの記事でこんな話をされていたことを。
インフルエンサーでもない一介のブロガーな私の記事ですが、どなたかが取り上げてくださったのでしょう。
この場で申し訳ありませんが、御礼申し上げます。
思いもよらぬ形でクリスマスプレゼントをいただいたような感じです。
まさにサプライズ。
これを励みにというわけではありませんが、こんなことがあるのもブログの醍醐味なんですね。
アクセスも落ち着いてきたので、また記事の投稿を再開しようと思います。
今後とも何卒、よろしくお願いします。
うつ病のことーコエンザイムQ10の可能性ー
こんにちは、なつきちです。
今やエイジングケアの代表格として様々な化粧品や健康食品に用いられるコエンザイムQ10ですが、実はうつ病の改善にも期待が持てることをご存知でしょうか。
かくいう私も最近それを知ったので、今回はコエンザイムQ10の薬物療法としての可能性について取り上げたいと思います。
人が生きていくために必要なエネルギーを体の中で生産するときに使われる物質です。
体中に栄養を届けるために沢山のエネルギーを必要とする心臓や肝臓、腎臓に多く存在しています。
コエンザイムQ10の代表的な作用の一つに、活性酸素によって「細胞が錆びて元気がなくなる(=酸化する、老化する)」ことを防ぐ効果があります。
故にコエンザイムQ10は「抗酸化物質」と呼ばれ、体を若々しく保つために様々な化粧品や健康食品に用いられています。
また一部の心疾患による症状の緩和を目的に一般用医薬品としても販売されています。
20代をピークにその量が減少していくことや食事だけで必要量を摂取するのが難しいことからサプリメントで補うことが一般的です。
コエンザイムQ10は疲労回復や老化防止など、人が日常生活を健康に過ごすために欠かせない栄養素と言えます。
※コエンザイムQ10に関するより詳細な情報をご覧になりたい場合は下記サイトをご確認ください。
・明治大学化科学コミュニケーション研究所
コエンザイムQ10 | 疑似科学とされるものの科学性評定サイト
・「統合医療」情報発信サイト
コエンザイムQ10 | 海外の情報 | 医療関係者の方へ | 「統合医療」情報発信サイト 厚生労働省 「統合医療」に係る情報発信等推進事業
コエンザイムQ10のうつ症状における研究成果
・日本の化学メーカーの株式会社カネカと大阪市立大学の共同研究
慢性疲労症候群の患者に対し還元型コエンザイムQ10を投与しその前後の疲労・睡眠・うつ症状の評価が行われました。
還元型コエンザイムQ10とは「還元型」と「酸化型」という2種類あるコエンザイムQ10のうち体内ですぐに使うことができるものです。
結果、血中のコエンザイムQ10の濃度の上昇と、それに伴ううつ症状の改善が見られました。
※より詳細な情報は以下のリンクをご覧ください。
慢性疲労症候群に対する還元型コエンザイムQ10の改善効果について | 株式会社カネカ
・イランの研究チームによる発表
アメリカの医学誌で双極性障害のうつ状態の治療の増強にコエンザイムQ10が用いられ、その評価を発表しました。
抗うつ薬による治療を基本にコエンザイムQ10を加えたことによる増強効果がみられるかというものです。
結果、コエンザイムQ10を加えた一群に増強効果が見られました。
※より詳細な情報は以下のリンクをご覧ください。
以上のようにコエンザイムQ10はうつ症状の改善に効果を示しており、将来的にはうつ病の治療薬になるかもしれない可能性があるものでした。
もちろん治療薬が出来るまでには今後も継続して様々な研究や臨床試験による成果は必須となります。
あくまで現時点での成果なので、コエンザイムQ10を今から飲んでうつ病が改善することを保障しているものではない点は注意しなければなりません。
少しネットを覗くだけでもうつ病に対し日々様々な研究が行われ、そのメカニズムや治療方法についての情報が出てきます。
裏を返すまでもなくこれは世界的にうつ病に対して危機感を持ち、今一歩進んだ対処が必要であることの現れとも言えます。
私自身がうつ病とどう向き合っていくかを念頭において情報収集をしていますが、今うつ病に悩んている方への前向きな情報として今後も色々と発信していければと思います。
うつ病と暮らしのことー雇用保険の区分変更ー
こんにちは、なつきちです。
鬼門である日曜夕方から月曜にかけて躓いたこともあり、ブログの更新も含めぐだぐだな一週間になってしまいました。
どう過ごしたら良いものか、考えものです。。。
しかしそんな今週でも悪いことばかりでなく状況の進展もありました。
以前記事にした雇用保険と求職活動に関する内容です。
自己都合での退職だった私ですが、うつ病による退職であることを申し出たことで雇用保険での離職区分が「特定理由離職者」になりました。
それに伴い「一般受給資格者」とは異なるフローが発生し支援の幅も増えています。
詳細につきましては以下のリンクにてご確認いただけます。
・雇用保険の手続きに関しての記事
・雇用保険の区分変更に伴う支援に関しての記事
そして今回、特定理由離職者からさらに区分が変更となりました。
それが「就職困難者」という区分です。
就職困難者とは
(以下1~5、ハローワークインターネットサービス - 失業された方からのご質問(失業後の生活に関する情報)のQ4の補足1より。)
1.身体障害者
2.知的障害者
3.精神障害者
4.刑法等の規定により保護観察に付された方
5.社会的事情により就職が著しく阻害されている方など
私の場合、うつ病という精神疾患を患っていることから「3.精神障害者」に該当します。
またその根拠については、厚生労働省が「障害者」の定義をホームページ上に載せています。
以下がその抜粋です(障害者の雇用 |厚生労働省より)。
《「障害者」の範囲》
障害者雇用率制度の上では、身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳の所有者を実雇用率の算定対象としています(短時間労働者は原則0.5人カウント)。ただし、障害者雇用に関する助成金については、手帳を持たない統合失調症、そううつ病(そう病、うつ病を含む)、てんかんの方も対象となり、またハローワークや地域障害者職業センターなどによる支援においては、「心身の障害があるために長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な方」が対象となります。
ここで示されている「障害者」とは障害者手帳や療育手帳を所有している者および手帳を持たない統合失調症、そううつ病(そう病、うつ病を含む)、てんかんの方です。
また最後の文でハローワークなどでの支援については「心身の障害があるために長期にわたり職業生活に相当の制限を受け、又は職業生活を営むことが著しく困難な方」と記載されています。
つまり、手帳を所有していなくてもうつ病という精神疾患を患っている場合、障害があり就職が困難な人物に向けた支援の枠に収まることになります。
しかしここでひとつ問題があります。
それは精神障害保健福祉手帳を持っていない私がうつ病であることを証明しなければならない点です。
そのためハローワークから渡された、うつ病を証明する書類「主治医の意見書(様式4)」を記入を主治医に依頼しました。
ポイントになるのは、
①障害(疾患)を持っているが、症状は安定し求職活動が可能である。
②就労に際しては、作業(業務)内容に注意すれば継続して就労可能である。
以上の点です。
もちろん今の自分が仕事に就くことが出来る状態なのかは主治医とよく話し合うことが必要です。
無理をして仕事に就くことは症状の悪化や長期化に繋がり、未来の自分を苦しめる結果になりかねません。
今回ハローワークへ書類を提出し申請が通ったことで、「就職困難者」として改めて求職活動をしていくことになりました。
また大変有難いことに基本手当の給付期間も120日から300日へと延長されます。
120日という期間で焦って求職活動をするのと、300日の間で企業や職種、業務内容をしっかり調べながら活動をするのとではその成果や未来の自分の在り方も大幅に変わってくるはずです。
今後の予定として、近々ではハローワーク主催の精神疾患の方に向けた就職セミナーに申し込みをしています。
セミナーの内容によって、求職活動の方向性もより具体的になってくるかと思いますのでまたご報告させていただきます。
今回の記事につきましても、個々の状況によっては必ずしも同じ対応や結果にならない場合があります。
より具体的な手続きなどについてはお住いの管轄のハローワークや主治医とご相談いただけると幸いです。
うつ病のことー備えとしての就業不能保険ー
こんにちは、なつきちです。
働けなくなった時に考えなければならないことの一つに生活費を如何にして工面するかということがあります。
以前取り上げたものとして、社会保障の制度の雇用保険や健康保険の生活保障の傷病手当金がありました(以下、過去の記事のリンクです)。
しかし当然のことながら、働いていた時と同額ではなかったり、給付の期間が決まっているので回復が先か期限が先かという不安はいつも付きまとっています。
障害年金や生活保護といった制度もありますが、保険会社にも目を向けたところ、雇用保険や傷病手当に準ずる就業不能保険という商品もあるようなので内容を見ていきたいと思います。
収入の減少を補う就業不能保険
長期間働けなくなった時の生活費を補ってくれる保険会社が提供する商品です。
最近ではうつ病などの精神疾患(またはストレス性疾患)も保障の対象になっており、入院していなくても継続して働けない状態が続く場合は給付金を受け取ることが出来ます。
給付金額はおおよそ10~20万円です。
保険の満了は60~65歳です。
加入に際しての注意点(※)
1.精神疾患の場合は以下のいずれかの条件を満たしていることが必要です。
①入院
②障害等級2級以上に認定された状態。
2.精神疾患の場合、支払対象外期間を経過後に給付されます。
例)60日間の支払い対象外期間を経過した後にされる等。
3.給付期間や回数に上限が設けられている場合があります。
例)給付回数が通算18回まで、最大2年間まで等。
※支払い条件は各保険会社や商品によって異なります。
具体的な商品
上記の商品はその一部で、他の保険会社から出ている就業不能保険もあります。
単体の保険はもちろん、特約でつけることが出来るものまで様々です。
給付の要件を見ていく限り、会社勤めをされている場合にはまず傷病手当金を受け取ることが優先になるようです。
自営業やフリーランスの場合は傷病手当がないので、検討の余地はあるといった感じです。
しかし今の社会では働けなくなる疾病のうち約4割が精神疾患によるものという調査結果も出ているもの確かです。
医療技術の進歩により入院を含め治療日数が短くなっているなかにおいても、精神疾患は治療の見通しが立てにくく扱いが難しい分野とも言われています。
それでも生きていく限り生活費や教育費、ローンなどお金に関する問題は常について回ります。
無理のない復帰を目指したいと考えたとき、就業不能保険は生活を助けてくれる万が一の備えになります。
最近ではショッピングモールなどでも無料の保険相談窓口があるので、この記事が今後の備えについて考えるきっかけになれば幸いです。
うつ病のことー中医学からみるうつ病ー
こんにちは、なつきちです。
今日もすっきりと晴れた空と相まって、外に出る気がそがれるほど寒さが身にしみる気温でした。
風邪やインフルエンザが流行り始め、特に健康管理には気を付けなければならないシーズンに突入です。
この時期になると目にする機会が増える薬の中に漢方薬があります。
風邪の引き始めに良い葛根湯や日中眠気が出るのが困る方が選ぶ小青竜湯などの漢方薬は強い味方です。
最近ではインフルエンザかもしれないような高い熱が出た時のために麻黄湯なども売り場に並んでいます。
様々な場面に応じて回復を助けてくれる漢方薬ですが、うつ病に良いとされる漢方もあるのでどんなものがあるのかを見ていきたいと思います。
中医学の考え方
中国の長い歴史の中で体系化された医学を中医学と呼びます。
他にも漢方医学、東洋医学という呼び名を耳にしたことがある方も多いと思いますが、便宜上同じものとして考えてもらっても差し支えありません。
中医学において人体は気、血、津液の三つで構成されていると考えられています。
気・・・身体をめぐるエネルギーのことで、気力や元気といったイメージです。
血・・・身体をめぐる赤い液状のものことで、血液のイメージです。
津液・・身体を構成する液体のことで、唾液や汗、涙といったイメージです。
人の内臓は五臓六腑という表現が用いられます。
五臓・・・肝、心、脾、肺、腎
六腑・・・胆、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦
現代の医学でも用いられる表現ですが、意味合いは若干異なります。
この他にも陰陽、五行、証など様々な要素や観点から心身の状態を見分けていきますが、中医学で一番大切なことは治療によって乱れてしまった心身のバランスを整えることです。
つまり気血津液や五臓六腑などのバランスが保てなくなると風邪をひいたり、うつ病になってしまうと考えられています。
この鬱証においてもっとも重要なことは、気力や元気のもとである「気」の流れが滞っているため、元気がなく気分も落ち込んでいる状態であるということです。
また内臓では肝、心、脾が弱っています。
とりわけ肝が弱っていると気や血の流れが滞るため、自律神経が乱れたり、情緒不安定になりやすくなります。
漢方薬の選び方
柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)
抑肝散(よくかんさん)
肝の状態を整え、気の流れを改善する効果が期待できます。
・気滞痰鬱:抑うつ感、気分の落ち込み、喉の異物感などが気になる方
半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)
気の流れを良くして、喉のつかえを取り去ります。
・心脾両虚:やる気が起きない、元気がない、疲れがとれない方
帰脾湯(きひとう)
加味帰脾湯(かみきひとう)
気や血を補い、心や碑を元気にしてくれます。
・陰虚火旺:イライラしやすい、怒りっぽい、眩暈などが気になる方
六味地黄丸(ろくみじおうがん)
イライラを鎮め、眠りに入りやすくしてくれます。
上に紹介したものは数多ある漢方薬のごく一部です。
場所によっては漢方外来や漢方精神科という名称で、より専門的に漢方による治療を行っている病院やクリニックが存在します。
現代医学の治療薬から漢方薬に変えたことで、長年悩まされていたうつ病の症状が改善したというケースもあります。
また心身のバランスを整えることでうつの体質自体を改善することが期待できるのも漢方薬の利点です。
治療の選択肢の一つとして、主治医と相談してみるのもいいかもしれません。
うつ病のことーうつと天気ー
こんにちは、なつきちです。
東京では朝から晴れている日は約2週間ぶりとのこと。
そんなに曇った日が続いていたなんて気が付かなかったのですが、昨日のように寒くて雨模様の日は抑うつ感が酷く横になりっぱなしでした。
我が家の長男次男も咳をしたり鼻をすすっていたので、これは具合が悪くなるかも、なんて思っていました。
寒さが堪えるのはもちろんですが、うつ病の人もそうでない人にとっても、日の光は日々の体調を支える上でとても大切なものなのだということを改めて感じさせられます。
それが今回取り上げる「天気うつ」の話です。
「天気うつ」とは
気圧の低下により一時的に気分が落ち込んだり、意欲が低下している状態を指します。
病気としてのうつ病は気分の落ち込みなどの症状が「2週間以上続いている」ことが定義なので、その前段階ということになります。
気圧とは
ここでポイントになる気圧ですが、すごく大雑把に言うと、空気が周りの物を押す力(圧力)のことです。
目には見えませんが、空気も物質なので沢山の小さな粒が集まって出来ています。
なので空気にも他の物質と同じように重さがあります。
人の周りには常に空気が存在しているので、強弱はあるものの人は常に空気によって押されているのです。
気圧が高い・・・空気が沢山あるので、押す力が強い
気圧が低い・・・空気が少ないので、押す力が弱い
つまり、低気圧とは空気が周りの物を押す力が弱い状態です。
富士山などの高い山に登ると空気が薄くて息が上がってしまうのは、気圧が低くて空気が少ないことが理由です。
そして空気の特性として、空気が沢山あるところから少ないところに移動しようとします。
空気が移動することによって「風」が起こり、風によって沢山の空気が集まって「雲」が出来ます。
雲は空気のなかにある沢山の水分が集まっているので、今度は「雨」として地上に落ちていきます。
よって、気圧が低くなると曇りや雨模様の天気が多くなります。
低気圧とうつの関係
人はそもそも備わっている体内のリズムによって日が差している日中に活動し、日が落ちた夜に休息を取るように出来ています。
なので日が落ちた夜の間、身体はリラックスモードになり活動量や意欲は低下します。
専門的な言葉を使うと、リラックスモードとは副交感神経が優位な状態です。
身体は敏感に変化を感じ取るので、気圧が低くなり曇りや雨で日差しが少なくない日は夜の間と同じようにリラックスモードに入ろうとします。
このリラックスモードに入ろうとする状態が、天気うつの正体です。
また気圧が低くなると身体を押す力が弱くなるため、普段より血流が滞りやすくなります。
その結果、身体に栄養や酸素が十分にいきわたらず、肩や腰の凝り、頭痛、怠さ、むくみなどの身体症状として現れます。
ここまでかなりざっくりとした説明になりましたが、低気圧と心身の不調の因果関係を見てきました。
太陽の光を貯めておくことは出来ませんが、天気が悪い日は部屋をなるべく明るくしておくことで身体が日中にリラックスモードになろうとすることを予防できます。
また曇りや雨が続いた後の晴れた日は、なるべく朝から日差しを浴びることがセロトニンの分泌を促し、抑うつ感から早く抜け出すことに繋がります。
うつ病で悩んでいる人もそうでない人も、心身の健康のために是非、晴れた日には外で日差しを浴びることを心掛けてみましょう。
うつ病のことー治療薬としての〇〇〇〇マッシュルームー
こんにちは、なつきちです。
トピックとして取り上げたいのですが、タイトルに迷った結果、こんな形になりました。
今回は幻覚剤として知られているマジックマッシュルームとうつ病の治療薬についての話です。
うつ病にも様々な治療薬が作られていますが、それでもまだまだうつ病に悩んでいる方は多いのが実情です。
マジックマッシュルームとはどんなものなのか、そして治療薬としての有用性や将来性はどの程度あるのかをみていきたいと思います。
マジックマッシュルーム(英語表記)magic mushroom
シロシビンやシロシンなどの幻覚性成分を含む数種のキノコ。日本をはじめ多くの国では、これらのキノコに含まれる幻覚物質を麻薬に指定している。 ※コトバンクより
古くには中米で栄えた文明の宗教儀式に用いられたり、日本では誰もが勉強する古典文学にもその記述を見ることが出来ます。
和名ではワライタケやシビレタケという名で知られているキノコで、現在日本では所持や使用は規制されています。
解説では「幻覚」、「麻薬」というワードが出てくるので一見するとうつ病とはあまり縁がないような代物と受け取れます。
しかし医療の世界で見たとき、その成分であるシロシビンが非常に重要な役割を果たしてくれます。
2016年のイギリスの研究チームにより、過去に抗うつ薬を一定期間投与したが効果が見られなかったうつ病患者に対してシロシビンを投与したところ、うつ病の症状が改善したと発表されました。
男女計12名の患者に対し、2週間わたりシロシビンの薬を投与し、MRIにより脳内の画像を解析したところ、投与前後の脳内の血流に変化が見られました。
変化が見られた部位はうつ病になると血流が活発になる前頭前皮質で、不安やストレスに深く関係しています。
シロシビンの投与によりこの部位の血流が減少、その後5週間にわたる経過観察から不安やストレスが和らげられリラックスした気分を得られたということが報告されました。
臨床試験の最終的な検証対象が12人であり、改善が見られたのはその内の半数の6名と小規模でした。
しかしシロシビンにより既存の抗うつ薬では回復が難しいとされる難治性うつ病の改善への可能性が示され、以後のさらなる研究にも期待が持てます。
またイギリスでの臨床試験の他にも、アメリカの食品医療品局でシロシビンを用いた治療薬の臨床試験が許可され研究が進められています。
アメリカでも難治性うつ病に苦しむ患者が多数いることから、以前から幻覚剤を用いた治療薬の開発自体が求められていました。
イギリスにしろアメリカにしろ、一般に治療薬として流通するのはまだ先の話ですが、今後の研究成果と新たな治療薬の開発に関する続報を待ちたいと思います。