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Bunker 16

こんばんは😃🌃
『Bunker』です。🎶
少しですが‥😅
それではどうぞ~✴


本日は先ほどお知らせした通り
『Bunker 16』と『女子アナ(仮)』の2本を更新しています。












あの日から三ヶ月が過ぎた

あの日以来、俺達はそれぞれの場所で日常を過ごしながら少しずつ調べを進めていた

東京では三人で時間を作っては調べがついた事柄から
怪しい人物を付き合わせる作業を重ね
NYでは表に出られない司も屋敷で仕事を熟しながら調べを進めていて
お袋さんは相変わらず世界中を飛び回っていた

そんな中で久々に嬉しいニュースも飛び込んできた

司と牧野に第二子となる女の子が生まれた
性別は早い時期から分かっていたらしいが
牧野の体調が事件以降思わしくなく
無事に生まれてくるまで綱渡りのような状態だったけれど

なんとか母子共に健康で経過は良好だと
電話の向こうの司の口調は珍しく弾んでいた

理不尽に奪われる命がある一方で祝福され生まれ出る新しい命もある
この世の中が矛盾に満ちている事を知っている

だからこそこの新しい命が希望の光となって俺達に降り注ぐ

嬉しいニュースの一方でお袋さんの事件について調べを進め
分かった事と分からなかった事がある

少なくともお袋さんの事件の後処理は
秘密裏ではあるが法律的には適正に執り行われていた

穿った見方をすれば不正が行われたという証拠が見つからなかっただけかもしれないが
現在のところは不正を伺わせる事実は出て来なかった

「類?あれから調べてみたけど俺達では何も怪しい物は出て来なかったけれど
お前の方はどうなんだ?なんか見つけたか?」

「特にはなにも。けどおばさんが治療を受けた病院で
同じ夜に死産している女性がいる」

いつものように一人だけ窓際のカウチに座り
注ぎ込む陽の光に少し目を細めながら類が答えた

「それがなんか関係あんのか?」

「分からない」

「確証がねぇなら言うなよ」

「分からないけど分かった事もあるよ」

類の言う通り分かった事もある

今の所、それがお袋さんの事件とどう繋がるのかは不明だが
調べを進めていく中でこれは…と思う事が何点か出て来た

一つ目は手術を執刀した担当医について

この医師は全米でもかなり有望な婦人科医で
アメリカ中からこの医師の診察を求めて来るぐらいの名医だったが
当時はまだNYの一病院の婦人科の部長という地位に甘んじていた

「この医者は名医なんだろ?
なのにどうしてそんな低い地位にいたんだ?」

「低いって言っても部長だからそれなりの地位にいたし
待遇面でもそれなりに優遇はされてたみたいだけど
医師としては優秀でも人としての評価は低かったみたいだよ。
野心的で出世欲も金銭欲も旺盛だったけど性欲もかなりな物だったみたいで
欲で才能をダメにしちゃう典型的なタイプだったみたいで
現におばさんの手術の半年後に同じ病院の看護士からセクハラで
訴えられて負けてかなりの慰謝料を取られてるし
その他にも製薬会社から賄賂を貰ってるだとか
NY市警の本部長と懇意にしてて飲酒運転やスピード違反を揉み消して貰ってるだとか…
とにかく良くない噂が多い奴だったんだ」

「だったってさっきから過去形だけどこいつ今は何処で何してんだ?」

「今は故郷のカンザスの共同墓地に両親と並んで埋葬されてる」

「こいつ…死んでんのか?!」

「うん、それもこっちの事件が起こる一ヶ月程前にマイアミで事故死してる」

「事故死!?まさかそれも…?」

「分からない…けどタイミングがね…ちょっとひっかかる」

タイミング‥

単なる偶然かもしれない

いや、寧ろその方が確率的に高いような気がするけれど

どうしてもきな臭い物を感じる

医師の死因は急性心筋梗塞

死因としては一般的

人間なら誰しも最終的には心臓がその動きを止めて死に至る

持病や年齢的な事を考えて多少の不自然さは残るけれど
40代後半で健康体だと思われていた人だって
突然、死に至ることだってあり得る

だけどそれらを差し引いてもやっぱりこのタイミングで
司のお袋さんの執刀医が急死しているって事は
調べてみる価値はあるんじゃないかと思った






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kirakira
Posted bykirakira

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