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裸の恩返し11

ゆきのスピリッツ~創作の宴

裸の恩返し11

「はい?」

私から、語句の上がった返答をしたのはイラつき感からだ。

怪訝そうな表情を露呈したことだろう。

私の粗相か?いやいや先方の伝え忘れであろう。

「余計なことかもしれませんが…。そのままご入浴ですか?」


なんとまどろっこしい。
服は脱ぐし裸にもなる。
当たり前すぎる事柄に何と返答すればよいやら苦慮していた。


「もしや、この二人狸では?」

いや、待て…。

もしや額からの出血が入浴できないという事だったりはしないか?

慌てて両手で額を弄り(まさぐり)
目の前に広げてみるものの血痕の跡はどこにも見当たらない。

そんな不明な行動を何度となく繰り返すものだから男性店員がこんなことを言う。

「お客様、大丈夫です。何もついていませんよ。わははは。」

こっちは気にしてるんだ。何も笑う事もないではないか。

お客に対してどんなつもりなんだ?
たかだか一万円。

されど今の私にとっては今日から来月の5日の給料日まで食っていけるかいけないかの予算組みをする前に支払った大金だ。
入浴一か月分を前金で支払った上得意のお客様じゃないか。それをなんだ。

顔を数回弄ったのはドアにぶつけて出血したのを気にしての行動だ。 そんなに笑う程おかしな行動か?


隣の女性店員も遠慮会釈なく笑っている。


私は笑われている自分と気の利いた返答もできない自分が恥ずかしくも思えてきて切り出した。


「あの~申し訳ありませんが…ご用件は何ですか?」



男性店員は笑いを押さえて返答してきた。

「あ、あ、あははっ。あーっはは。あーすみません。そのままお風呂に行かれるのかと思いまして。」

それはさっき聞いた。

おい、ちょっと笑いすぎだ。


よほどつまらない毎日を送っているのか?

私は、そん所そこいらに見ることもないであろうムス顔を決め込んだ。


「あの、何が言いたいんですか?」

(; ・`д・´)ムスッ。


続く。




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コメント

No title

ゆきのさんのムス顔かわいいんでしょうね!

ムス顔

ゆきののムス顔ですか?
おっがねー顔かもしんねーっす。
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雪乃 精レイ

Author:雪乃 精レイ
812officialライバー・タレント/ワードイマジネーター/会社役員・取締役/第三十回東京メトロ文学館入選/第二回文藝吉川にて教育長賞/「渋谷クロスFM」出演/オキラジゆいまーるちゃんねる出演など/ライブ812毎日21時30分~23時出演・配信中

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